召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百三十一話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

フェイトさんは八神二佐から全て聞いたらしい→そしてフェイトさんまで管理局に愛想を尽かそうと・・・→まぁそこは八神二佐に灸を添える事で今は納得するらしい→少し路線を変更し、このままこの世界に留まろうと思う

 

こっちにスカリエッティ陣が来ないように六課頑張れ

 

ヴィヴィオからオリヴィエの記憶を呼び起こした日の夜、不思議な出来事が起こった

 

 

「ふがっ!」

 

 

何事

 

 

「・・・ヴィヴィオか」

 

 

いきなり痛みで起こされた俺はすぐに寝ていたベットを見る

 

すると、ヴィヴィオが俺の寝ていた場所に居た・・・推測ではあるが恐らく蹴りだされたのだろう

 

 

「はぁー災難だ」

 

 

溜息を吐きながら寝ているヴィヴィオを元の位置に戻す為に抱えようとしたのだが

 

 

「ふぎゃっ!」

 

 

今度は壁まで飛ばされた

 

背中痛い

 

 

「まさかアレは寝相なのか?」

 

 

ヴィヴィオを守る様に蠢く虹色の魔力

 

まるで生きているみたいだ

 

あれくらいなら観察眼を使わなくても何と無くで正体は分かる

 

 

「聖王の鎧」

 

 

まぁー、小さい内に取得した技能が暴走する

 

なんて事は、別段珍しい話じゃないので一先ず寝相で聖王の鎧の発動は無視しよう

 

だが!

 

無視出来ない事が一つだけ存在する

 

 

「・・・なんで俺だけ弾かれたんだよ」

 

 

イクスが無事

 

それどころか足蹴りをしていると言う事実

 

 

「いいや、今日はもうイクスを壁にして寝るか」

 

 

聖王の鎧の迎撃対象がどうなっているかは知らないが、少なくともイクスは例外らしい

 

・・・なら明日にでも観察眼で見てみるとして今は寝よう

 

ホント眠い

 

 

「ちょっとごめんなー、イクスっと」

 

 

移動させようとイクスの体に触れようとした途端、パチリとイクスが目を覚ました

 

 

「ん、悪い。起こしたな」

 

「・・・。」

 

「ん? どうした」

 

「・・・。」

 

「・・・おい、何か言え」

 

 

流石に無言だと怖い

 

 

「・・・。」

 

 

イクスは無言で涙を流した

 

 

「ごめんなさい!」

 

「ふにゃ・・・おとう、さま」

 

 

何事

 

きつく言ったつもりは無かったんだが・・・

 

 

「い、いえ、すみません。少し悪い夢を見ていたので・・・これも夢かと」

 

 

良かった・・・結構子供に有り勝ちな理由じゃないか

 

 

「むしろアレが夢であって欲しい」

 

「アレ?」

 

 

イクスはヴィヴィオが纏っている虹色の魔力を感情の篭っていない瞳で見つめる

 

 

「この・・・」

 

 

小さく俺に聞こえないくらいの大きさで何か悪態らしき事をついたイクスはまさかの行動に出た

 

両手をヴィヴィオの体に滑り込ませたイクスはそのまま上に放り投げた

 

つまりは床に落した

 

相変わらず躊躇を知らない子である

 

動きに一切の迷いを感じなかった

 

 

「・・・そういや何でイクスは聖王の鎧を無効化できているんだ?」

 

「にゃあ」

 

「何語だよ」

 

「みゃあ?」

 

 

お前って返答に困るとすぐに首を傾げるよな

 

可愛いと思うけどさ

 

 

「明日にでも調べるから良っか」

 

「はい、幾らでも隅々と調べ尽くして構いません。私は秋春様になら全てを晒せます・・・準備万全です!」

 

「寝ろ」

 

 

って言うか調べるのはヴィヴィオをだよ

 

その後

 

流石にベット下でヴィヴィオを寝せるのも気が引けたので、イクスにベットの上に上げてもらい当初の予定通りイクスを壁にして寝た




ちなみにイクスは寝惚けています

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