前回のあらすじ
イクスの授業参観→緊張気味→気を張って回りにも影響が出る→イクスが暴挙→怒ると普段のイクスに戻った
恐らく生徒への配慮なのだろう、授業参観後は休日となっていた
そこで休日がてらに久々にルーテシアちゃんに会いにきていた
「第一回! 雨水秋春と!」
「高町ヴィヴィオの!」
「「一般常識を学ぼう!」」
パチパチと一人座るイクスが拍手をする
何故こうなっているかと言うと、先日の際の授業参観で余りにもイクスの言葉使いや行動が気になった
なので、少し物腰を柔らかくさせようと言う事になった
「お父様から教わるのは構いませんが、ヴィヴィオ・・・貴方は、いますぐ家に帰って構いませんよ」
「ふふん! 今日はあきパパに頼まれたんだもんね~」
「・・・そうですか」
一応ヴィヴィオも戦乱期ベルカの王族だから色々参考になるはず
まぁ他にも理由は有るのだが・・・
「さて、まずはイクスには言葉使いを学んでもらおうかな」
「この言葉使いでは駄目なのですか?」
「違う違う、それで良いんだよ。ただ、それを俺以外に出せるかって話」
思案顔のイクスは物の数秒で結論を出してパッと笑顔になった
「無理です!」
「元気に言うな!」
まぁ想定内だ
このくらいなら分かっていた答え
「なら、勝負しよっか」
普通に、それらしく教えても良いのだけど、ルーテシアちゃんとも早く話したいので短時間で効果的な方法を選ばせてもらう
「え? はい?」
「ヴィヴィオが審判ね」
「ヴィヴィオが~?」
「よろしくね」
ヴィヴィオならイクスと一時的に互角に戦えるし、他の人よりは見る目も有る
「で、ですが・・・お父様が私とですか? クイズか何かの頭脳勝負なのですか?」
「おいおい、まさかイクス。お前は、まだまだ未熟な子供が何倍って生きた親に勝てると思ってるのか?」
まぁ実際のところは何倍も生きているのはイクスの方なのだがな
「そ、それは・・・魔法戦ですよね? お父様は魔法は・・・その、なんて言いますか」
「使えなくなったって? その代わりに手に入れた力もあるんだよ」
今頃自分の家で俺らを見ているルーテシアちゃんに合図を送る
同時に紫色の魔法陣が俺の隣に展開された
「アギト様だ!」
「お、久々に調子が戻ってるみたいだな」
「ほわっ! なんだこの状況!」
「ほら、良いから」
驚いているアギトに説明している暇は無いので無理やり手を繋いでリンクしている魔力を意識する
「ユニゾンイン」
今度はアギトが主権では無い
本来の形で有るロードが表に出ている状態でのユニゾン
「秋春様?! 融合騎とのユニゾンは!」
「ああ、大丈夫。この前みたいな失敗は無いから・・・さて、ルールを説明しようか。ヒット一点、クリーンヒット五点、十五分間の模擬戦の間でより点数を稼いだ方の勝ち」
ルールとしては割と一般的で分かりやすいと思う
「・・・。」
「俺が勝ったら、イクスには今後から学院での言葉使いを礼儀正しくして貰うこと」
始めからイクスはキチンとした言葉使いを出来るのだから、それを赤の他人にも出来れば合格だ
「では、私が勝ったら」
「ん? 無欲なイクスのお願いか。気になるね」
最近は少しは、わがままを言うようになったけど他の子に比べたらやっぱり少ない
「私が勝ったら目一杯ぎゅ~ってして下さい」
「・・・イクスは基本それだよね」
「むぅ~手伝うからヴィヴィオにも何かちょうだいよね!」
段々勝っても負けても娘達のお願いは聞く破目になりそうな気がしてきた
「さて、合図をよろしく」
「うん! いくよ~」
「了解」
「問題無しです」
ちなみにイクスはハンデのつもりなのか大人モードにはならずに戦武器も武装せず構えている
俺は片手を懐に入れた状態で後ろに跳ぶ体制で留まる
「レディー・・・ゴォーッ!」
ヴィヴィオの手が元気良く上がった瞬間に俺とイクスは動いた
次回はイクスVS雨水(アギトユニゾンver)
雨水が真面目に戦う予定です。雨水が戦うのは、いつ振りでしょうかね~