忘却されし物語 《シュバルツ・ゲデヒトニス(黒の記憶)》   作:偽作者(ハザードフォーム)

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第21章「懐かしき人との再会」

「フェルトさ~ん、おはようございます‧‧‧‧‧。」

 

そして、朝。俺の目の前で寝ぼけているかのように、あの雷帝の姫であるブリッツが眠そうな目を擦りながらも、ベッドから起き上がり、俺に挨拶をする。

 

って、おい‧‧‧‧何で冷静に説明してんだああああああっ!!!俺ええええっ!!

 

そして、何で俺はここに居るんだあああああああっ!!

 

そう、俺が何故ここに居るのか、それは今から何日前に遡る。

俺はその日の朝、昨日の謎の襲撃で雷帝の姫、ブリッツを救出しようとしたせいか、右足の骨折、そして、岩を持ち上げようとしたせいか、ヒビの入っていた左腕の骨折をした。だから、松葉杖で、今朝、隊長の所に報告を聞きに行ったんだ。それでアイツに何を言われたか分かるか?

「フェルト、お前昨日ブリッツ陛下をナンパしたらしいんだな。スゲーな、おい。」

 

そう、いきなり、アイツ等のネタを言ってきたんだよおおおおおおおっ!!

 

しかも、 雷帝の姫をナンパしたフェルト(笑)って、(笑)まで丁寧に付けてよっ!

 

そんで、そこから、俺の不幸が始まったんだ‧‧‧‧

 

ーそんでもって、フェルト、お前は今日から、雷帝陛下んとこの護衛+αな。そう、永遠に‧‧‧‧ー

 

ーファッ!?どういう事なんですかっ!?隊長っ!俺はまだここで「へいへい、分かってるよ。というか、お前元々護衛向きだし?それに、お前 ブリッツ陛下をナンパしたそうじゃん?だから雷帝の方がカンカンに怒っちまっててよ。"ゴラァ、テメェ、俺の娘に何すんだっ!"っていう感じによ。」ー

 

ーそれに、ここに居るよりかはあっちの方が稼ぎや衣食住にも困る事無いだろ?只、あれだけど。それに、オリヴィエ陛下は武器を使う者を嫌ってらっしゃる。そんで、もって、お前は雷帝とこの護衛な。はい、これは、その雷帝からの認証書。ー

 

 

雷帝怒らせちまって、オリヴィエ陛下が武器を 嫌ってるとか、どうとかで、 部隊から外されるわ

 

 

ーあれ‧‧‧‧‧?フェルトさん?こんな所で一体どうしたんですか‧‧‧?それに、その服装は?ー

 

ーえ、えっとですね‧‧‧‧‧‧その、隊長に任務として、ここで雷帝陛下の護衛と何か色々な世w「あれ?これって、もしかして、父上の認定書ですか?」え、あ、はい‧‧‧‧‧ー

 

ーえっと‧‧‧‧‧‧一応確認してきますね?ー

 

 

ーおお、来ましたか。フェルト殿。ー

 

ーはっ、それd「では、ブリッツの護衛と世話を頼みますよ?」は、はい?ー

 

ーいや~、実は貴方の部隊の方の隊長殿から、うってつけの護衛が居るって聞いたんですよ。それじゃあ、宜しくお願いしますね?ー

 

と、雷帝の所に殺されるのを覚悟して行ったら、それが実際、全く違って、雷帝は全然ぶちギレても無かった‧‧‧‧というより、逆に喜んでた。んで、何故か俺がこの雷帝の姫の護衛となるあげく‧‧‧‧‧‧

 

ー違あああうっ!!これはこうですっ!!もう一度やり直しなさいっ!!ー

 

ー今から1000回、身体強化魔法を施して、あの山の頂上へ行ったり来たりしなさいっ!制限時間は200分です。ー

 

何処ぞやの化け物を狩る村の狩猟達を鍛える熱血教官みたいな奴に剣術、料理、裁縫とか、雷帝の姫の身の回りの世に必要な物を全てスパルタ指導させられている状態だ。だが、まだまだ終わりが見えそうにないんだけど‧‧‧‧‧‧何これ、前に劇で見た何処ぞやの自分の母親と行き別れになった少女が母親を探しに3千里という遥か遠き道のりを旅する奴の地獄版なのか!?んまぁ、だが‧‧‧‧‧‧

 

 

ーあ、フェルトさん。お疲れ様です。えっと、その、つまらない物なんですが‧‧‧‧‧その、差し入れです。ー

 

ーへぇ、そうなんですか‧‧‧‧‧フェルトさんって、凄いんですねっ!-

 

 

俺は雷帝陛下の姫と話し合った事を思い出しながらも、雷帝陛下の姫の顔を見る。

 

だが・・まあ、前の暮らしよりかはマシになったし・・・・少し楽しい気がするいうのは、嘘じゃないけどさ・・・・・・・それに、あいつ等がいないのは少し寂しいが、ネタにされなくて色々と済むし?

 

ー頑張れよ・・・・・・フェルト・・・・-

 

だけど・・・・結局・・・俺はアイツとの約束を・・・果たす事が出来なかったな・・・・・。

 

「・・・・?フェルトさん、どうかなされたのですか・・・・?」

 

そんな中、俺に雷帝陛下の姫が不思議そうな顔で俺を見ながらも、どうしたのか?聞いて来る。

 

あ・・・・ぼうっと突っ立ってる場合じゃねえっ!!またあの糞熱血教官に色々言われるぞっ!!

