召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百三十七話~side アギト~

いま現在

 

あたしは旦那が言ったようにルールーの傍に居る訳だけど・・・だけど、あたしは・・・あたしの我が侭で雨水秋春を仮の主・・・ロードって勝手に認識している

 

そう言えばシグナムって奴を置いてきちまったけど大丈夫だよな?騎士だし・・・

 

 

「アギト、アギト」

 

「ん? わりぃルールー」

 

「ボーっとしてた」

 

 

いけねぇや

 

いまはあたしがルールーを旦那の代わりに守るんだ

 

 

「・・・似合ってるよ、アギト」

 

「あんがとよー、ちょっとアイツの言う通り大きいけど何か落ち着くんだ」

 

「アイツ? ・・・雨水秋春?」

 

「うん・・・あたしの一方的なモノだけどロードになってもらってる」

 

 

嫌そうにしていたから希望は薄いのかも知れない

 

 

「そうなんだ」

 

 

ルールーは前に比べてよく笑うようになってる

 

良い事だよな

 

良い事なんだが・・・

 

 

「ところでルールー」

 

「なに?」

 

「なんでコイツが居んだよ!」

 

 

いつもみたいな、青いボディースーツを着ていないので印象は全然ちげぇけどナンバーズの五番だ

 

 

「さぁ?」

 

「ル、ルール~」

 

「困ったな、特別大した理由は無いのだが・・・私は何と無く此処に居る」

 

 

最初からあたしに遠慮するように、部屋の端で壁に寄り掛かっていた五番が本当に困った表情で言う

 

 

「信じられるか! アンタも変態博士も!」

 

「信じてくれとは言わないさ」

 

「何を企んでんのか知らねぇけど、もしルールーや雨水に手を出すってんなら・・・あたしが灰も残さず燃やし尽くす」

 

「ふっルーテシアお嬢様と雨水ね」

 

 

何が可笑しいのか小さく笑っている

 

相変わらずコイツらは腹が立つな~!

 

 

「何が可笑しいんだよ!」

 

「大丈夫、何もしないと誓う・・・不安なら此処には冥王イクスヴェリアが居ると言っておこう」

 

「イ、イクスさん」

 

「そちらも怖さは重々と知らしめられたようだな」

 

「うっ」

 

 

初対面の時に散々な目に遭わされた

 

そしてさっきもマスターが居なかったらと思うと・・・

 

 

「アギト・・・チンクは大丈夫」

 

「・・・ま~ルールーが言うなら文句はねぇけどよっ」

 

 

此処に居てイクスさんが動かないって事はマスターも許可しているって事だしな

 

 

「世話になっている同士、宜しく」

 

「けっ」

 

 

五番は手を差し出したけどあたしは握らなかった

 

 

「それよりよ」

 

「ん?」

 

「その髑髏の眼帯は趣味か?」

 

「こう言うのをイカしていると言うのだろう?」

 

 

・・・あってる、のか?

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「お世話になります!」

 

 

ルールーと話をした後はルールーの教えに従ってこの家で一番の権力者に挨拶をする事にした

 

 

「・・・ルーちゃんの旅仲間でアギトちゃん、で良かったんだよね?」

 

「は、はい!」

 

「雨水さんを頼ってきたとか」

 

「あ、いえ、マスターの件はそうなんですけど・・・それはあたしの我が侭でルールーを守るついでって言うか」

 

 

台所でおたまをクルクルと回しながらあたしの話を聞いている

 

これが貫禄なのか!

 

 

「また雨水さんは・・・」

 

「えと・・・ルシエさん?」

 

「キャロで良いよ、ルーちゃんの友達なら私の友達だよ。ねっ?」

 

「はい」

 

 

それからあたしは旦那やルールーの世話をしてた時に発揮していた料理スキルを活かして仲を深めた

 

・・・あーでも、マスターに対する愚痴が会話の殆どだった気もする




ヒエラルキーの頂点はキャロ

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