前回のあらすじ
アルピーノ家散策→ウェンディちゃんに遭遇→意外と友好的→姉がチンクだけに納得→混浴露天があるらしい→食後にイクス達と来てみるのも良いかも知れない
食後に早速イクスとヴィヴィオを誘ってみた
ちなみに話を聞いていたルーテシアちゃん達は後で合流したいと言っていた
「わぁ~! すっごぉーい!」
「結構造り込んでるよな」
そう言えばヴィヴィオは大きい風呂は初めてだったかな?
「走るなよー」
「は~い」
「泳ぐなよ~」
返事無し
聞いてないな、コレは・・・
「にしても広い」
「家にも造りますか?」
「・・・いや、このサイズは無理かな」
「ヴィヴィオに空間拡張の魔法を使わせれば良いのでは?」
結界魔法の一種だったかな?
それだと常に魔力を消費するから面倒って言うか不便だよな
「それも良いけど面倒だから却下だな」
「それも、そうですね。此処にあるものを使えば良い訳ですし・・・」
イクスは座って俺を待つように此方を見上げる
「洗えと?」
「・・・で、できれば・・・駄目、ですか?」
「ぜんぜん。最早日課レベルだよ、イクスの髪を洗うのなんて」
余り考えた事は無かったが、未だに一人で髪を洗えないイクスは少し周りより子供なのだろうか
・・・髪が長いせいだと考えていたがフェイトさんに聞いてみよう・・・あの人も昔から長いらしいし
イクスには成長遅延が掛かっているとは言え、それなりに髪も伸びてきたな・・・そろそろ切ってもらった方が良いのだろう
「なぁイクス」
「はい、なんですか?」
目をキュッと瞑って泡が入るのを防いでいる
イクスはヴィヴィオと違い、シャンプーハットと言う文明の利器を使う気は無いらしい
「髪切ってみない?」
「・・・。」
無言になった
・・・んーイクスも女の子だし、髪の事はそう簡単には切れないか?
「ま、整える程度の話だよ」
「お父様は」
「ん?」
「お父様は短い方が好みなのですか?」
大雑把に泡を洗い流したところでいきなりイクスが立ち上がって自分で髪を一束ねをした
「ん?」
戦武器の武装
「ちょっと待った!! 美容室! 美容室に行くから、自分では止めような!」
「はい」
そして俺はどちらかと言うと長い方が好きだ
「そしてまたリミッター解いたな!」
「・・・あ」
なんでだろうな
ヴィヴィオのリミッターはこんなに簡単に解けたりしないのに・・・戦武器の武装魔法は既にマリアージュの魔法じゃなくてイクスの魔法になってるのか?
あくまで封印しているのはマリアージュシステムと膨大な魔力だしな
「イクスお姉ちゃんは大胆だよね~」
「ん、次はヴィヴィオか」
「そだよ~、あきパパよろしくねぇ~」
イクスがやってきたヴィヴィオの姿を見る
そして数秒その場にジーッと見詰めると無言で立ち上がって出口に向かい出て行きタオルを持ってすぐに戻ってきた
「ヴィヴィオ、貴方も女と言う面を考慮して身嗜みには気を付けなさい」
意味が分からず首を傾げたヴィヴィオの体にタオルを巻いていく
「イクスお姉ちゃんありがとぉ~」
ああ、うん。そうだよな、女の子らしい恥じらいは欲しいよな
「・・・いえ。ではお父様、先に浸かっておりますのでヴィヴィオはテキトウに済ませてきてくださいね」
「べぇ~。あきパパはちゃんとイクスお姉ちゃんと同じくらいていねいにしてくれるもんね~」
「何を張り合ってるのか」
舌を出してイクスを挑発するヴィヴィオを見てイクスは少しだけ微笑んで露天に浸かりにいった
「・・・イクスお姉ちゃんってはんそくだよね」
「だな、今のはちょっと驚いた」
「ヴィヴィオはものすごくだよ。桶がとんでくるくらいの覚悟はあったのに・・・」
そこまでされる可能性を考えているなら挑発なんて最初からするなよな
「くしゅん・・・あきパパ~さむいからはやくぅ」
「あ、悪い」
今更ながら娘とは言え、女の子の髪を洗うのは結構緊張します
雨水家では雨水の他にシロがイクス達をお風呂に入れています