 

「あ、いえ・・・・何でもありません・・・・えっと・・・・それでは、早く着替えないとなりませんよ?ひm「ブリッツですよ、フェルトさん。」で、ですが・・・・」

 

「あの人には、私からどうにか、言って置きますから。普通に私の名はブリッツって呼んで貰って良いんです。それじゃあ、行きましょう?フェルトさん。」

 

そして、雷帝陛下の姫は俺に自分の名前を呼んで欲しくいと言うと、俺に笑顔を見せながらも、更衣室へと向かって歩き始める。

 

・・・・いやさ、本当に・・・凄く優しくない?それに、色々優秀だし?あの姫って3姉妹のうち、2番目の姉らしいんだけどさ、スタイル抜群だし・・通常じゃ有り得ない程のダイナマイトボディ、してるし・・・・・・それに、何か色々・・言葉で表現すんのが、難しいんだけど・・・何か、こう・・・凄いよな?しかも、何処ぞやの昔の子供の世話をするオカンにも見える・・・・・。

それに、俺と同じ22歳なのに・・・・・もう夫がいてもおかしくないのによ・・・あの姫は全然その事について、話してくれないんだよな・・・・。

雷帝も何だか、暗い顔をしてたし・・・・・・二人の反応からして、夫か、何か知らんが、恋人らしい人がいたのは確実なんだが・・・・・あの姫と夫の間に一体何が起きたんだ・・・・?

 

「フェルト~!早く来てください~!」

 

俺が色々考えていたそんな中、俺の目の前にもう既に着替え終えている姫の姿が見える。

って・・・着替えんの早すぎるだろっ!いつも思うんだけど・・・・

 

そして、俺は直ぐに、食堂へと歩いて行く姫の元へと駆けて行く。

 

だが・・・俺はこの時、知る余地すら、無かった。

 

 

・・・・・雷帝の姫の持つ驚くべき、隠された"真実"を知る事を・・・・・・

 

 

 

 

「・・・・・・・。」

 

俺はフリュートと共に、星の輝く夜空の中、ある森の中を歩き続ける。

俺は今、とある西の方角にあった森の中を歩いている。

コムイからの最初に伝達された任務はシュトゥラの西の方角にある「ライヒ・フォルストア」と呼ばれる国家での、樹海の調査だ。

元々、向こうの国には、白き風の支部があったらしいのだが、今はグラムの襲撃により、壊滅させられ、更には奪われたらしい。

その白き風の支部全体には植物が張り巡らされており、その植物が周囲へとグラム特有の殺人ウィルスをばら撒いているらしい・・・・。

そのまま、ほって置けば、シュトゥラや、アルタイルの土地まで侵食され、死の土地となるそうだ。

それで、一番近くのシュトゥラにいる俺とフリュートに任務を発令したそうだ。

 

「それにしても、この森って、少し不気味だね・・・・。」

 

俺の横でフリュートが辺りを見渡しながらも、俺に言う。

・・・・確かにフリュートの言う通りだ・・・・・・この森・・・少し怪しいな・・・・・。夜とはいえ、異常な静けさだ。

・・・・・・それに、何処からか・・・視線を感じる・・・・・。

 

だが、そんな中、後ろから、俺は何かが近づいてくる気配を感じる。俺は直ぐにフリュートを押し倒す。

 

「ふ、ふぇ!?」

 

 

それと同時に、俺の目の上を何かが通り過ぎ、目の前にあった木へと突き刺さる。木に突き刺さった物、それは・・・・一つの銀色に輝く針だった。

 

「く、クロスお兄ちゃん・・・・後ろ・・・。」

 

それと同時に、俺の下に俺ガ押し倒し、倒れているフリュートが言う。俺はフリュートの言われた通り、後ろを振り向く。そこには

 

「アー・・・アー・・・・・」

 

人では無い唸り声を出しながらも、俺へと迫って来る人・・・いや、人に擬態しているグラムの姿があった。そして、目の前にはさっきの銀色の針を飛ばした正体なのか、体中、銀色の針で覆われているグラムが構えた状態で立っていた。

 

なるほどな・・・・・・この森には既に・・・・グラムが・・・・

 

俺はロングコートの下にあるガンホルダーから、カリバーンを取り出そうとしたその時

 

「ぐ、ぐああああああああっ!!」

 

遠くから、誰かの叫び声が聞こえて来る。

 

「お兄ちゃんっ!」

 

そして、俺とフリュートは直ぐに、あの叫び声の聞こえて来た方へと駆けて行く。

だが、そんな中・・・・・

 

 

 

ーぜ・・・・・・・ろ・・・・・だ・・・めー

 

 

何処からか、また俺へと誰か・・・・いや、女性の声が聞こえて来る。

・・・・・一体・・・・何だ・・・・?それに懐かしく感じるな・・この声・・・・何処かで聞き覚えがあるような・・・・

 

「お兄ちゃん?」

 

そんな中、俺にどうしたのか?と問う。

 

「いや・・何でもない・・・。」

 

俺は幻聴なのか、聞こえて来た声を他所に、フリュートと共に、直ぐに誰かの叫び声の聞こえて来た方向へと後ろから追って来るグラムを振り切り、駆けて行く。

 

そして、ある程度駆けて行くと同時に、俺の視界に何かが入って来る。それは、さっき俺の耳に入ったあの男性の悲鳴であろう、短い白髪の男性が黒い”何か”に襲われる姿だった・・・・・。

 

 

 

 

「ひ、ひぃっ!」

 

私とクロスお兄ちゃんはどのくらいか、走った後、とある所で立ち止まる。だって、そこには”黒い何か”に襲われてる男性の姿があったから・・・・。

 

「はあっ!!」

 

私は直ぐに男性の前に立ちはだかると、”黒い何か”へと私のゼロデバイスである「フェッターシュヴェルト(剣士の剣)」をそのまま、胴体部へと突き刺す。

 

だけど・・あの”黒い何か”の正体は私には直ぐに分かった。

何故なら、その”黒い何か”は過去に”お姉ちゃん”から聞いたグラムの砕けた”細胞”の集合体だから・・・・・・。

だけど、何回も破壊しても直ぐに再生する。

だから、破壊する方法はたった一つ

 

腹部ら辺りにあるコアを破壊する事だけ・・・・・

 

そして、私がコアを破壊したのか、男性に襲い掛かった黒い”何か”はその場で崩れ、景色の中へと溶け込んで行く。

 

「フリュート、今のは?」

 

そんな中、クロスお兄ちゃんが私に駆けて来て聞く。

そういえば・・・お兄ちゃん、知らないんだったね・・・。

 

「今のはグラムの残骸の集合体だよ。破壊しても、只、再生して、襲い掛かって来る。だから、弱点の腹部辺りにあるコアを剣とか、貫通出来る物で破壊しないと、破壊出来ないの。」

 

私はクロスお兄ちゃんにどういう物かを説明する。

 

だけど・・・・何で今ではあるはずが無い昔の物が何でこんな所にあるんだろう・・・・?

