召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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百七十一話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

夕食作り→昔と同じ状況に懐かしい事を色々思い出す→ハリーちゃんは帰るらしい→イクス達の学校の事について少し話した

 

出来上がったキャロの料理は評判が良く、腕が上がった事は皆が納得した

 

 

「如何した? おっちゃん」

 

 

 

キャロと別れた後におっちゃんから呼び出された

 

 

「男同士の話し合いに決まってんだろ」

 

 

取り出されたのは酒

 

 

「それでキャロが部屋に行った時に声掛けたのか」

 

「そう言うこった」

 

「それで? 肴は何だ?」

 

 

ま、俺とキャロの話が大半を占める形になると思うけどな

 

 

「お前達の話に決まってるだろ」

 

「俺的にはハリーちゃんの話を聞きたいけどな。大会目指してるんだって?」

 

「ああ、結構有名な大会らしい・・・親としては、もっと応援してぇんだけどな。反抗期なのか会うと怒られてばっかだ」

 

「ハリーちゃんが怒ってるのは反抗期とかじゃないと思うけどな」

 

 

単に寂しいだけだろ

 

それにあの子は父親の仕事に納得し誇りを持っていたから、余計に止めて欲しいなんて言えないんだろうな

 

 

「そうかもな。それは追々向き合って行くにしても、お前の娘は学校とか如何してるんだ?」

 

「あー俺の方は来年からだから今は準備期間なんだよ」

 

「ほー、やっぱ魔法関係か?」

 

「ああ、聖王教会系列のStヒルデ魔法学院にな」

 

「あのお嬢様学校か」

 

 

確かに御機嫌ようとか使ってるのを見た時はビックリした

 

 

「娘の希望で・・・なー」

 

「そりゃ仕方ない」

 

「おかげで準備が大変だ。特に俺は男だからな、配慮が足りないらしい」

 

 

キャロ曰く、フェイトさん曰く、高町一尉曰く、シスターシャッハ曰く、エリシア曰く

 

俺の肩を持ってくれたのは無頓着なチンクと主想いのアギトだけだったと思う

 

 

「あー分かるぞー・・・なんか分かるぞ」

 

「そうか」

 

 

おっちゃんも何か苦労があったんだな

 

 

「さて! 今日は飲むぞー!」

 

「さっきから飲んでるだろうが」

 

 

一人で俺の倍以上は飲んでるぞ

 

 

「いやぁ昔と違ってお前も随分酒に強くなったみたいだからな~・・・前に飲んだ時はキャロちゃんが告白する前に潰れたろ?」

 

「ぶはっ! 告白?! キャロあの時そんな事してたのか!」

 

 

って事は、あれは二度目の告白だったのか

 

 

「キャロちゃんも覚えちゃないだろうけどな。保護隊の皆は、お前らの式には絶対行くって張り切ってたぜ」

 

 

知られざる真実

 

って言うか知りたくなった真実だな

 

 

「ちなみに俺は酔った状態でなんて返事したんだ?」

 

「あん? えーっと・・・あははっ、えー? そうだったんだ! キャロが好きね~、嬉しいよっ! 俺も大好き! や~キャロの体温は高いね~・・・だったな」

 

「・・・うわぁ」

 

 

若かりし自分が憎々しい

 

・・・唯一の救いはキャロも覚えてないって事か

 

 

 

「キャロには言ってないよな?」

 

「言ってないなー・・・俺は」

 

「今すぐ保護隊の全員に口止めしに行ってくる!!」

 

「あ、おい! まだ酒が」

 

「一人で飲んでろ! それどころじゃねぇ!!」

 

 

 

まずは女性隊員が先決だな!

 

酔わなそうな人間から・・・観察眼で記憶に残っているかの有無を確かめれば良いな!

 

 

「・・・まったく今度からキャロの前で酒は控えよう」

 

 

もうキャロがこの話を聞いていない事を祈るばかりだった




おっちゃんから語れた隠されし真実でした

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