前回のあらすじ
ヒューズに騙された！→・・・昔もこんな事があったな→ともかくキャロの知る限りの事情を聞く事にした
まるで自宅に帰ってきた気分だった
イクスにシロにヴィヴィオにキャロ
雨水家？ 勢揃い
「あ、あきだ！ おかえり～！」
「おかえりさないませ、秋春様」
「わんっ！ おかえり～！ 遅かったねー」
「では、わたしも改めて。おかえりなさい、雨水さん」
まるでハーレム主人公みたいだな・・・チビッ子ばかりだが
いや、それとも一気に大家族と言った方が正しいのか
「ただいま」
どちらにしても、ようやく一息付けそうだ
◇◇◇◇◇◇
大まかにキャロの知っている限りの話を整理し纏めてみる
まず次元犯罪者のジェイル・スカリエッティは、ヴィヴィオ・・・正確には聖王を狙っている。なので八神二佐とヒューズ査察官長は先んじて一手を打つ事にした
それが、スカリエッティにヴィヴィオが見付からないように誘拐された事にしちゃえ！ と言ったモノらしい
そして俺を犯人にした理由は簡単。俺を此処に送る理由を作りたかったらしい
変に管理外世界への次元転移申請を出すとスカリエッティと繋がっている可能性の在った、上層部にバレるので犯罪者の刑の執行として送ったと言う理由が欲しかったらしい
なので正式には誘拐の主犯ではなく、加担した一人として捕まった事なので簡易事情聴取のみでこんな世界に打ち込めたらしい（何か嘘くさいが）・・・それに主犯でないなら色々扱い易いとか
ちなみに六課陣の中でキャロが選ばれた理由は、危険指定無人管理外世界が危険指定される所以である竜種を使役出来ると判断されたからだそうだ
「なんて迷惑な・・・しかも穴だらけの作戦じゃねぇか」
ついでに何故俺がそんな大役に選ばれたかと言うと俺なら話題性は低いかららしい
六課陣だと駄目、ヒューズも査察官長だから駄目、聖王教会も当然駄目
だったら三等陸士程度の俺・・・泣ける
「それだけ焦ってるって事ですよ、非常時の為にヴォルテールの召喚許可まで下りてるんですよ？」
アルザスの守護竜の召喚許可とはまた大きく出たな
もしかしてミッドを火の海にしない為に管理外世界を選んだんじゃないだろうな
ヴォルテールが大暴れ出来る環境があるなら単純な戦力計算は凄い事になるから
「何処までの魔法使用が許可されてるんだ？」
「もし戦闘機人が攻めてきた場合は、此処にある全戦力の使用許可を頂いてます」
マリアージュも含めてって事か
本当にいざって時は年齢操作を使うが
やっぱり全情報が欲しい所だな・・・無理だろうけど
「仕方無いな、護衛ならエリシアくらいは欲しかったが」
「エリシアさん？」
「ああ、アイツの魔法はそう言うのにピッタリだからな」
罠使いだからね
家の周囲に設置型の魔法をタップリ配置なんて事も出来るのに
「で？ スカリエッティが動くタイミングとかは聞いてる？」
「今月中としか」
「そっか」
二つの月が重なるとき・・・などなどの特定条件のタイミングなんだろうな
「あきっ！ あそぼー！」
「仕事中だから入ってくるなと言っただろう？ ヴィヴィオ」
「キャロおねぇーちゃんもはいってるぅっ！」
・・・キャロ・・・お姉ちゃんだと？
「お姉ちゃんって、お前・・・妹が欲しかったのか？」
「違いますよ、シロがママでキャロとイクスはおねぇーちゃーん！ って言われたんですよ」
幾らヴィヴィオでも行き成りそんな突飛な話になるだろうか
「して原因は？」
「夜にママ居ないって泣いてたヴィヴィオちゃんに、わたしがママの代わりになってあげると言ったらそうなりました」
「ないてないもん！」
「泣いていたかは兎も角として呼び名変更の理由は分かったよ」
「あきっ！ ないてないからね！ ないてないもん！ なーいーてーなーいー！」
「分かったって分かったよ。泣いてないんだな？ ヴィヴィオは泣いてない」
と言うか既に泣きそうになってるじゃねぇかヴィヴィオ
管理局がドタバタしている少しの間、ほのぼのになるかも知れません