 

だけど・・そんな中・・・・・

 

「・・・・フェ・・・イ・・?フェイ・・・なの・・か?それにゼロナイトさんっ!?」

 

私を見て白髪の男性が私の昔の名とお兄ちゃんの事をあの”お姉ちゃん”の大切な人の名を呼ぶ。

 

「俺だ!フェイ、フランツだっ!」

 

「っ!?フランツ・・・・お兄ちゃん・・・?」

 

私はその白髪の男性の言葉を聞いて驚きを隠せなくなった。

 

フランツ・・・・・・お兄ちゃん・・・・・?

 

「?フリュート?知り合いなのか?」

 

私が驚きを隠せなくなっていたそんな中、クロスお兄ちゃんが首を傾げながらも、いつものように無表情な顔で聞いて来る。

 

「うん!お兄ちゃんに前に話した私が幼い頃生きていた”遥か昔”の”お姉ちゃん”と一緒に戦ってくれた人なの!」

 

私はクロスお兄ちゃんに白髪の男性・・・ううん、フランツについて、教える。

 

「えっと、フェイとそれと”ゼロナイトさん”に似た人。話は後だ。今は早くここを出ようっ!ここは奴等の縄張りだからな。付いて来てくれ。」

 

フランツお兄ちゃんは私とクロスお兄ちゃんにそう言うと、とある方向へと向け、駆けて行く。

 

「お兄ちゃん、行こうっ!」

 

「あぁ・・・・。」

 

そして、私はお兄ちゃんと一緒にフランツお兄ちゃんに付いて行く。

 

まさか・・・・・フランツお兄ちゃんが生きているっていう事は・・・他の皆やお姉ちゃんもっ!!

 

 

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・」

 

私は沢山の汗を流しながらも驚きのあまり、息を荒くする。

 

今の夢は・・・・一体・・・何なんでしょうか・・・・?

 

ー我は救世者なりっ、フゥハハハハッ!!ー

 

私が見た夢、それはクロスが巨大な黒い何かに握り潰され、死ぬ悪夢でした。

 

「クロス・・・・・・・。」

 

私はさっきの夢が何なのか?と思いながらも、少し不安になりながらも、今でもクロスが何処かで見上げているであろう、暗き夜空を見上げます。

 

絶対に・・・・・・無事に帰って来てください・・・・・クロス。

 

 

 

 

「ここは・・・・・?」

 

俺は辺りを見渡し、何処なのか、考える。

 

「ここはライヒ・フォルストアっていう国家でな。俺が今暮らしてる国だ。えっと、それで聞き忘れたんだが」

 

俺の前でフリュートと共に歩いているフリュートと知り合いであろう”フランツ”というアイツは俺の疑問に答える。

俺とフリュート、フランツは今、とある街中を歩いている。だが・・・・・

 

「・・・・・異常に静かだな・・・・。」

 

街中は只、沈黙と風の吹く音だけが聞こえて来るだけだった。動物や、人々は誰もおらず、只、見えて来るのは、ツタに覆われた建物、そして、廃墟化している家等、この町が廃墟だと思わせる物ばかりだった。

 

「ああ・・・・・この町はもう既に攻め落とされてるんだ・・・・この町で助かったのは”ヴァンドロイド”であった俺だけ・・・・・他の人達は皆、グラムに殺されたり、リンカーコアを持つ奴は喰われたりされたんだ・・・まあ、だが、上の方はまだ落ちてないようだけどな。」

 

フランツは少し暗い顔をしながらも、俺にこの町が廃墟化している事を話す。

 

”ヴァンドロイド”・・・・・?

 

「俺は・・・”あの時”から、この国で暮らしてたんだ。まあ、いつもが楽しい日々だったよ・・・・・”もう誰にも縛られず、皆と生きられる”って思ったらな・・・・・人々も皆、俺を受け入れてくれたよ・・・で、フェイ・・・・ゼロナイトさんに良く似たあの人は・・・・?」

 

フランツは俺を見ながらも、フェイに誰なのか?問う。

 

「あの人は・・・クロス・クラインっていう人で、昔、私を助けてくれた人なの!だけど、今は色々あって、昔の記憶を失っちゃって・・・・・」

 

フリュートはフランツに俺の事について、色々話す。

 

「そうだったんだ・・・・・でも、何か”本当”に”ゼロナイトさん”に似てるね・・・・俺も最初はびっくりしたよ・・・・・”あの時”に行方を眩ました”ゼロナイトさん”がフリュートとどうして一緒にいるのか?!ってね・・・・。」

 

フランツは苦笑しながらも、フリュートと話し合う。

だが・・・・・この二人は・・・一体何を話し合っている・・・?

 

「ゼロナイト?」

 

俺はどうしてか、”ゼロナイト”という名に疑問を抱く。

 

だが・・・何故かは知らんが懐かしさを感じるな・・・・。

 

「えっと・・・その・・・・そ、そういう人がいるの!うん、ね?フランツ。」

 

「あ、ああ・・・・そうだよ?ほ、ほら、もう少しすれば、俺の家に着くはz・・・二人共、隠れろっ!」

 

俺の疑問に思った”ゼロナイト”という言葉に対し、フランツとフリュートは焦りを見せながらも、俺の疑問に答える。

 

・・・・ゼロナイトについて・・・・・何か隠しているようだな・・・・・・。

 

俺がそう思っていたそんな中、フランツが何かを発見し、俺達に隠れるよう、言う。そして、フランツと共に俺とフリュートは廃墟となっている壁の後ろへと隠れながらも、フランツの見る方を見る。そそこで俺の視界に写った物、それは銀色に光り輝く騎士甲冑を覆う槍を持った奴がフランツの家であろう、他のツタに覆われている廃墟と化した建物とは違い、ツタの生えていない一軒家を荒らしながらも、何かを荒らし回る姿だった。

だが、俺にはその奴に見覚えがあったそれは・・・・・

 

「この国家所属の騎士のようだが・・・何故、隠れる・・・・?それに、何を探し回っている・・・?」

 

俺はフランツに何故、あの何かを探し回る・・・いや、フランツの家であろう一軒や家を荒らしている国家所属の騎士が何を探し回っているのか?そして、どうして、隠れなければならないのか?と問う。

 

フリュートが黒騎士なのは、フリュートが伏せて欲しいと言ったから、伏せてあるが、俺が黒騎士なのは、フランツに既に言ってある。ならば、俺からあの国家所属の騎兵に言えば、どうにかなるはずだ。

一体どうしたんだ・・・・・?

