召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百十七話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

チンクから、この世界以外への襲撃があった事を聞く→六課も地上本部も機能回復に忙しいのだろう→そのせいで、恐らく辺境世界への通信が一時出来ないのでは・・・

 

六課か諜報部と連絡が取れるのが、何時になるか分からないが頼りに出来ないのは確かだと考えた方が良いらしい

 

此方の手札は俺の能力以外は全てクアットロ経由でバレてるから既に対処済みだろうな

 

 

「あーーきーー」

 

 

んーこれはやはり年齢操作を使うしか無いか

 

 

「あーーーきーーー」

 

 

同意は取り辛いが・・・対象は、やはりキャロとイクスか

 

 

「・・・ぐすっ」

 

 

ヴィヴィオも将来有望だから当然候補に入れておく必要がある・

 

・・だがヴィヴィオは将来の見通しがまだ出来ないから無闇には使えないよな

 

キャロなら優秀な召喚士、イクスなら優秀な騎士、と言った感じにヴィヴィオも何らかの魔法の成長があるんだろうけど

 

んーー悩む

 

しかもどの程度の年齢まで引き上げれば良いかが判断し難い

 

 

「・・・あきがぁ~」

 

 

まぁ聖王のクローンなんだから可能性ではベルカ騎士だろうけど

 

考え事を止めて顔を上げると、目の前に涙目のヴィヴィオが居た

 

 

「んあ? ヴィヴィオ? 転んだのか?」

 

 

・・・目立った外傷は見当たらないが

 

 

「あきがわるいっ!」

 

「何て言い掛かりを」

 

「うーーッ!!」

 

「ぐっはッ」

 

 

何故俺は攻撃を受けたのだろうか

 

・・・ヴィヴィオ相手に反撃する訳にはいかないしなー

 

鳩尾に軽くフィットしたヴィヴィオを、そのまま受け止めて頭を撫でる

 

 

「あきがわるい」

 

「はい」

 

 

なんか知らんが女の子が泣いて俺のせいって事なんだから素直に認めた方が良いに決まってる

 

それが長年の経験則

 

 

「よろしい!」

 

「ほい、お詫びに飴やるよ」

 

「ホント? やったー! たべるたべる~!」

 

 

机の上に置いてあった飴をヴィヴィオにあげる

 

そして不幸な事に俺はヴィヴィオが飴を口に含んだ瞬間に飴の味を思い出した

 

あ、勿論不幸なのはヴィヴィオだが・・・

 

 

「ッ~!!」

 

 

ともかくそれは、眠気さまし飴の強烈ハッカだった

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

健気に貰った飴と言う事もあってか、ヴィヴィオは吐かずに頑張って飲み込み、すぐに俺に向かって全力で走り込んで頭突きをしやがった

 

 

「で? なにか用か?」

 

 

腹痛い

 

 

「うん・・・あそんでっ!」

 

「キャロ~」

 

「あーきーがー、あーそーぶーのー」

 

 

え? 俺じゃないと駄目なの?

 

一応お前の護衛のプランを練ってるんだけどーって分からないか

 

 

「片手間で出来るのならな」

 

「じんせいゲーム」

 

「それは・・・片手間?」

 

 

しかも二人で

 

 

「雨水さん、呼びました?」

 

 

一瞬だけだがキャロは俺を見て頬を赤らめて目を逸らした

 

・・・その意識のされ方は俺も照れる

 

 

「キャロおねぇーちゃんもー!」

 

「はい?」

 

「人生ゲームをするんだって」

 

「人生ゲーム? 有りました?」

 

 

あった

 

子供が遊べそうな物は割りと充実してたな

 

・・・もしかして此処に住まわす気なんじゃなかろうかと本気で思う

 

食料面の問題さえなければな

 

 

「って、そうそう。残りの食料はどの位持ちそう?」

 

「そうですねー・・・ルーちゃんとチンクさんが増えましたけど、一ヶ月は問題無いですね。いざとなれば資源の多い世界ですし」

 

 

それだけあれば管理局も此方に連絡を取れるくらいは機能回復をするだろう

 

 

「そっか、まぁ問題無さそうだね。さて、ヴィヴィオが待ってるし少し遊ぶか」

 

「ですね」

 

「あきパパもキャロおねぇーちゃんもはやくぅ~!」

 

「パパ言うな」

 

「えへへ」

 

 

えへへじゃねぇよ

 

全く、隙を見てはちょこちょことパパと挟んで来やがって・・・馴染まないように注意しないと

 

もしかしたら親が見付かるかも知れないんだからな




狙われの身とは思えない程にほのぼの

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