召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百十五話~side イクス~

素晴らしき秋春様の出身世界の文化

 

露天風呂からあがった後も、色々と召喚士の心使いでお父様やヴィヴィオと一緒に数多く触れて・・・

 

そのどれもが満足させてくれるモノばかりでした

 

 

「二人とも寝たのか」

 

 

和室で布団を敷き川の字で寝ています

 

ちなみにお父様の提案なのですが・・・かなり良いです

 

ふにふにと私が寝ているかの確認の為かお父様は頬を突いた

 

 

「やれやれ、ヴィヴィオは此処まで転がってきたのか」

 

 

うっすらと目を開けてみると、お父様が自分の上に伸し掛かるヴィヴィオを転がしながら退けていた

 

そしてお父様が立ち上がる気配がして襖が開いて閉まった

 

 

「お父様?」

 

 

起きて見回すと姿が無かった

 

お手洗いの可能性が高いとは思うのですが無性に気になってしまい付いて行きたくなってしまった

 

 

「ん? キャロか」

 

「ッ!」

 

 

襖に手を掛けた時にすぐ傍からお父様の声がする

 

なんででしょう?

 

悪いことをした訳でもないのに手が止まる

 

 

「仕事お疲れ」

 

「・・・その様子だと寝てました?」

 

「まぁね、何と無く目が覚めちゃったけどな。ところで何でこっちの部屋の前に? 通り掛かりって訳じゃなさそうだけど」

 

 

ルシエさん

 

お父様に恋心を抱いており、尚且つお父様に最も近い人物・・・私はあの人を見ると意味も無く胸がざわつく

 

秋春様のルシエさんとの時にしか見せないような顔を見ると胸が痛くなる

 

 

「んーなんででしょうかね? 顔が・・・見たかったらとか?」

 

「とか? って聞かれても知らないけどな」

 

「では、秋春の顔が見たかったからです」

 

 

・・・。

 

暫らく他愛も無い話が続くと二人が動き出す

 

 

「少し歩こうか。ルーテシアちゃんのこだわり施設は結構見応えあるってよ。本人談だけど・・・」

 

「ルーちゃん作なら期待度大です」

 

 

どんどん足音が遠ざかる

 

・・・追い掛ける?

 

やはりこのままでは気になってとても眠れる状態では有りませんし、聞いてはいけない話になりそうならばその時に離れれば良い話ですよね

 

 

「ねぇねぇーイクスお姉ちゃん」

 

「ーッ!」

 

「・・・ヴィヴィオだよぉ」

 

 

いつから起きていたのでしょう?

 

 

「な、なんですか」

 

「ううん。ただ、あきパパもイクスお姉ちゃんも布団にいなかったからおきたの」

 

 

眠そうにヴィヴィオは目を摩りふらふらと私に近づいてくる

 

こうしている間にも足音が遠ざかっていくのに、いまにも倒れそうなヴィヴィオから目を離せない

 

見捨てるのは簡単だけど、秋春様なら・・・妹の面倒を見るのも姉の役目だと言って教えて下さるはず

 

 

「ぅぅー・・・はぁ~仕方ないです」

 

「にゃー? イクスお姉ちゃん?」

 

 

きっとお父様はルシエさんと散歩をしながら他愛も無い話で帰ってくるでしょう

 

いまはヴィヴィオの方が・・・ふぅ

 

手を引いて布団まで連れて行って寝かせ、その隣に自分も寝転がる

 

 

「私も寝ますからお父様が帰ってくるまでに寝てしまいなさい」

 

「にゃははぁイクスお姉ちゃんありがとぉー」

 

「・・・思い返してみれば今日の貴方はお礼を言ってばかりですね」

 

「んー? そぉかなぁ? でも・・・まぁ・・・すぅ」

 

 

寝てしまいました

 

まぁ・・・なんだったのでしょうか?

 

 

「それにしてもです」

 

 

お父様が気になって寝れません

 

かと言って離れる訳にもいきません。行き先も分からないので入れ違いになるとお父様が私の事を探さないといけなくなる

 

それだとお父様の睡眠を削ってしまう

 

 

「ヴィヴィオぉー」

 

「にゃう・・・あきぱぱぁ・・・だいしゅきぃ」

 

 

この幸せそうな寝顔には少し腹が立ちます

 

 

「イクスおねえちゃんもぉー」

 

「ヴィヴィオ? 起きてるのですか?」

 

 

寝相が余程悪いのでしょうか

 

私の方に転がってきて抱きつかれてしまった

 

・・・そう言えば先程もお父様に抱きついている様子でしたね

 

 

「いっそ縛って寝かせましょうか」

 

 

しかし捕まった状態では如何する事も出来ませんね

 

・・・目を瞑っていれば眠くなりますか

 

そして暫らくして私もいつの間にかに気を失うように眠っていた




お父さんが居なくなった瞬間に起き始めてしまう娘二名でした

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