 

「ギャオオオオオオオオッ!!」

 

俺が何故、フランツが隠れるように言ったのか、考えていたそんな中、何処からか、大規模な獣の咆哮が聞こえて来る。俺は何なのか?と思い、獣の咆哮が聞こえて来た方を見る。そこには巨大な咆哮をあげた正体であろう、獣を思わせるかのような巨大な紅き光る眼光を持つ先端の尖った硬度な刃を持つ尾の生えた獣・・・いや、”獣化グラム”があの騎兵達の前に立っていた。

獣化グラム・・・・・それは今から2年前から出没するようになった”獣化ウィルス”と呼ばれるグラムとはまた別の未知のウィルスに感染し、力を向上させた獣の姿をしたグラムの事だ。

当然、能力面も向上しているが、通常のグラムと変わらず人のリンカーコアを喰らい、成長、そして、進化していく。

 

俺は直ぐに、立ち上がろうとするが、フランツがそれを阻止する。

 

「退け・・・・・叩き斬って来る。グラムを破壊するのが、俺の今のやるべき事だ・・・・。」

 

俺は俺を制止させたフランツに言う。

アイツ等は人間のはずだ・・・・・グラムならば、獣化グラムを何故恐れる必要がある?

それに、俺は黒騎士だという事をコイツは知っている・・・ならば、何故止める・・・・?

 

「駄目だっ・・・・クロス・・・・あれは・・・・あれは普通の人間じゃない・・・んだ・・・・・。」

 

フランツは俺に悔しそうな顔をしながらも、俺にどういう事か、分からない事を発する。

 

 

なん・・・・だと・・・・・

 

だが・・・フランツが嘘を言っているようには・・・見えやしない・・・・。

 

・・・・一体・・・どういう事なん・・・・だ?

 

 

「ひ、ひぃ!?で、出たぞっ!?ぐ、グラムだっ!?」

 

フランツが俺に向け、悔しき顔で何かを言った中、獣化グラムに気付いたのか、騎兵の一人が怯えている表情で後退りをし始める。

 

「に、逃げっギャアアアアッ!!」

 

それと同時に、もう一人の騎兵が逃げようとするが・・・下から、黒い”何か”が現れる。そして、あっという間に騎兵を包み込む。そして・・・・

 

「っ!?」

 

瞬時に黒い”何か”は液体のように、風船が破裂するかのように破裂する。だが、そこに現れたのは、人間でも無ければ、生物でも無い物だった。それは・・・・

 

「な、何なんだ・・これ・・・・!?お、俺は・・・!?」

 

黒く、いや・・・漆黒の人では無い肌をした身体・・そして、紅く怪しげに光る大きな顔にある機械的な目をした化け物だった。

 

「ひ、ひぃ!?な、何なんだっ!?お前っ!?も、もしかしてば、化け物っ!?」

 

あの騎兵はもう一人の騎兵の姿が変わったのを見ると同時に、驚きを隠せなくなり恐怖しながらも、後ろへと後退りをしていく。

 

今のは・・・・・・・?

 

「フランツっ、これは一体・・「ぐ、ぐああああっ!!」」

 

俺がフランツに聞こうとしたそんな中、横から悲鳴が聞こえて来る。俺は直ぐに横へと振り向く。そこには、獣化グラムとあのいきなりグラムと思われる何らかの生き物へと姿を変えられた騎兵に挟まれた騎兵の姿があった。

そんな中・・・・

 

ー駄目だっ!―――!俺の”それ”は危険な物だっ!早く捨てろっ!-

 

ーフフッ、何を言っているんだい?―――!勿体ないじゃないかっ!こんな素晴らしい力を捨てるなんて、むしろ使われる事に光栄に思うべきだよ?―――。ー

 

 

俺の頭を何らかの記憶が横切る。その記憶には、俺の目の前で、研究員を思わせるような白衣を着ており、何らかのデバイスの部品の破片であろう物を持ち、不適な笑みを浮かべながらも笑い、歓喜する物が立っていた。だが、俺はソイツに辞めるように言っていた。

 

 

 

・・・・今のは・・・・一体・・・?

 

・・・・・やはり、思い出せん・・・・。

 

 

「ぐああああああああああっ!!?!?」

 

そして、遠くからあの騎兵の叫び声が聞こえて来る。俺が振り向いた時には、既に騎兵の姿等無く、只、人なのか、分からない生き物がいただけだった。そして、人なのか、分からない生き物はその場から去り、何処かへと駆けて行く。それと同時に、獣化グラムも何の獲物も見つけれなかったのか、その場から、何処かへとゆっくり立ち去る。

 

「ね、ねえ・・・・・フランツお兄ちゃん・・・・これって・・・一体・・・どうなってるの・・・・?それに、あの人達が普通の人間じゃないって・・・・」

 

フリュートはさっきの光景を全て見たのか、驚きを隠せなくなりながらも、フランツに問う。

 

だが・・・確かに・・フランツの言う事は一体どういう事だ・・・・・?

 

「・・・・・・まずは家に入った後だ・・・・まずは、そこでしよう・・・・。」

 

フランツは俺とフリュートにそう言うと、さっき、騎兵と獣化グラムがいた方の目の前にあった家の方へと駆けて行く。それを追い、フリュートも駆けて行く。だが・・・・俺には一つ疑問になっていた事があった。

 

 

何故だ・・・・・?

