召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百五十二話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

キャロに出会い頭にスターライトブレイカー→フェイトさんのアドバイスらしい→何故あの二人はその方法で仲良くなれたのか→ともかく一般的には素直に名前を呼ぶ部分だけで良いと思う

 

諜報部査察長官室

 

 

「よっ、珍しいな」

 

「んあ? あーお前さんか」

 

 

眠そうに欠伸をする姿や気の抜けた感じは、事件が粗方終わったからだろう

 

 

「またエリシアに散々叱られたんだってな」

 

 

湿布は俺のせいだろうけど頬の手形は知らん

 

 

「そうなんだよー・・・パパは家族より仕事が大事なんでしょうってさー」

 

 

あーゴタゴタで家に帰ってなかったのな

 

 

「ま、そもそもお前さんがスカリエッティの顧客データや残存ガジェットの情報、その他諸々を渡さなかったら良かった話だけどなー」

 

「交渉カードだから出すさ」

 

「交渉カードは見せないから効果を発揮する時もあるんだよ」

 

 

交渉術の専門家はカード温存派らしい

 

現在ヒューズはチンクとルーテシアちゃんとアギトを無罪にする条件で得たスカリエッティの情報を元に管理局の膿を洗い流しているらしい

 

無罪と言ってもチンクだけは本人が言うように、稼動時間も長く流石に全部の罪を揉み消せなかったので、完全に無罪には出来なかった

 

局員による数年の監視が付く事になっている・・・その局員は俺なんだけどね

 

あぁ情報は本人提供なので問題無い

 

 

「頼んでいた話は?」

 

「メガーヌ・アルピーノの件か? 受け入れ先で容体は安定しているし、数日で目が覚めるらしいぜ」

 

 

それは良かった

 

もし駄目だったらルーテシアちゃんに言うべきか悩んだ所だけど、これなら気兼ねなく言える

 

 

「それにしても管理局も一気に減ったな」

 

「三割が関与で、内一割は何かしらの重犯罪に手を染めていたからなー」

 

 

三割って・・・多いなー・・・管理局は局員のレベルの差がハッキリと出ている組織だから優秀な人間の負担が増えただろうな

 

関与していた人間も一仕事終えてから辞めて欲しいね

 

 

「そりゃードス黒組織とかメディアに言われそうだな」

 

「自主退職を促してるさ」

 

 

自主退職・・・それにしたって逆恨みで情報を流す奴らも出てくるだろうに

 

まぁ一定以上の罪の奴はキチンと裁いているんだろうがな

 

 

「影役者は大変だな」

 

「表役者も大変だと思うぜ? 隊長陣は、外に出れば奇跡の部隊としてインタビューの嵐! 彼方此方の部隊から学びたいと要請! もー嫌になるくらいのファンレター! ・・・な?」

 

 

怪我が治ってすぐに胃を痛めたとかならないで欲しい

 

 

「・・・俺らには合わないな」

 

 

元々ファンの多い隊長陣なのに、更に増えるとは・・・

 

 

「ま、大きな事件が起きたあとは四年か五年は平和だろうから程々死ぬ気で回せば持つだろ」

 

 

程々死ぬ気ってどんなだよ

 

 

「ま、精々頑張れ」

 

「今年一杯はお前さんも頑張るんだがな」

 

「はぁ?!」

 

「諜報部の仲間だろっ」

 

 

冤罪で無人世界に打ちこんでくれた奴の台詞とは思えない

 

仕返しで睡眠薬で寝かせて無人世界に放り出そうかと思ったが、コイツの仕事量を背負える自身は無い

 

 

「とは言っても、諜報部の仕事は情報操作だからな。お前さんには、その辺のチンピラくらいしか任せられないけど」

 

 

確かに情報操作なら下手に手伝うよりはヒューズ一人の方が速いか

 

 

「お互い頑張ろうや」

 

「だな」

 

 

この辺は治安も良い方だし一時は鑑定士と講師の仕事が多くなりそうだな




スカリエッティが協力したのはチンクを無罪に出来るだけの情報の提供でした

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