召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百四十一話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

スカリエッティの映像データを見る→想像とは違った→ナンバーズも結構大変らしい→契約成立→アギトは納得出来ない様子だったが仮でも主の秘密はバラさないらしい→六課から通信

 

スカリエッティの次が六課とは、何か作意的な運命を感じる気もする

 

・・・まぁ夕食に遅れないくらいで済ませたい

 

 

「はい、此方は雨水三士ですが?」

 

「先生」

 

 

映像通信の相手はエリシアだった

 

テッキリ隊長陣の誰かと思って身構えていたんだけど・・・

 

 

「エリシアか・・・まぁ準六課メンバー状態だったから不思議でも無いか」

 

「ん? ・・・何の事ですか、先生」

 

「いや、こっちの話。報告だよね? 六課のスカリエッティアジト強襲作戦の」

 

「はい」

 

 

暗い表情をしているが、まさか失敗では無いよな

 

そうだったら

 

・・・取り合えず聞いてみよう

 

 

「先生は良い報告から聞くタイプですか?」

 

「悪いのもあるのか」

 

「・・・まぁ」

 

「悪い報告から聞こうかな」

 

 

上げて落すとか鬼畜過ぎるだろ

 

 

「エリオを始めとする、六課メンバーは重症により本局が経営する病院に入院しています」

 

「・・・重症ね」

 

 

それで連絡が遅くなったのか

 

 

「それが悪い報告です」

 

「確かに・・・悪い報告だな」

 

 

特にエリシアはエリオが重症なんて聞いて気が気じゃないはず

 

 

「良い報告は、その六課の皆さんの頑張りで無事作戦が成功した事です」

 

「成功か! それは良かった!」

 

「・・・はい」

 

 

スカリエッティの勘が的中していた訳か

 

それにしても・・・成功と言う事は高町一尉は、ゆりかごを壊したのか?

 

 

「エリオが心配なんだろ?」

 

 

査察官になりたいなら、感情を表に出さない訓練も・・・なんて流石に恋人が重症なら無理も無いか

 

 

「・・・。」

 

「なら態々エリシアが報告しに来なくても良かったのに」

 

「・・・エリオが頑張った結果を包み隠さず歪み無く伝えるには、やっぱり私じゃないと駄目ですからね」

 

 

情報を扱う専門の査察官らしい考え方だな

 

 

「さて、なら俺らが此処に居る必要も無い訳か」

 

「はい、明日の早朝にでも転送ポートから数人派遣します」

 

「よろしくな」

 

「はい、責任持って」

 

 

此処の生活も今日までか

 

今になると中々名残惜しい・・・とは一切思わないな

 

旅行に行って、やっぱり自宅が一番と思うような感覚だ

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

リビングに集まっていた皆に明日ミッドに帰ると伝えたのだがその反応は意外とドライだった

 

 

「エリオ君が? 大変ですね・・・あー、でもエリシアさんが居るから安心なのかな?」

 

 

唯一反応があったのはキャロのみ

 

それでも自分の部隊の事にしては反応が薄い

 

イクスやシロは無関係、チンクとルーテシアちゃんとアギトは敵、ヴィヴィオは不明だけど、それぞれ別に六課を深く心配するほどの関係じゃないって言うのは理解出来るんだが・・・

 

 

「って言うか! 帰れる事より夕食ですか! もうちょい嬉しがろうよ!」

 

 

予想外のリアクションの低さに普通に寂しい

 

 

「雨水、一つ忘れているのかも知れないが、私達はミッドに行けば管理局に引き渡されるだけだぞ? それは嬉しい事なのか?」

 

「せ、正論だ」

 

 

ただし小さな宝石で装飾された眼帯で台無しだ

 

・・・最近ますます凝ってきている

 

そして箸を此方に向けるな

 

 

「ヴィヴィオはうれしいよ~」

 

 

落ち込んでいると励ますようにヴィヴィオが楽しそうに笑う

 

 

「ヴィヴィオ~! そう言ってくれるのはお前だけだ!」

 

 

ノリで抱き付こうとしたら、キャロに脛を蹴られ、ヴィヴィオはイクスに椅子から倒されていた

 

アギトに蹴られたところッ!

 

 

「食事中に立つのはマナー違反ですよ、雨水さん」

 

「次の模擬戦が待ち遠しいですね、ヴィヴィオ」

 

「「・・・。」」

 

 

俺もヴィヴィオも素直に黙って食事を再開した




作戦成功。しかし六課は壊滅状態です

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