 

 

何故、俺は・・・・さっきの現象を知っているかのように・・・そのまま・・・・

 

「クロスお兄ちゃんっ!早く来てっ!グラムにバレれば、後で面倒になるよっ!」

 

俺がさっきの騎兵達が瞬時に姿を変えていたのを只、そのまま、フランツに言われた通り、見ながらも、何か違和感を覚えていたのに、疑問を抱いていたそんな中、フリュートが俺を呼ぶ。

 

・・・・・だが・・・それよりも、今の状況でどうするべきなのかを探さければ・・・・・・

まだ、上・・・いや、王のいる城が無事であるなら・・・・・通信ならば・・・・

 

 

 

「や、やめろ・・・やめてくれ・・・・!」

 

その頃、とある町外れ、否、廃墟化している街中にて、クロス達が見たあの生き物でも無ければ、人でも無い者へと巨大な黒き鉄槌を持つ黒いコートにフードを着る者が近づいていっている姿があった。

 

「悪く思うわないでくれよ?これも、この”ベルカ諸国”が生き残るためさ」

 

黒いコートに、フードを被る者は大きな鉄槌をその生き物でも無ければ、人でも無い全身が真っ黒であり、顔のど真ん中に大きな紅い機械的な目を持つ者へと振るう

 

「や、やめろ・・やめてくれ・・うわあああああああああああっ!!」

 

鉄槌がその者へと衝突すると同時に、その鉄槌から、エメラルド色の光が溢れ出し、その人でも無く、生き物でも無き者はその場にて、倒れる。それと同時に真っ黒な皮膚が消えて行き、やがて、真っ赤に血に染まった打撃痕のある上半身は瓦礫で隠され、見えないが、裸の状態であり、何分も立ってもないが、周りに血溜まりが出来始める。

 

「・・・・任務完了さ・・・・コムイ。」

 

フードを被る者は漆黒の光沢を出す鉄槌をその場に上空にて、飛び回る丸い鳥のようなゴーレムに向けて言う。

 

『ご苦労様・・・・・ごめんね・・・・。君にだけ、辛い思いをさせてしまって・・・・』

 

 

鉄槌をその場に置き、瓦礫に腰掛けたフードを被る者が何らかの”任務”であったのだろうか、任務完了と言うと同時に、ゴーレムの方から、誰か男性の声が聞こえて来る。恐らく、あのゴーレムは通信用のゴーレムであろう。

 

「いや・・・・・・良いさ。これも皆を守るためなんだろ?コムイ。」

 

フードを被っていた者はフードを脱ぎ、赤い髪と緑色の瞳をし頬辺りに傷のある顔を露わにし、通信用ゴーレムを通し、誰かへと言う。

 

『・・・・・・・うん、そうだね・・・・。』

 

「それに、こんなのクロスの痛みや、イクスヴェリアの心の痛みに比べちゃ、何ともねえよ。それにしても、お偉いさんと上の奴は何でこんな事を命令したきたんだろうな・・・・もしかしたら、コムイ達で”血清”を作れるかもしんねえのに・・・」

 

男性はその場の瓦礫の上で、寝転び、星の輝く夜空を見上げる。

 

(綺麗だな・・・・・・・・いつも、夜空は変わる事無いよな~、俺や世界が変わったとしても、綺この綺麗な夜空だけは一度も変わる事なんかない・・・・・・・。)

 

そして、その者はその場にて、目を瞑る。

 

『それじゃあ、気を付けてね・・・・・”ディック”・・・”感染者”でも、”人間”なんだから・・・・”返り血”だけは浴びたら駄目だよ?』

 

通信用ゴーレムを介し、男性へと何かの注意事項を誰かが言うと、ノイズ音が走る。

 

「・・・・・それじゃあ、そろそろ他んとこ、周るんとすっか。」

 

赤髪の頬と目に古き斬り傷のある黒きコートを着る男性、否、”ディック”は瓦礫に横倒ししていた漆黒の鉄槌を持ち上げ、担ぐと、何処かへと向け、歩き去って行った。

そして、ディックの去っていた場所に残っていたのは、生き物でも無ければ、人間でも無かった姿をしていた血溜まりを作るもう温もりも、生きている表情さえもしていないただ、目を閉じ、動く事の無き少し青白くなっている裸の状態の倒れている人の姿だった。

 

 

 

 

 

「獣化ウィルスの感染者・・・・?」

 

私はフランツから”獣化ウィルスの感染者”というキーワードを聞き、謎に思う。

今、私とクロスお兄ちゃんはフランツお兄ちゃんから、さっきのこの国家所属の騎兵がどうして、いきなり、地面から出て来た黒い”何か”が飲み込むと同時に、漆黒の皮膚をし、紅い顔のど真ん中が紅い目となった姿を変えたのか、そして、フランツの言う何故、あの”騎兵達”が只の人間では無い事を聞いていた。

 

「ああ・・・・昔、シュメルさんから貰っていた資料を探していたら、見つけたんだけど・・・・今では無いはずのウィルスのはず・・・・・・なのに、何で今になって・・・・」

 

フランツお兄ちゃんは獣化ウィルスについて、疑問を抱く。

フランツお兄ちゃんの話によると、獣化ウィルスは”お姉ちゃん”が昔、歴史の勉強でしていた時、あまり情報の少ないウィルスで、通常は”ヴァンドロイド”にしか、感染しないウィルスなんだって

そして、あの国家所属の騎兵達も、獣化ウィルスに感染した感染者らしいんだけど・・・

・・・フランツお兄ちゃんもここまでしか知らないらしいの・・・・・

そして、どうして、あんな姿になったかというと、フランツお兄ちゃんの話によると、2ヶ月前にいきなり、グラムが大量に攻めて来て、皆を殺して行ったんだって。それから、何か分からない植物が生えて行って、今のこの国家の状態へと変わったらしいの。それで、獣化グラムに噛まれた者は皆、ああなっていって、今になって生き残っているのは城に住む騎兵、騎士、そして、王族達だけ

黒騎士の支部も落とされていて、僅かな黒騎士達しか、いないらしいの。

 

 

 

だけど、どうして・・・・”ヴァンドロイド”にしか、感染しないウィルスが人間にも感染するようになっちゃってるんだろう・・・・?

