召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百三十話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

スカリエッティが何故大事な鍵であるヴィヴィオを一度逃がしたのか判明→ネガティブ高町一尉が深刻化していた→それは兎も角としてヴィヴィオはゆりかごを壊す事を了承

 

と言う事でフェイトさんも戻ってきたので少しヴィヴィオはイクスに任せて大人同士の会話をする事に

 

・・・イクスに預けて大丈夫だったのだろうか

 

 

「全部聞いてきました」

 

「そうですか、感想を聞きたいところですね」

 

「・・・管理局、辞めようかな」

 

「貴方もですかッ! 駄目ですよ! 駄目ですからね?!」

 

 

フェイトさんは優秀な執務官

 

此処で止められたらホント色々と支障が出てくる

 

そう言う支障はどうせ巡り巡って俺に帰ってきそうで怖い

 

 

「うん、止めないよ。はやてには灸を添えてきたから、今はそれで満足」

 

「どんな風に? とはあえて聞きませんが、今後の六課の作戦を高町一尉から聞きました」

 

「そっか、私はスカリエッティの捕縛に出る」

 

「そうですか。此方は其方の作戦が終わるまでの算段は立ちましたので応援のみしておきますよ」

 

 

明日からはヴィヴィオの特訓で大忙しになりそうだ

 

そして二人にはクアットロ、チンク、ルーテシアちゃんの三名とガジェットによって行われた襲撃の全容を話した

 

 

「そうなんだ、私はキャロの為にそっちに行った方が良いんだろうけど。六課に残るね」

 

「そうして下さい、キャロも自分の為にフェイトさんが六課を抜けたなんて聞いたら悲しみますから」

 

「うん、そうだね。それじゃあね、なるべく早く準備を整えて攻め込むよ」

 

「出来れば三日以内にお願いしますね」

 

 

それ以上になると逆に向こうの準備が整ってしまう

 

 

「了解です、またね」

 

「では、また」

 

 

高町一尉は襲撃の話を聞いてからは更に落ち込んでいた様だけど、あの人のテンションの上がる出来事が作戦前に起こってくれれば良いんだけど

 

ネガティブ高町一尉だと作戦の士気に関わるからね

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

さて、そろそろキャロが夕食を完成させた頃かな

 

相変わらずキャロは年齢のわりに熟練の主婦と並ぶ料理の腕前だ

 

 

「雨水。ちょっと良いか」

 

「如何したチンク」

 

「先程から陛下のご様子がおかしいのだが、心当たりは無いだろうか」

 

 

ヴィヴィオは食事中にずっと、肉の炒め物からはピーマンを、サラダからはグリーンピースを、野菜スープからはニンジンを弾き俺の中に入れている

 

取り合えずそこまでは普通の好き嫌いだが、大皿含め全ての食器の配置を何度も置き換えているのは異様に見える

 

そもそも迷惑だ

 

 

「無い」

 

「ふむ、そうか。食事中に失礼したな」

 

 

まぁ大方記憶が戻って感慨深い事でもあるのだろう

 

 

「ってヴィヴィオ! 好き嫌いをするな!」

 

「キャロおねぇーちゃんもニンジンいれてる」

 

 

確かに言われてみれば隣のルーテシアちゃんのスープのニンジンが不思議と多い気するような

 

 

「自分が嫌いなら作る段階で省けよ」

 

「し、仕方無いじゃないですか! 私一人の都合で皆の栄養バランス崩す訳にはいきませんし!」

 

「栄養バランスとかキチンとしてるなら、余計にちゃんと食べろよ・・・そしてルーテシアちゃんも余りキャロを甘やかさないでくれ」

 

「・・・。」

 

 

了承してくれたようだ

 

 

「ヴィヴィオはいい加減にその食器弄りを止めて食べないと後で一人で食べる事になるぞ」

 

「うー」

 

「駄々捏ねない」

 

「あきパパがたべさせてくれるから、いいもん」

 

「良くねぇしパパ言うな。まぁいざとなったらイクスが口に捻じ込むから別に良いのか?」

 

「た、たべる!」

 

 

ヴィヴィオもイクスは冗談などでは無く本気ですると分かっているので急いで食べ始めた

 

 

「やれやれ」

 

 

しかしテロリストが普通に溶け込んでるってのは何か言葉にし辛いけど如何なんだろうね




家族が多いと幾つかは大皿で取り分け形式になると思っている

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