前回のあらすじ
まさかだったが、俺は敵の中でも有名らしい→何でもパイプ作りが一々面倒になって解決の為に元を辿ったら俺に来たらしい→なんて迷惑な生徒達め→だが俺自体は無害なので、敵もかなり監視に手を抜いている
そしてキャロがやられたらしい・・・大丈夫だろうか
一応策は残っているが時間稼ぎをしないといけない上に運任せ過ぎる
「んー大きいワンちゃんとアルザスの竜が粘ってるようですねー」
お、シロとフリードは健在か
でもフリードは倒れたキャロを守りながら戦ってるんだろうな
「あ・と・はー数さえー・・・数さえあればーちょちょいのちょーい」
「うわっコイツ歌下手」
しかも即席で自作してこれかよ
まぁコイツらは俺と話している間は足を止めているし、正しく足止めさせてもらうか
「チンクちゃ~ん、やっぱりぃー観客は私達だけで良いと思わなーい?」
「ん? あ、ああ」
テキトウに頷くなッ!
聞いていたフリで死に掛けた
「ところで雨水は」
「気軽に呼ぶな」
如何にも緊張感の欠ける奴らだ
「お前は一体何の為に聖王陛下を守っているんだ?」
「あーそれ私も思ってましたぁー周りも何でこんな愚図を護衛に置いているのかしらーって」
「何で俺が護衛に付けられたかは知らん、他の奴に聞け。あと何で俺が守ってるかって言うのは・・・ま、無理やりだな」
無理やりこんな管理外世界に放り出された訳だしな
そもそも六課で保護すると言う話を聞いてあの日は出かけていたんだしな
「・・・そうか、なら守る理由は無いんだな? 安心した」
「ああ、理由は大して無い。ただ偶々目の前で事件が起きそうなら、それを見逃したら俺は立場的にヤバイから助けるけどな」
「ツンデレ~」
「違うわ」
一体何処からそんな知識を仕入れたんだ
「ふむ、そんなモノか・・・いや、その程度の気構えの方が逆に良いのか・・・」
「チンクちゃん考え過ぎー、コイツが言ってるのは要はこう言う事でしょー? 人を殺す理由なんか気に入らないから。くらいで十分」
「いや、そんな物騒には言ってない」
意味合いとしては近いかも知れないけど、ルーテシアちゃんも居るんだから気を使って欲しいね
「それにしても相変わらず貴方は仲間がやられたのに余裕ですねぇー・・・やっぱり他人だからですかぁー?」
「ん? 妙に探りを入れたそうな目だな」
「はいー仮にもドクターが目を付けた男ですからー」
確かに色々不安だけど逆転する可能性がまだ消えてないからな
「いや、実はさ。俺は出掛ける時にヴィヴィオの居る部屋に結界を張ってきたんだけど」
「貴方のですかー? ・・・その程度で安心出来るなんてやっぱり愚図ですねぇー」
「いいや、俺の結界は脆いから当てにはしてない・・・けどさ、破られたら分かるよな」
「そりゃー結界ですから」
イタ性格悪い女性。クアットロが鋭い目付きで俺を見た瞬間に遠くで黒い炎が立ち上った
「な、んですか」
「俺の娘は俺に似て我慢強くは無いらしい」
「娘? 貴方に娘なんか・・・誘拐したんですか? うわぁー」
「負けると分かっていてもお前を殴りたくなった」
そしてマリアージュ大量生産の魔力余波が吹き荒れた
「ちょ! ガジェット達が次々に!」
「やっとか・・・さて、今度はそっちが詰む番だ」
「なんで貴方が偉そうなんですかー!!」
詰んだチェス盤があったなら引っ繰り返せば良いのさ~・・・ちゃぶ台返し! みたいな、力技でね
本領発揮で一気に形勢逆転となりそうです