 

「・・・・・・シュメル・・・か。」

 

私とフランツお兄ちゃんがお姉ちゃんから貰った資料を見渡す中、クロスお兄ちゃんがある方向を見ながらも、少し皆から見れば、無表情なんだけど、私から見れば、笑っていながらも呟く。

クロスお兄ちゃんが見ている方向にある物、そこには、”お姉ちゃん”と私との姿の写った写真があった。

 

確か・・・・今のこの時代じゃ・・・・”写真”っていうものが無いんだったよね・・・・。

でも、私にとって、一つ疑問に思った事があった。

 

 

・・・・・何でクロスお兄ちゃんは驚きもしないんだろう・・・?

 

お兄ちゃんはこの時代で生まれた人で、私とフランツお兄ちゃんの時代にあった物を知らないはず・・・・・

 

「クロスお兄ちゃん、それ、どんな物か、知ってる?」

 

私はお兄ちゃんに写真がどういう物なのか、聞く。

 

「・・・・知らん。」

 

クロスお兄ちゃんは私の問いに対し、お姉ちゃんと私、皆の写ってる写真を見て言う。

 

ま、まあ・・・・その反応が当然だよね・・・・・・今の時代では、絵や、巻物とかで写真とか書き残すからね・・・・・。もしかして、知ってるんじゃないの?って思って損しちゃった・・・・。

 

 

「これはね、”写真”っていう物でね、私とお姉ちゃん、フランツお兄ちゃんが一緒に生きていた時にあった物なんだよえっと、今の時代で言うと・・・・絵巻や絵に当たる・・・かな?」

 

私は写真を見ながらも、クロスお兄ちゃんにこの写真っていうのがどういう物なのか、説明する。

それにしても、懐かしいな・・・・・

 

ーほら~、フェイ。もうちょっと横、そうそう、次はシュメルさん、真ん中に行ってっー

 

ーえ、えっと・・・私は・・・その・・・・「ほらほら!お姉ちゃんっ早く!」あ、ふぇ、フェイッ!?-

 

 

私は写真を見ながらも、昔、お姉ちゃんや、お兄ちゃん達と撮った写真の事を思い出す。

あの時のお姉ちゃん、少し面白かったな・・・・・・。

 

だけど・・・少し寂しかった・・・・・。

 

ー・・・・・分かった。ー

 

”あれ”が崩壊しても・・・・あの人は・・・・・お姉ちゃんの大切な人は帰って来る事なんてなかった・・・・・。

 

だけど・・・・お姉ちゃんは泣かなかったんだよね・・・・・”あの人”が帰って来る事も・・・・・あの人ともう会えなかったとしても、ずっと「あの人は帰って来る」そればかり言って、笑顔を無理矢理作ってた・・・・・・。

 

「・・・・・どうした?フリュート・・・。」

 

私が昔の事を思い出していたそんな中、無表情な顔でお兄ちゃんが私の顔を覗いて来る。

 

「え?えっと・・何でも無いよ?それより・・・お兄ちゃん。今からどうするの?」

 

私はクロスお兄ちゃんに今からどうするのか?って聞く。

フランツお兄ちゃんには、私が黒騎士じゃなくて、只、お兄ちゃんに付いて来たって、嘘を付いたけど・・・・・早く任務を遂行しないと駄目だし・・・・・・

 

「・・・・・明日、この国家の城の方へ向かう。今日はここで、一晩を越した方が良いとフランツがそう言っていた・・・・夜はグラムが活発に動く時間帯だからな・・・・早く寝ろ・・・・明日は早い・・・・・。」

 

クロスお兄ちゃんは私にそう言うとずっと、私が言った”写真”を見つめる。

えっと・・・やっぱり、それ・・・・・・不思議なんだね・・・・・。

 

「えっと・・それじゃあ、俺は毛布取ってくるよ。えっと・・・狭くてごめん・・・・ここの生活に慣れちゃっていてさ・・・・・。」

 

フランツお兄ちゃんはクロスお兄ちゃんの話からして、予想していたのか、毛布を取ってくるって言いながらも、私に謝罪してくる。

 

「ううん、大丈夫。それに、フランツお兄ちゃんも明日、一緒に城の方に行くんでしょ?そうすれば、私のツテで他の皆と一緒に暮らせば、こんな狭い部屋で生活しなくても済むし・・ね?」

 

「フッ・・・そうだね・・・・ありがとう。」

 

フランツお兄ちゃんは私に笑顔で答えると、毛布を取りに行く。

実際、私や、フランツお兄ちゃんは”ヴァンドロイド”という人に遥か昔から存在する近く作られた機械・・ううん、ロボットだから、”眠る”というのは、只、エネルギーの消費を節約するためにある。けど、私にとって、そんなの関係無い。だって、それは昔の事なんだから・・・今の私は只の”人”なの。だから、私は寒さも感じるの。

 

「・・・・・。」

 

それより・・・・・クロスお兄ちゃん、さっきから、何でずっと私とお姉ちゃんと皆の集合写真をずっと見つめてるんだろう・・・・・?それに、何か考え事をしているようだし・・・・・?

 

 

 

 

 

 

「‧‧‧‧‧‧。」

 

フリュート達が眠りに付き、沈黙の走る真夜中、俺はフリュートが見せたこの絵巻に似た"写真"という物に写るある金色の長き髪を結ぶ水色の瞳をした女性を見つめる。

 

だが‧‧‧‧‧何故だ‧‧‧‧‧?

 

 

 

何故、俺はこの女性を見つめている‧‧‧‧‧‧‧?

 

 

だが‧‧‧‧‧何故だかは知らんが、何か重要な事を忘れている気がする‧‧‧‧‧‧‧。

 

 

ー‧‧‧‧‧‧ロ‧‧‧‧‧‧トー

 

「っ!」

 

そんな中、また俺の頭の中を何らかの記憶が横切る。

俺が見た物、それは前にオリヴィエと共に居る時に見たあの金色の長き太陽に照らされ、光る髪を結び、ドレスを着ており、俺に向け、顔自体は光に照らされ、見えないが、微笑んでいる少女の姿の記憶だった。そして、その少女の姿が俺の視界に写る金色の長き光り輝く髪を結んだ女性の姿と重なる。

 

この写真と何か関係があるのか‧‧‧‧‧?

 

それとも‧‧‧‧‧‧只の幻覚なのか‧‧‧‧‧‧?

