前回のあらすじ
ヴィヴィオが俺の呼び名を決める為に色々試す→逆に俺は皆を如何呼ぶか聞かれる→つまらないと言われる→イクスが学校に通いたいらしい→今度にでも家族会議
いっそキャロも学校に打ち込もうか・・・日頃の仕返し&制服姿とか見てみたい
「あれ? 雨水さん、そんなに考え込んで如何したんですか?」
「ん? ちょっとイクスが学校に通いたいって言ってね。しかも管理局関係の」
「イクスちゃんは利口ですから大丈夫だと思いますよ?」
いや、大丈夫だろうけど
えと、イクスが冥王だと言う事はキャロには教えてなかったかな?
「そうですね・・・管理局関係で尚且つイクスちゃんの魔法体系に合わせるなら、聖王教会系列のザンクト・ヒルデ魔法学院がおススメです」
「まぁベルカ式を習うなら自然と聖王教会系列になるよな」
「しかも近代では無く、生粋の古代ベルカ式ですから余計に選べる幅は狭くなると思います」
古代ベルカ式はとことん数が少ないから教えれる人間も少ないんだよな
「って言うか俺が教えた方が早くね?」
「早いですね・・・でも」
「駄目か」
「駄目です」
学校は勉強をするだけの所じゃないってね
友達が出来るってのがイクスには一番大きな利益だよな
「にしても、何で急に管理局関係の学校に興味を・・・」
「少し前に放送された連続ドラマじゃないですか? イクスちゃん、テレビ好きですし」
「ドラマ?」
「はい、管理局がイメージアップとして偶にCMとか作ったりしてるじゃないですか」
ああ、よく高町一尉とかフェイトさんとか人気局員が映ってるね
「フェイトさんが苦笑いのやつね」
苦笑いでも大人の可愛さみたいなのが十分伝わるから人気が高いのも頷けるよ
基本フェイトさんって可愛いか綺麗のカテゴリーだよな
「はい、それで確か管理局関係の学校を舞台にした話が作られたって前に噂で聞きましたよ?」
「へー年々管理局の人手不足は酷いからねー。どんなドラマ?」
「えーっと大雑把にですが、以前任務で失敗して寝たきりになった父親の名誉の為に執務官を目指して士官学校で奮闘する少女。みたいな感じの感動ストーリーだったと思います」
「・・・本格的だな」
それは管理局の宣伝としては機能したのか? 死ぬくらい管理局の仕事は危険ですよーって言ってるじゃねぇか
まぁ学校の事に興味を持つには十分か・・・イクス結構テレビに影響され易いからなー
理由にしては軽いと思って言わなかったのか? 今度聞いてみよう
◇◇◇◇◇◇
さて、幾らこんな所に居させようと仕事の数を何故か減らしてくれないのが、我ら諜報部の査察官長である・・・どうせ今の状況じゃ連絡できない癖に
あの野郎、帰ったら覚えとけよ
自分だけが策を練るのが上手いんじゃないと教えてやる
「眠い・・・今日はこの辺にしておこうか」
もし襲撃された時に寝不足でヴィヴィオを誘拐されちゃいましたーとか言えないしな
「あき」
「・・・ん? ヴィヴィオ、まだ起きてたのか」
「うん、おきたらね、あきがね、いないの」
そりゃ俺は此処でずっと仕事してたから当然だろう
「はいはい、今から行くから・・・トイレは行ったか?」
「いった」
「そっか。なら寝るか」
「うん。ねる」
あ、でも最後にこの書類だけは終わらせた方が良いかも
「あーきー」
「・・・駄目?」
「あーーきぃーー」
「分かった、行きますよ」
此処で泣かれても責められるのは俺と分かっているので仕事は明日に回して寝室に向かった
寝室の扉を開けると丁度部屋を出ようとしたのかイクスと鉢合った
「・・・ああ、居ないと思ったらお父様の所に」
「ヴィヴィオを探そうとしてたのか? そうそう、ヴィヴィオに早く寝るように怒られてね」
「おこってないよぉ」
ベットを見るとシロが丸まって寝ている・・・俺の枕の上で
「秋春様。お仕事がたいへんなのは重々承知なのですが、その、睡眠はとてもたいせつなので、キチンとお願いします」
「気を付けます」
「いえ、私たちの為にがんばって下さっているのですから・・・つよく言いすぎました」
いや、強く言ったつもりだろうけと眠気を我慢して言ってるから結構可愛い事になってるぞ?
目を擦ったりとか欠伸を我慢したりとか
ちなみにヴィヴィオに限っては足に凭れ掛かって、半分寝ているんじゃなかろうかと思う
「っと夜もそれほど長くないし寝ようか二人とも」
「はい」
「うん」
あー今度からシロはキャロの方で寝てもらう事にしよう
枕の無い夜は意外と寝付きが悪かった
割と在り来たりなドラマストーリーかなって思います