百七十六話~side 雨水~
前回のあらすじ
六課の打ち上げ会→何故か俺の家で→更に追加で人が来て一杯一杯に→雰囲気に酔った隊長二名に捕まる→ルーテシアちゃんの補助でようやく脱出
二人には困ったモノだと一息付くと目の前に虹色の魔方陣が展開される
「ヴィヴィオ?」
まぁこの魔力光はヴィヴィオ以外有り得ないんだが・・・転移かと思って暫らく見ているとバリッと魔方陣が一回歪んだ
「イタッ! いたた~しっぱいしたぁー」
尻餅を付いた状態で現れた
「ヴィヴィオ」
「ん? なになに?」
ヴィヴィオは特にゴミも付いていないが、念の為に払って立ち上がり隣でぴょこぴょことジェスチャーしている小さな人形のウサギに笑いかけている
「即刻出て行け」
「え?! なんでなの! あきパパ!」
「お前が居ると高町一尉が押し掛けて来るからに決まってるだろ」
折角逃げれたのにヴィヴィオが居ないのに気付くと、あの人はどうせすぐに飛んでくる
「なのはママが?」
そう言えば最近変わった事だがヴィヴィオは高町一尉をママと呼ぶようになっていた
だが、シロの事も継続してママだしヴィヴィオの中では如何言う家族図になっているんだろうな
「そうそう、あの人はヴィヴィオ一筋だしな」
「あきパパとあうのをじゃまするなのはママはきらい」
扉の前で大きな音が一回
・・・既に押し掛けようとしていたらしい
「なぁ高町一尉がお前の母親になりたがってるって言うのは話したよな?」
「うん! でも六課が終わるまでは、だめなんだよね?」
それを決めたのは高町一尉の両親らしい
なんでも、事情と経緯を相談しアドバイスを求めたところ
六課の運行期間の間は高町一尉も忙しく、面倒見れないかも知れない。それは、自分勝手で無責任じゃないか。みたいなニュアンスを言われたらしい
・・・本当のところは知らんが
「そうそう、でも今日がその日だしね。高町一尉とは色々話したのか?」
「いっぱいお話したよ?」
「そっか・・・それでヴィヴィオの中では決まってる?」
恐らく今頃扉の前で酔いも冷めて聞いているはず
「決まってるよ」
「そうか、なら高町一尉に一番に教えてやれ」
「んー・・・うん!」
元気の良い返事を聞いたところでヴィヴィオの背中を押して扉の前まで連れて行く
「あきパパ?」
「教えるついでに盗み聞きについて怒ってろ」
「にゃッ!」
扉を開けて此方に倒れそうな高町一尉をヴィヴィオを使って外に押し出して扉を閉めた
◇◇◇◇◇◇
ヴィヴィオを追い出してゆっくり出来ると思ったらまた客がやってきた
「今度はイクスか」
「はい? ああ、先にヴィヴィオが来ていたのですね」
「あ、そうだ。デバイスの方の調子は良好?」
イクスの肩に乗っている鳥を少しだけ可愛くしたようなぬいぐるみに視線を向ける
「ええ、ヴィヴィオのクリス同様で、私のノノも今の所は問題は無さそうです」
「セイクリッドハートに天日鷲神ね。お前らのネーミングセンスは何処から来るんだよ」
まぁ最初道具に名前なんていらないと発言したイクスは大方テレビだろうな
「以前テレビで見た神話語りの中にあった名前です」
やっぱりな
「・・・で? ヴィヴィオの理由は分かったりする?」
「はい、なんでもあの・・・高町・・・まぁ高町なんとかのデバイスを参考にしているとか」
・・・なんとかって幾ら分からなくてもそれは無いだろ
「高町なのは一等空尉な。覚えとけよ、ヴィヴィオ関係で今後も良く会うだろうから」
「はい。面倒な時はヴィヴィオを差し出せば良いのですね?」
「・・・まぁうん」
いっか俺に被害無いし
「では、お先に失礼して眠らせてもらいますね」
「ああ、うん」
うん?
「なんでお前は俺のベットに入っていっているんだ?」
「え? ルシエさんが今日はお父様と寝ても良いと言っていたので」
「いやキャロには言ったけど・・・まだ時間的に早いぞ? 夜空見たりはしないのか?」
「いえ、下も騒がしいですし、今日は止めておきます。それにあとで他の人も来るかも知れないので、先にお父様の隣を取っておかないといけないのです」
何故かやる気なイクス
そう言えば一緒に寝るのは久しぶりなのか?
「ま、いっか。おやすみイクス」
「はい、今日はぐっすり眠れそうな気がします」
この後、眠そうなシロとアギトも俺の部屋に入ってきて予定通りのメンバーで眠りに付いた
ヴィヴィオも原作より早くデバイスを所持しています