 

「クロスお兄ちゃん‧‧‧‧‧明日は早いのに、まだ寝ないの?」

 

俺がこの写真に写る金色の髪を結ぶ女性を見ながらも、何か関係があるのか、それとも、只の幻覚なのかを考えていたそんな中、ソファーに横だわり眠りに付いていたフリュートが俺の横に姿を現す。

 

「‧‧‧‧‧あぁ、ここが完全に安全だという保障は無い。」

 

「だからといって、見張りで夜更かししたら駄目だよ。お兄ちゃんがこういうのに慣れているからって、無理したら、明日、倒れちゃうかもしれないよ?まぁ、そうなっちゃたらのためのお付き人の私なんだけどね‧‧‧‧‧」

 

フリュートは俺にそう言いながらも、俺の見つめていた金色の長い髪を束ねた水色の瞳を持つ女性の写る写真を見つめ始める。

 

「ねえ‧‧‧‧‧クロスお兄ちゃん。」

 

そんな中、沈黙を突き破るかのよう、フリュートが俺に話し掛けてくる。

 

「クロスお兄ちゃんは‧‧‧‧‧‧明るい未来があるっていう事を信じてる?」

 

「明るい‧‧‧‧‧未来?」

 

俺はフリュートから問われた問い「明るい未来」がある事を信じているのか?と問う。

 

「うん、私のお姉ちゃんが良く私に聞いてきてたの‧‧‧‧「明るい未来はあると思う?」って私はあると思うけど‧‧‧‧クロスお兄ちゃんはどう思ってるの?」

 

フリュートは俺に自身の姉が良く自分に聞いて来ていたと言うと、俺に聞いてくる。

 

明るい‧‧‧‧‧‧未来‧‧‧‧‧‧。

 

だが、俺は‧‧‧‧‧戦う事しか出来ない存在だ‧‧‧‧。

例えオリヴィエから大切な人の一人だとしても、俺は戦いが終われば、只、消えるだけだ‧‧‧‧‧。

フリュート達にはあるかもしれん‧‧‧‧‧‧だが、俺の場合は只、オリヴィエ達、未来を切り開く者達を守るために戦っているだけだ‧‧‧‧‧‧。

 

「もう、お兄ちゃん、さっきからずっと無いって思ってるでしょ?いつものように、「只、オリヴィエ達、未来を切り開く者達を守るためにだけ、戦ってる、戦いが終われば、俺は消えるだけ」って、だけど、お兄ちゃん、それじゃあ、明るい未来なんか、来ないよ。」

 

フリュートは俺の方を向きながらも、微笑みながらも、言う。

 

だが、俺にはどういう事なのか、分からなかった。

 

何故、俺が居なくなれば、明るい未来なんか、来ない?

 

俺は危険な存在だ。ならば、消えた方が良いはずだ‧‧‧‧‧。

 

「ぐあああああッ!!」

 

俺が明るい未来が何故来ないのか、考えていたそんな中、何処からか、遠くから、誰か男性の悲鳴が聞こえて来る。

 

 

「フリュートッ!!」

 

「うんっ!分かってるっ!!」

 

俺と、フリュートは急いで、ここから、出て行く。急がなければ、ならないのは、もし、さっきの男性の悲鳴の持ち主がまだ生きているかもしれない。そして、フランツが目標とされないようにするためでもある。

 

 

「ひ、ひぃっ!う、撃てえっ!!」

 

俺とフリュートが駆け付けた頃には、国家所属の騎兵であろう者達がアームドデバイスであろう、双なる砲口を持つデバイスを使い、巨大な巨人の姿をしたジァイアントタイプのグラムへと向け、撃ち続ける姿があった。

 

だが、通常のジァイアントタイプグラムとは違い、

身体中の何らかの檻のような物から、人の助けを求める叫び声が聞こえて来る。

恐らくは、あのジャイアントタイプのグラムは人々の捕獲だろう。

 

「あ、ク、クロスお兄ちゃんっ!!」

 

だが‧‧‧‧‧何の目的であろうと、敵が目の前に現れたのなら‧‧‧‧‧‧

 

「な、何だ?ぐおおっ!!」

 

 

 

叩き斬るまでだっ

 

 

 

 

「な、何だっ!?あ、アイツっ!?」

 

俺はいきなり、目の前に現れた、黒いコートを着る金色の長い髪の女性‧‧‧‧いや、男性に驚きを隠せなくなる。

いや、そこは別に大丈夫だ。何だってグラムに勝ち目の無い勝負を挑んで死んだ人は沢山居るからな。

俺が驚いたのは、あのグラムに何か分からないエメラルド色に輝く剣を持って、何か身体強化魔法でも使ったのか、グラムの身体を何の負担も無いような目で駆けて行き。グラムの頭に生えた角を斬った事だ。

何だって、俺達でも倒す事の出来なかった相手に傷を付けたなんて、俺達から、見ても驚いた光景だ。しかも、頭の中心から完全に真っ二つに綺麗に斬りさきやがったんだよっ!!俺達でもどうする事も出来なかったあのグラム相手によっ!!

 

「もう、クロスお兄ちゃんったら、それより、大丈夫ですか?」

 

俺達が驚きを隠せなかったそんな中、俺達へと黒いコートを着た金色の長い髪をした女性が駆けて来ながらも、俺達に安否を問う。

 

あれ?というか、あの胸に刻まれたシンボル‧‧‧‧‧まさかっ!?

