前回のあらすじ
竜種に追い掛けられる→逃げるが空から捕まえられて連行→笑顔のキャロが怖い→棘のある言葉がッ！
そして落ち着いたキャロが何気なく言ったルーテシアちゃんの真竜クラス保持情報
「ちょ！ 特務中止ってヴィヴィオちゃんを放っておくきですか？！」
「放って置くと言うより、放り投げる形になるな」
「はい？ 置くと投げる？ 窓から投げる気ですか？ 凄い現実逃避ですね」
その発想がスゲェよ
「キャロって可愛い顔して怖い事を言うよな」
「かわい・・・って褒めてませんね」
「うん、褒めてない。放り投げるってのは、単に護衛の任を他人に任せるって話・・・俺らより優秀な相手にね」
「つまり後は六課に任せるって事ですか？」
「そう。キャロも自分一人より隊長陣の方が強いと思うでしょ？」
キャロは納得いかない表情をしているが同意する様に頷く
言いたい事は分かる
誰が考えても隊長陣の方が強いのは分かっている、だから当然ヴィヴィオを囲んで守ると言う方法くらい一番最初に思い浮かんでいるはずと思っているのだろう
「ってな訳で連絡な。きっと繋がった瞬間、フェイトさんが・・・いや、これは見てから考えよう」
もしかしたら俺らの擬似誘拐は、公式では本当に誘拐事件にされてる可能性・・・と言うか、作戦の内容からして誘拐扱いになっているだろうからフェイトさんが作戦内容を知っていないとしたら・・・
キャロ捜索の為に寝不足で目の下に隈とか付けて凄い変わりようしている可能性がある
「ん？ ・・・良く分かりませんが連絡しますね」
「あ、その前に」
「なんですか？」
「この鎖とバインドを解け」
「・・・あ」
正直この体勢で話していると、真面目な話もふざけている様にしか見えなかったと思う
◇◇◇◇◇◇
やれやれキャロの分隊の隊長がフェイトさんで良かった
これで八神二佐とかだったら文句から始まる形になっていたな
「さて、準備が掛かりましたけど出来ましたよ。雨水さんが話します？」
「いや、まずはキャロが顔見せね」
「顔見せ？ ・・・そうですね、最近特務で会えませんでしたし」
何度かコールが鳴った後に繋がる・・・普通に繋がるんだな、ビックリだよ
「・・・はい、テスタロッサです」
「フェイトさん？！ 大丈夫ですか？！！」
あーやっぱり
あの二人の事だから極力誰にも教えてないとは思っていたが、まさか親友にも教えてなかったとは・・・
フェイトさんの顔には精気が無く今にも倒れそうなイメージを持たせる
「キャ、ロ？」
「はい！ それよりフェイトさんです！ 如何したんですか！ ご飯は食べていますか？ エリオ君の言う通りに休みも取っていますか？ そもそも寝癖が治ってません！」
「キャロ！ キャロ！ ホントにキャロなんだね？！ 大丈夫なの？！ 今何処に居るの？ 酷い事されてない？！」
「あ、えと、わ、わたしです！」
二人とも混乱し始めて会話が成立していない
「はいはい、フェイトさん。久しぶりです」
「雨水さん？！ なんで雨水さんがキャロと一緒に？！ だっていま・・・え？ 如何言う事？」
「詳しい事情は八神二佐から聞いて下さい」
小さな仕返しである
「フェイトさん凄い怒ってますけど、雨水さん何かしたんですか？」
「いいや、ほらこれって誘拐って名目だったでしょ？ あれが実は公式でも誘拐だって扱われてて今までキャロはずっと行方不明だったんだよ」
「え？ はい？」
さて、この食い違いを説明するのは大変そうだが、今は自分達の安全確保を優先しないとね
「雨水三等陸士」
「はい！」
「詳しい事情を今から八神部隊長に聞いてきますので少し回線を繋いだ状態で待機をお願い出来ますか？」
「了解であります！」
怖い
やっぱり普段から優しい人とかが怒ると怖いって言うけど優しさの塊みたいなフェイトさんの怒りは凄いな
・・・俺も八神二佐には物申したかったし、別段同情はしないけどね
ついに、はやてに殴り込みを仕掛けるフェイトさん！