赤き竜?いいえ、赤き龍です 作:ムフェト・ジーヴァカッコよすぎ…
“我が名はアルトリウス・ペンドラゴン──ウーサー王の嫡子にして、このブリテンを未来に導く王である”
月明かりに照らされてた岩に突き刺さる選定の剣、カリバーンを握る者がいた。その周囲にはこの時代の生きる平民たちが見守っていた。
我が名はアルトリウス、アルトリウス・ペンドラゴンである──
その声はどこまでも響く、平穏を最も望み、ブリテンを治めようとし、ブリテンを裏切ったヴォーティーガンを倒そうとし、儚くも白き竜に至ったヴォーティガンを前に散ってしまった、偉大なるウーサー王の跡を継ぐその王の誕生を──
“ウーサー王の嫡子して、ブリテンを未来に導く者である、平穏を望む皆の者よ、名誉を望む者よ、ブリテンに未来を見たいものよ、我が剣に集え、我はブリテンを未来に導く王である!”
柄を握り締め、選定の件を岩から抜き空に掲げそう叫ぶ。
先の見えぬ未来に希望すら見えぬのなら──俺が先をブリテンの未来を示す光を灯そう!
選定の剣はその叫びと共に限りの無い光を解き放つ──明けぬ夜、希望は潰え、絶望に満ちたブリテンの未来に救いの光が差し込むようにアルトリウス──後世に偉大なるアーサー王と呼ばれ、1500年以上続く国の誕生とする瞬間でもあった
海を隔てたローマからの侵略者、各地に領地を持つ部族や諸侯、その王達とブリテンの北部に部族間同士の争いが絶え間なく続くピクト人、今なお色濃く神秘が残り続けるブリテンには容易く人を喰らう魔獣、強い力を持たない人々が生きるには過酷なこのブリテンに最も偉大とされた部族の王ウーサー王が遺した最後の予言、騎士達の王となるだろうアーサー王が現れ、ブリテンを救うという予言。
それを信じたウーサー王は、騎士達を集結し、ブリテンを守る為に戦った。
しかしウーサー王の願い虚しく、戦いは長く続き多くの騎士達は倒れていった。
そんな時そして現れたのがウーサー王の実子であり、騎士として育てられたアーサーの息子であった、アルトリウスだった。
彼はウーサー王の予言通り、選定の剣を抜くその時まで、義兄と共にブリテンを渡り歩き、誰よりも優れた騎士となった。
だがウーサー王はもういない。
そこで、ウーサー王の予言通りアルトリウスは自らをアーサー王と名乗り、騎士達を集め、円卓を作った。
そしてブリテン全土にいる全ての騎士達に呼びかけた。
そして、史実ではアーサー王の心臓はウェールズの伝承の赤き竜──ア・ズライグ・ゴーッホであるはずが、この世界では──
アーサー王の心臓は赤き龍(せきりゅう)
全く異なる別世界の古龍の王と呼称される程の絶大な力を持つ龍
名を──ムフェト・ジーヴァ
遠い未来において古龍の頂点に君臨する龍であった。