前回のあらすじ
イクス達と逸れた→あの二人の組み合わせは珍しいし放置してみる→その間はヴィヴィオと再び対決→観察眼で戦う→すると何かカラクリがあると気付いたヴィヴィオが怒って本気になる→そしてアッサリ負けた
ジャンプをしたり大袈裟に喜ぶヴィヴィオの姿は可愛いんだけどさー
・・・大人モードでは止めて欲しい
「にゃははっ! ヴィヴィオの勝ちだね! いぇ~い!」
「・・・で? 俺はなにをすれば良いんだ?」
「もちろん決まってるよぉー」
くるりと回って大人モードを解除したヴィヴィオは手を差し出す
・・・取り合えず握ってみる
「外でねっ」
引かれるがままにアトラクションから出たヴィヴィオは暫らく歩いて人気の無いところまで俺を引っ張ってベンチに座った
「夜景スポットね・・・そりゃ人が居ない訳だ」
「・・・。」
何故かダンマリのヴィヴィオを無視して近くを見回る
「・・・パパっ!」
「なに?」
「・・・お願いがあります」
「敗者だからね。出来る事なら何でも良いけど?」
俺の言葉で安心したらしい
一回深呼吸をして口を開いた
「授業参観になのはママといっしょに出て!!」
「・・・は?」
「だから!」
「いや、繰り返さなくても良い。ちょっと考える」
「うん」
さてさて、如何しよう
嫌だなぁー
・・・面倒としか言い様が無いお願いだけど、勝ったのはあくまでヴィヴィオだし、何だかんだで行ったような気もするんだよねぇ
「ってあれ? ヴィヴィオが授業参観って事はイクスもそうなのか?」
そんなプリント一枚も見てないぞ?
「ん? あるとは思うけど同じ日かはわかんない」
「そっか」
「ねぇ。行ってくれるの?」
授業参観ね
・・・まぁそれは別に良い
問題は高町一尉だ
何故あの人と一緒に出なくてはいけない・・・しかも授業参観と言う事は他の親御も来ている訳で、色々誤魔化せない
「ならイクスの授業参観にはフェイトさんと行けば有耶無耶に出来るかな?」
高町一尉もフェイトさんもアイドルみたいなモノだし、その二人の夫が同じで平凡一般人なんて誰も信じないだろう
「ねぇねぇ、行くの? 行かないの?」
「よし! 算段は立った! 詳しい計画は後で立てるけど行ってやろう!」
「ホント?! ホントだね! クリスで音声きろく取ってるから、後で無しなんてだめだからね!」
お前、そんな事をする為にデバイスの所持許可を申請した訳じゃないからな?
「やはりヴィヴィオは此処に来ましたか」
「ホントだ! イクスちゃん凄いね!」
ただ単に遭遇した感じの口振りの二人ですがコイツら俺らの後ろの茂みから登場してます
森には入らないで下さいの立て札が目に入らぬかぁー
「高町一尉。大人の貴方が付いて居ながら、なんでそんな所に入ってるんですか」
「え、っと・・・近道?」
近道ですか
「ヴィヴィオ。ちょっとお説教してきて」
「は~い」
「雨水さん?! ヴィヴィオもッ」
「はいはい、なのはママにはパパと同じ話があるからねぇー」
ズルズルと引き摺られて数メートル先でヴィヴィオが腰に手を当てて高町一尉を指差しながら何か言っている
「すみません」
「如何した?」
「ヴィヴィオの話を聞いてしまっていたので」
「別に良いんじゃない? それよりイクスの授業参観っていつなの?」
「・・・ヴィヴィオの一週間後だと思います」
一週間後か
どうせ俺の仕事場は学院で場所は同じなんだから時間を見つけて覗く程度すれば良いよな
「ヴィヴィオは両親揃って来て欲しいって言ってるけど、イクスは如何かな?」
「母親?」
周囲の温度が下がった気がした
「い、イクス?」
「えいっ」
いきなり抱き付く・・・と言っても身長的に腰に手を回すって感じになっている
「ん? これは、なにかな?」
「ヴィヴィオの繋ぐ両手は・・・父と母の為に有るのかも知れません。しかし私はお父様に抱き付くのが精一杯なので、とても母親と手を繋ぐ余裕は有りません」
ふむ、とても分かり易い例えで返事も理解したのだが・・・
「少しは親離れしなさい」
やはり将来的にはイクスも好きな人とかが現れたりするんだから、その時に俺に引っ掛かって上手くそっちに気持ちを出せなかったら困るよな
「・・・秋春様に抱きつくのは気持ち良いです」
「聞いてる?」
んーしかし母親代理作戦は使えないから高町一尉と・・・いや、まぁあの人が下手を打たなければ夫婦には見えないな
よし、いまは遊園地を楽しもう
予定以上に遊園地の話が長引きます・・・そろそろシメないとです