召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百十九話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

カリーノちゃんに呼ばれる→イクスの正体を尋ねられる→テキトウに誤魔化し回避→他にも聖王教会内部で不振な動きがあるらしい→ま、聖王教会騎士団団長が自ら動いているらしいから安心していいよな

 

いまの俺は教師な訳で荒事は騎士団か局にでも任せておけば大丈夫だろう

 

 

「あきパパ! 話があるのです!」

 

「お帰りなさい。お父様」

 

 

家に帰った俺を迎えたのはヴィヴィオとイクスだった

 

玄関に居たって事は態々待っていたのか?

 

 

「ただいま、イクス」

 

 

ビシッと指差すヴィヴィオを無視してイクスを撫でて二階に上がる

 

 

「にゃ~! おかえりっ! おかえりっ!」

 

 

つもりだったのだけど、ヴィヴィオが慌てた様子で立ち塞がってピョんピョんと跳ねるので立ち止まった

 

 

「えーっと話だっけ? 取り合えず着替えてからな」

 

「そうじゃない! イクスお姉ちゃんだけズル~い!」

 

「ん?」

 

 

イクスの方を振り向いて問い掛けてみると首を傾げたのでヴィヴィオの方を向き直って首を傾げてみる

 

 

「イクスお姉ちゃんだけ撫でた!」

 

「あーそうだね・・・で?」

 

「わざとだよね! ぜったいわざとだぁ~!」

 

「まぁ話があるんだよな? 急いで着替えてくるからリビングで待ってろ」

 

 

態々話があるって言ってきたって事はそれなりに重要な事なんだろうな

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

さっそく着替えてリビングに急いでみたのだけど

 

 

「ぶぅー」

 

 

さっきの事が相当気に入らないらしくヴィヴィオは不貞腐れていた

 

そんなに気にする事か?

 

 

「で、イクス。話ってなに?」

 

「実はもう直ぐ学院でプールが始まるのですが、学院指定の水着ともう一着、自分の私物を持ってくるように言われたのです」

 

「へ~自分のをね。授業で使うの?」

 

「はい、週の最後のプールの時間は自由な水着で授業を受ける事を許可されているらしいです」

 

 

なるほど、確かにイクスもヴィヴィオも水着は持ってなかったな

 

 

「うんうん、分かった。って事はお金の話かな」

 

「・・・まぁそれもあるのですが」

 

「他にも何かあるのか?」

 

「あの、その・・・私はお父様に選んで欲しい。なんて思っていまして・・・」

 

 

ヴィヴィオが不貞腐れながら縦に頷いている

 

え? ヴィヴィオもなの?

 

お前はそれこそ友達と買いに行くとばかり思っていたんだがな

 

 

「あと一時間もしたら高町一尉が来るだろうから、高町一尉に頼め。あ、軍資金は俺がちゃんと出すから」

 

「高町なのはにですか?」

 

「そうそう。イクスは高町一尉ともう少し親しくなるべきだよ」

 

 

女性物の水着が並ぶ店なんかに入りたくない。と言うのが本音なんだけどね

 

 

「それは・・・そうなのですが・・・」

 

「高町一尉とも無関係ではいられないって分かるだろ?」

 

「はい」

 

「なら、良いね?」

 

「・・・はい」

 

 

よし、イクスは説得完了だな

 

イクスには悪いけど本当にああ言う店って男は浮いて精神的にキツイんだよ

 

 

「そろそろ機嫌直ったかな。ヴィヴィオも同じ内容?」

 

「きげんはなおってないよぉーだ。でも同じぃ」

 

「なら同じ答えで返すけど、ヴィヴィオも高町一尉に選んでもらえ」

 

「ヴィヴィオはべつに良いよぉー・・・ヴィヴィオはね~」

 

 

チラチラとイクスを確認する様に見ながら話すヴィヴィオの含みの有る言葉には気になるが、二人とも納得したし後は高町一尉の予定が空いている事を祈るだけだな




イクスは未だになのはさんとの距離間を図りかねています

他人扱いでは無いんですけどね

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