 

「黒騎士です。えっと、一体どうして、こんな所に居るんですか?」

 

長い金色の髪をした女性は俺達にあの軍事機密機関に所属する化け物集団の黒騎士"と名乗り、どうして、こんな所に居るのか?と聞いてくる。

 

「黒騎士っ!?まさか、俺達、助かるのか?!」

あの金髪のロングヘアーの女性の話を聞き、俺以外の奴等が歓喜し始める。

 

まぁ、無理も無いな。何だってここはいつの間にか城も外、どちらも、"地獄"になっちゃんたんだよな‧‧‧‧‧。しかも、もう何日経ったのか、さっぱり覚えてねぇ。

 

 

「あの‧‧‧‧黒騎士殿、一つお願いがあるんです。」

 

そんな中、俺の横に居た俺の後輩に当たるアイツが金色の長い髪をした女性に近づきお願いがあると聞いてくる。

 

「お、おいっ!やめろ。相手は黒騎士だぞっ?仮にも、只聖王連合からの命でこっちに来たとしても、只グラムを破壊しに来ただけだろうが」

 

俺はアイツを止めながらも、言い聞かせる。仮にも、相手は聖王連合所属国家により作られた国家機密軍事機関に所属する黒騎士だ。だからといって、聖王連合に所属していない国家を援助しに来るはずがない。

今から、一ヶ月前、ここの支部で黒騎士達がいきなり他の支部に写り始めてたんだ。

何故かは分からないが、俺達の国ももう、用済みだという事なんだろうな。

だからこそ、俺はコイツを止めなきゃならない。

 

今回現れた黒騎士が俺達に何んするか、分からないからな。それに、俺達を逃してくれた王女と国王のためにもだ‧‧‧‧‧。

 

「何故だっ!何故止めるんだっ!」

 

俺の予想通りに、コイツは俺に反論してくる。

 

「だからといって、黒騎士が国王とお前の好きな姫を助けるはず、無いだろっ!」

 

俺はコイツの反論に対し、反論する。

お前の気持ちは分からなくも無いっ!だからと言って、相手は仮にも、聖王連合の手名付ける黒騎士だ。

もし、俺達を用済みだと見てるのなら‧‧‧‧‧

 

「い、一体、どうしたんですかっ!?」

 

そんな中、俺達に目の前に立つ女性が驚いた表情で話し掛けてくる。

 

「いえ、気にしないでください‧‧‧あの、黒騎士さん、お願いします。僕と‧‧‧‧‧僕と一緒に姫様と国王を助けて欲しいんですっ!!」

 

そして、ついに俺の忠告と姫と国王の努力を水の泡にしながらも、言ってしまう。

 

「え、ええっ!?ここのこ、国王と姫様がっ!?」

 

だが、俺の予想とは裏腹に、この黒騎士は驚きを隠せなくなる。

 

一体どういう事だ‧‧‧‧‧‧?

 

この黒騎士、まさか、上から何も知らされてないのか‧‧‧‧‧?

 

 

「どうした‧‧‧‧?フリュート。」

 

そんな中、さっきの金髪野郎が何かの剣の柄を治めながらも、"フリュート"とかいう奴にどうしたのか?と話し掛けて来る。

 

 

というか‧‧‧‧‧アイツの服装、何処かで見覚えが‧‧‧‧‧‧

 

 

 

「なるほどな、国王と姫が城で捕らわれているのか‧‧‧‧‧。」

 

俺はフリュートから聞いたあの騎兵の話がどういう事なのか、理解する。

 

あの黒髪の騎兵が言うには、自分達はこの国、つまり、ライヒフォルストアの国王と姫が城の中で、いや、他にも捕らわれているらしい。

 

「僕達、只の兵や、騎士ではグラムになんて、勝利を納める事なんて、出来ません。ですが‧‧‧‧‧僕は姫様と国王をお守りしたいんですっ!自分の身は自分で守れますからっ!それに、城の裏道は僕しか、知りません。ここの地下水路にはもう既にグラム達が占拠していますから、他の裏道を探さないと駄目です。時は一刻を争いますっ!お願いしますっ!僕を、僕を連れて行ってくださいっ!!」

 

黒髪の騎兵は俺へと土下座をして、自分も連れて行って欲しいと頼む。

 

だが、只の人を連れて行く事等出来ない。

只、グラムの砲弾にさえ、当たれば、そこで終わりだ。

 

ー姫様、貴方だけは絶対に守りますから。だから、心配しないでください。ー

 

俺が断わろうとしたそんな中、俺の頭の中をある何かが横切る。

 

その横切った物、それは何かの記憶だった。そして、その記憶は懐かしさを感じる物だった。

 

「駄目ですよっ!流石に姫様や、国王達は助けに行けれるとしても、貴方を連れて行くのは「ああ、分かった」えっ!?お、お兄ちゃんっ!?」

 

「お前がそうしないのなら、付いて来ても良い‧‧‧‧‧‧だからといって、無理はするな‧‧‧‧‧行くぞ、フリュート。」

 

そして、俺は城の方へと向け、歩き始める。

 

何故、俺はあの騎兵に付いて来ても良いと言ったのかは分からない‧‧‧‧

 

だが、これだけは言える。

 

 

 

アイツの決意は、確かに本物だったと。

 

そして、何故かは知らんが、アイツの言葉が嘘には見えなかった。

 

だからこそ、アイツは言えた。

アイツら、騎兵の間では、様子からして、恐怖的な存在だというのに、アイツだけは言えていた。

 

「もう、お兄ちゃん、本当に良いの?」

 

そんな中、俺へとフリュートアイツを見ながらも、聞いてくる。

 

 

「あぁ‧‧‧‧アイツの意思だからな。」

 

 

そして、俺とフリュートは騎兵と共に裏道を探しに裏道のある方向へと駆けて行く。

 

だが、早く行かなければ、手遅れるになるかもしれん。

ここが占領されて、約一ヶ月になると聞いたからな。

 

 

 

 

「はぁ、やっぱりそうだったのか。」

 

 

俺は懐かしき、服装をしながらも、窓から、フリュート達が駆けて行く姿を見届ける。

アイツ、やっぱり‧‧‧‧‧黒騎士だったんだな‧‧‧‧まぁ、服装からして、分かっていたんだけどな‧‧‧‧‧。

 

「久々だな、この銃を持つのは」

 

そして、俺は棚の中から、ある巨大な機関銃を取り出す。

 

 

あの時以来だな‧‧‧‧‧コイツを使うのは

 

 

ー駄目だっ!シュメルさんっ!これ以上はっ!!ー

 

そして、アイツの形見でもある。そして、これは俺の大切な物だ。

 

 

 

親友よ、フリュート達を助けるために使わせて貰うぞ。

 

アイツらの‧‧‧皆の明るい未来のためにな。

 

急がないとなっ!そして、

 

"爆弾マスターフランツ"と呼ばれたこの俺の実力を見せつけてやらんとな。

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