前回のあらすじ
ルーテシアちゃんと再会→交渉→上手くいきそう→と思ったら青いボディースーツのイタ性格悪い女性に邪魔された
「すまないな、クワットロも暇なのだ」
「あーらチンクちゃん。貴方の役割は奇襲なんだから出てきたら、だーめっ」
「またイタイのが出て来た」
そしてやっぱりサーチャーには未だに反応が無い
特にステルス解除を仕組んでいる訳では無いが、目視で見えるのに点として存在していないのは不思議な気分だ
「ん、そうだったな。いや、如何もこの男なら何を知ろうと一緒のような気がして」
「あははっ! そうねぇーチンクちゃんも分かってるぅ~」
さらっと眼帯少女に罵倒された
「えーそっちの眼帯は俺の名前は知ってるのか?」
「私の事はチンクで良いぞ、皆もそう呼ぶ。雨水秋春だろう? ドクターからは不思議な男と褒められていた」
「いや、あんまり嬉しくない」
そしてそれは褒め言葉なのか?
しかも皆も呼ぶからって俺が親しく呼んだら駄目じゃね? 立場的に
「雨水秋春に関わった管理局員は、必ず高い地位に付いてしまうからパイプ作りが面倒・・・って話だったわね~、でもそれって裏を返せば、この貧相なのは一人じゃ無力ってこーと」
「そうか? 実際私は尊敬するぞ。私も教育係りだから苦労は分かるが、人を育てるのは大変だからな」
いや、だからあんまり嬉しくない
ってかコイツら余り仲は良さそうにも見えないな
「えーチンクちゃんったらこんながタイプなの~?」
「好きか嫌いかなら好きな部類だな、好青年じゃないか」
「ふぅぅーん、無難な回答ね・・・つまんない子」
「そう言うクアットロの方は如何なんだ、人にだけ言わせて」
「私? 私は嫌い、地位も低いし金も無いし、おまけによわーい・・・女が好きになる要素ゼロ~」
グサグサと精神的に削られる
ってかコイツら自分達が奇襲掛けてるって分かってるのか
「散々言ってるがお前ら少しは緊張感持てよ、犯罪者側なんだし」
「それを言うなら貴方は敵陣の真っ只中なんですけどねぇ~」
まぁそれはそうなんだけどさ
此処を抜け出すのは結構簡単そうだが、このままコイツらの話を聞いて情報収集した方が良いような気もする
「あら? あらあらあら、喜んで下さーい。前線に立ってた召喚士が脱落したそうですよ~」
「なっ! キャロが?!」
え? マジで? さっきヴォルテールの召喚気配はあったんだが・・・
シロやフリードの無事は・・・いや、二匹はキャロからの魔力配給が止まっても、まだ問題無いとしてヴォルテールはキャロの意識が途切れれば半強制的にアルザスに戻されるはず
「真竜クラスが出て来た時は少し焦りましたけど、維持が大変ですからね~、魔力温存の気配が有りましたから~不意の攻撃に耐えれなかったってところがベストですねー」
「やはり私の出番は無かったか」
「チンクちゃんも暇人決定ですねぇ~、ルーテシアお嬢様もごめんなさいねぇー暇人になっちゃいましたぁー」
「・・・別に」
やばいな
これ以上のビックリ登場は無さそうだけど残りの戦力はイクスだけか
しかもヴィヴィオを守りながらって言う不利条件
「・・・ん~仲間がやられたにしては反応が鈍いですね~、映像でお見せしましょうか?」
「キャロは治癒魔法の心得が有るから平気だ」
「見たくは無い。って感じですかー、現実逃避はいけませんよ? 壊した此方の身としては大の大人が見っとも無く泣いてしまう位は見たかったんですけどぉー」
無視
「にしても、詰んだな」
・・・ん、でも・・・あー駄目だ、これは運任せ過ぎるな
「完全に詰みですねぇー」
「詰みのようだな」
「・・・詰み」
敵三名からの同意をもらえるくらいは詰んだ状況の様だ
完全な詰み状態です