召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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原作空白期(sts)
百四十六話~side 雨水~


前回のあらすじ

 

キャロ起床→適当にからかう→返事→受け入れてくれた?

 

数日フェイトさんの所に帰りますから

 

それが泣き止んだキャロの最初の一言だった

 

 

「さて、今から如何しよう」

 

 

エリオの見舞い

 

諜報部に顔出し

 

自宅に帰る

 

 

「順番にして行くか」

 

 

本当は順番なんて無いんだけどさ

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「はい、あーんだよ。エリオ」

 

「あ、あーん?」

 

「そうそう、栄養付けなきゃね」

 

 

・・・見舞いに来た事を早々に後悔した

 

 

「秋兄さん?! あの! これは!」

 

「あーいいぞ、続けて」

 

 

座って羨ましそうに眺めるから

 

 

「先生・・・空気読んで下さい」

 

「今度からな」

 

 

むすっとしたエリシアはエリオから一歩離れる

 

 

「ところでエリシア」

 

「なんですかー」

 

 

拗ねるなよ

 

 

「キャロに酔うと色気が増すとか言ったのはお前だな」

 

 

ガタッとエリオが跳ねる

 

何故にお前が反応する

 

 

「確かに私ですけど・・・あ、もしかしてキャロちゃん酔い過ぎてました?」

 

「ああ、もうベロンベロンに」

 

「・・・アルザスの地酒だったので大丈夫と思ったんでけど」

 

 

第六管理世界アルザス地方

 

あそこ地酒とか作ってたのか

 

だとしても、キャロが村を出るまでに関わってたとは思えないな

 

幼かったし

 

 

「手に入れるの苦労したんですよ?」

 

「よく手に入れれたな」

 

「キャロちゃんはエリオの妹? 姉? 的な存在ですから・・・頑張りました」

 

「はぁー」

 

 

なんて言うか

 

そう言う手の込んだ事をするのは父親にそっくりだよな

 

 

「・・・で? どうなったのか、聞いても良いんですか?」

 

「断った」

 

「「断った?」」

 

 

エリオもエリシアも心底不思議そうな顔をした

 

 

「・・・僕、秋兄さんはキャロの事が好きだと思ってた」

 

「好きに決まってるだろ」

 

「だったら何でなんですか? 先生」

 

「年齢を考えろ・・・あとエリオは病人なんだから身を乗り出すな」

 

 

エリシアはエリオを寝かせると俺の目の前までやってきた

 

とても鋭い目付きで射すように睨んでいる

 

 

「そう言うのズルいと思います」

 

「やっぱりそう思うか」

 

「はい、年齢なんて覆しようが無いじゃないですか」

 

「まぁね」

 

 

だから俺も、それを本当に理由にして良いのか悩んださ

 

 

「・・・お前らに如何見えているかは知らんが俺とキャロは旅仲間なんだよ」

 

「「・・・。」」

 

「さて、病人の前でこれ以上テンション下げても体に毒だろうし、話を変えようか」

 

「露骨ですね」

 

「ああ、エリシア。妊娠したんだって?」

 

 

エリオがベットから落ちた

 

・・・どうやって落ちたんだろう

 

 

「な、ななな何を言っているんですか! 秋兄さん!」

 

「いや、フェイトさんから聞いた話だから、信憑性は高いぞ?」

 

 

フェイトさん達もそうだったけど重症とは思えない程に元気だね

 

 

「エリシア?!」

 

「・・・。」

 

 

なるほどなー

 

エリオは・・・エリオだけが知らないのか

 

フェイトさんはエリオに言い出せないままに作戦が始まり、エリシアは単に言い出し辛かっただけか

 

 

「いやー良かったなー。エリオもお父さんとして早く怪我を治すんだぞー」

 

「いや! え?! え?! だって・・・あ、でも」

 

「・・・心当たりはあるのかよ」

 

 

まさかだよな?

 

エリオは十歳でエリシアは十二歳

 

早すぎるだろ・・・これが今時の子供なのかッ

 

 

「キ、キスしました」

 

「「・・・エリオ」」

 

「え? エリシアも秋兄さんも・・・」

 

 

子供はキスをしたら出来る

 

まるで子供はコウノトリに運ばれて来ると聞いた時みたいだ

 

 

「健全と言えば健全か」

 

「・・・エリオって仕事馬鹿だったもんね」

 

 

そう言えば少し前までフェイトさんに似て仕事一番だったよな

 

 

「僕、いま何かおかしい事言いました?!」

 

「エリオは・・・まぁこれからだよな」

 

「はい、もっと格好良くなりますよ」

 

 

エリオそっちのけで二人で納得

 

 

「エリシアも余りフェイトさんをビックリさせる冗談を言うなよ」

 

 

まぁ最初から冗談だって分かってたけど・・・あんなのを信じるのはフェイトさんくらいだ

 

 

「あの時は仕方なかったんですよ」

 

「やれやれ」

 

「反省してます」

 

 

フェイトさんと高町一尉への誤解は後で解いておいてあげるか

 

一体フェイトさんが何人に相談したかは知らないけど・・・性格上多くの人には言ってないだろうな

 

 

「いや、うん、ホントにエリオは早く怪我を治せよ」

 

「はい」

 

「エリシアもエリオの見舞いは良いけど、仕事はキチンとな?」

 

「分かってますよ」

 

 

いまの俺が言えば立場では無いな

 

・・・やっぱり明日にでも諜報部に顔出しをしよう




エリオは傷口が開かないかだけが心配です

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