召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百四十八話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

何と無く落ち着くのでイクスを抱いているとヴィヴィオ登場→蛇と蛙の関係らしい→仕方無いので両方を乗せる→ヴィヴィオの笑顔が可愛かった

 

暫く二人を抱いてボーッと考え事をしているとアギトがやってきた

 

 

「ヴィヴィオ! てめェ何時まで待たせんだ!」

 

「・・・あ」

 

「完全に忘れてたな!」

 

 

・・・忘れていないだろうけど、イクスに負けたくなかったんだろうな

 

 

「頑張ってるマスターの為に作るって話だったろうが!」

 

 

ピクリとイクスが反応した

 

止めてくれよ・・・イクスはそのままが一番なんだからな?

 

 

「融合騎とヴィヴィオが・・・」

 

「イクス?」

 

「此処は娘として私も・・・」

 

 

止めないと俺が危険だ

 

イクスは俺以外には余り気を回さないので粗末・・・この場合は良い意味で粗末な物になる

 

が、俺には丁寧に怪奇な料理が完成されている

 

 

「イクスは! ・・・行かないな!」

 

「はい?」

 

「まだ悩んでいてさ」

 

 

嘘では無い

 

キャロが何日か分からないがフェイトさんの所で心の整理を付けるように、俺も整理は付けたい

 

 

「えと、秋春様?」

 

「イクスは一緒に悩んでくれるかな」

 

「勿論です。お父様の悩みは私の悩み、私はお父様の全てを受け入れてみせます!」

 

 

イクスのテンションが上がってきた所でヴィヴィオをアギトに任せる

 

 

「実は・・・」

 

「・・・。」

 

 

冷静に考えたら話す事なのだろうか

 

 

「んー」

 

「秋春様が話し易いタイミングでご自由にお話して下さって大丈夫です」

 

「イクスは母親とか欲しかったりする?」

 

「・・・。」

 

 

にこりと俺を安心させる笑顔が不自然に固まる

 

 

「イクス?」

 

「・・・それはルシエさんの事ですか?」

 

「ん~っとねー」

 

「私はお父様一人で満足です」

 

 

キッパリと切り捨てられた

 

 

「なるほど」

 

「お父様がそれで幸せになると言うのなら応援します。私は反対もしません」

 

 

反対も?

 

その場合は、反対は。だと思うが・・・

 

 

「そうか、イクスは嫌がると思ったよ」

 

「嫌がる? ・・・それが願いならば嫌がりますけど、違いますよね?」

 

「まぁね」

 

「なら、私は応援しますよ。秋春様の幸せは私の幸せですから・・・」

 

 

親孝行だね

 

出来すぎと深入りしたい気もするけどイクスらしいから止めておこう

 

しかし話をしていると年寄り臭い事も考えてしまう

 

 

「イクスも将来は結婚相手とか連れてくるんだよなー」

 

「有り得ません」

 

 

即答で返された

 

 

「・・・ま、まぁ。まだそう言った年頃でも無いしな。これから色んな人に出会えば変わっていくか」

 

「・・・。」

 

「イクスヴェリアがただのイクスに変わったようにね?」

 

 

ただのイクス。と言った瞬間にバッと俺の方に顔を向けた

 

 

「あ、あの」

 

「ん?」

 

「秋春様は雨水秋春ですよね?」

 

「それは勿論そうだけど?」

 

 

改名した覚えは無いからな

 

 

「ならば娘の私はイクスなのですか?」

 

「・・・ん?」

 

「いえ、ですから・・・えと、風習では名の先を付け加え・・・雨水イクスになるのでは無いのですか?」

 

 

あ~~なんて登録したんだっけなー

 

 

「語呂悪くない?」

 

「で、ですが。特別名前に拘っているのでは無いのですが、それもまた一つの親子の絆と言いますか・・・」

 

 

あくまで表面的には拘ってないと言い張りたいらしい

 

・・・取り合えず焦って涙目になるくらいには拘っている

 

 

「えーっと管理局には・・・あーイクスで登録したかも・・・そうだな、確かに苗字はいるよな」

 

 

気分的に

 

 

「はい! 必要です!」

 

「今度局に行って確認してみるよ」

 

「有難う御座います!」

 

 

雨水イクスね

 

名前なんて・・・と思わなくも無いけど、イクスにとっては小さな絆も重要なんだよな




ヴィヴィオが居なくて良かったと思う・・・拗ねるから

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