前回のあらすじ
慌てて女子寮へ→既に広まっていた→が、キャロはそれほど気にしていなかった→女性局員の一人に絡まれる→酒ばかりは悪いのでキャロと一緒にジュースを取りに行く→キャロは六課後について深く考えていた→将来の目標フェイトさん
次の日
半ば予想通り二日酔いでダウンしている保護隊の局員数名の代わりに俺らがシフトに入る事になった
「だから飲み過ぎるなと言ったのに」
「ジュースを届けた時には遅かったですよね」
「キャロと俺を間違えた時点で駄目と思ったが・・・」
雨水くん縮んだ~? あれー胸も膨らんだ~? これは・・・A、いやBかにゃ! などと完全にセクハラとしか思えない行動をキャロにし続けて限界点に達したキャロに沈められた
「駄目でしたね」
思い出し怒りのキャロ
「なんかキャロこっちに居ると子供っぽいね」
いまも頬を膨らませて昔みたいに怒っている
「・・・ん、そうですか?」
自分では気付いてなかったのか、恥ずかしそうに顔をペタペタと触っている
「うん」
「んーなんと言いますか。やっぱり自然保護隊の皆に会って昔みたいに仕事をしていると、昔のみたいな気持ちになっちゃうんですよ」
なるほどな
「キュクルー!」
「あ、フリード、帰ってたんだ」
「フリード。竜種と遊んでたんじゃなかったのか?」
「キュッキュクルー」
・・・未だに分からん
隣のキャロは分かっているようだ
「あー・・・そうですかー」
「如何した? フリードはなんて言ってるんだ?」
「ルーちゃんからの伝言です」
ルーテシアちゃんから?
そう言えばルーテシアちゃんは個人で次元転送が出来たっけ
「なに?」
「皆が寂しがってる。ですって」
「みんな?」
たった二日居ないだけで・・・って仕方ないか
「みんなです」
「はぁーなら仕方ないし早めに帰るか」
「・・・ですね」
明日までと思っていたが仕方ない
自然保護隊にはまた今度遊びに来ると伝えよう
「じゃ、見回り再開するか」
「はい」
◇◇◇◇◇◇
自然保護隊の皆に帰ると伝えると少し渋られたが、理由を言うとアッサリ納得してくれ、おっちゃんは俺と飲む分だった酒をお土産にくれた
家に帰る道中にキャロが何か思い出したらしく六課に向かわないといけないようなので途中で別れる事にした
「やれやれ寂しいね」
目の前の扉を開けたら誰が一番に登場するだろうか
ふとそんな事を思いながら開けてみると・・・
「あきパパ~~!!」
ヴィヴィオが飛びついてきた
そして久しぶりにヴィヴィオの頭突きをくらった気がする
「ヴィヴィオ、はしたないですよ」
「ただいま、イクス」
「お帰りなさいませ、お父様。お疲れですよね? ご飯にします? お風呂にします? それとも・・・私にします?」
・・・懐かしいフレーズだなぁー
「再放送でもあったのか?」
「ドラマは私に人の感情を教えてくれます」
要は気に入ってるらしい
・・・どうせ言うならもう少し感情を込めないと駄目だな
「そっか、趣味を持つのは良い事だよな」
「ええ・・・あとヴィヴィオ、いい加減に離れないと怒りますよ?」
「べ~! はやいものがちだもん」
イクスの行動は速かった
しかしヴィヴィオの行動はイクスの行動を完全に読んでいた
「どーん」
可愛い掛け声と共に押された俺は前のめりに倒れる
え? なんでヴィヴィオに俺を倒せる程の力がある訳? ・・・身体強化って便利だよな
「あっ」
「悪い、イクス」
「にゃはは~ごめんね、イクスおねぇーちゃん。じゃっシロママのてつだいにいってくるね~」
まったくヴィヴィオはなにをしたいのか
「あ、あの・・・退いて・・・あ、退かないで・・・でも恥ずかしいので・・・んん、もったいないです」
「結局どっちだ」
「ふにゃ」
この後、ドラマではこの場合云々と悩んでいたイクスを眺めていたのだが、態勢がそもそも変だったので支えていた手が痺れてイクスを押し潰す形で倒れた
ヴィヴィオがちょっと優勢になってきたかもです