召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百十四話~side キャロ~

昨夜の事です・・・私は仕事終わりでそろそろ寝ようと寝室に戻ろうとしていたのですが、雨水さんの部屋の扉が少しだけ開いているのに気付き閉めようと近づき何と無く中を見ると

 

そこにはシャツ一枚のチンクさんが雨水さんに覆い被さっていました

 

そこからは頭が真っ白で適当に口走って寝室に逃げるように戻った記憶しかありません

 

 

「キャロ、如何したの?」

 

「あ、うん、何でもない」

 

 

捕虜として保護している敵召喚士のルーテシアことルーちゃん

 

話も合うのでかなり仲良くなれたと思います

 

 

「・・・とても、悲しそう」

 

「あ・・・あはは、だって、だってぇぇ」

 

「よしよし」

 

 

ルーちゃんは泣いてしまった私の頭を優しく撫でてくれる

 

・・・あれ? 敵同士ですよね?

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

夕食の準備の時間になり渋々台所に向かうと雨水さんが待っていた

 

 

「なにやってるんですか」

 

「愛情料理っ」

 

「キモいですね」

 

「・・・。」

 

 

ふふっ、雨水さんったら

 

・・・私の好きな卵料理ですか

 

食べ物で如何にかしようって所は、相変わらず乙女心を分かって無いと言いたい所ですけど

 

まぁ・・・らしいですね

 

 

「ふふっキモいです」

 

「泣く程のキモさ?!」

 

「全く困った雨水さんです」

 

「我慢してくれ」

 

「嫌ですよ」

 

 

それにしても・・・愛情、料理ですかー

 

楽しみですね

 

 

「わたしも手伝いましょうか?」

 

「いや、今日はゆっくりして良いよ」

 

「昨日の事はお楽しみを邪魔して御免なさいでした」

 

「だからあれは誤解と」

 

「はい、分かってますよ。からかっただけです」

 

 

ま、冷静に考えれば雨水さんに限って。ですよね

 

雨水さんは一旦料理を止めてわたしの頭に手を置く・・・あ、れ、フェイトさん?

 

 

「なんですか?」

 

「いや、何か触りたくなった」

 

 

んーー・・・やっぱり何処か似てる

 

 

「そうですか」

 

「うん」

 

 

・・・あ、いまが・・・きっと伝えるべき時だよね

 

 

「雨水さん」

 

「なに?」

 

「好きです」

 

「ふぅーん」

 

 

やっぱりキチンと言わないとこの人には伝わらない

 

 

「雨水さん、わたしは出会った時から貴方が大好きです。愛してます、鈍い雨水さんですから此処まで言っても、まだ勘違いしそうなのでハッキリ言います。本当の家族に、夫婦の仲になりたいと言ってるんです」

 

「・・・は?」

 

 

だけど今回こそはキチンと伝わったらしい・・・物凄い面白い顔をしていますし

 

 

「だから何度でも言います、大好きです」

 

「あーキャロ・・・余り言いたくは無いんだが」

 

「なんですか? この後に及んで年の差とか言い出しましたら本気で殴ります」

 

「違うわ、これは誰にも言った事なかったんだが俺には心理操作系のレアスキルがある」

 

 

心理操作系?

 

それはつまりわたしの気持ちは意図的に作られたモノと言いたいのでしょうか

 

 

「俺もつい最近まで気付かなかったんだが、出会いは偶然で惹き合せは必然。って言ってな。俺自体は確定印象って呼ぼうと思うけど効果は出会った人間に他人と思わせない・・・分かるか? 意味が」

 

「・・・無意識下に置いて好意を抱かせるレアスキル」

 

「当たり。つまりは俺の築いた信頼関係ってのは普通にレアスキルのおかげって可能性が大って事だね・・・当然キャロのきもッ」

 

 

次の言葉が言えなくなるように魔力を込めて殴る

 

 

「はいはい、凄いですね。凄いと思います。ですが、たかが無関係で居させなくする程度のレアスキルで自分が好かれると思っているんですか。自意識過剰ですね」

 

「・・・。」

 

「わたしは雨水さんだから好きです」

 

「・・・。」

 

「どんな雨水さんでも雨水さんだから好きです」

 

「・・・そっか」

 

「貴方はレアスキルのせいでわたしが好きなったとでも言いたかったんでしょうけど、レアスキルなんて全く関係無いです」

 

「・・・これでも嫌われる覚悟で勇気だしたんだけどなー」

 

 

まったく、そんな事を聞いたからって、簡単に嫌いになれるなら誰も雨水さんの事を好きになっていません

 

大体女の子の好きをレアスキル如きの力で手に入れれると思うなんて、舐めるのも大概にして欲しいですね!




とうとう勇気だしてキャロの告白です


出会いは偶然で惹き合せは必然(確定印象)

相手に善悪問わず忘れない程度の印象を与える



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