召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百二十九話~side 雨水~

前回あらすじ

 

お見舞いにチンクが来る→違法ベルカに注意するように伝える→話しながらリンゴを剥いていてくれたみたい→何故か、うさぎの形に→遅れてイクスがお見舞い→この馬鹿娘には教育が必要だと知った

 

病院の面会時間が終わって質素な夕食後

 

本を読みながら眠気が来るのを待っていると扉が鳴る

 

 

「どうぞー」

 

 

こんな時間に誰だ? 医務官は昼の内に来ているよな

 

 

「雨水さん」

 

「た、高町一尉?」

 

 

ヴィヴィオは居ませんよ?

 

 

「怪我は平気ですか?」

 

「まぁ医務官が優秀ですから痛みはだいぶマシですよ」

 

「そうなんだ」

 

 

何か無駄に高そうな果物の詰め合わせをベット脇のテーブルに置いて丸い椅子に座った

 

あれ? さっきも思ったのだが、そう言えば一般の面会時間は終わったよな?

 

まぁ局の病院だから高町一尉の融通が利いてもおかしくないけどさ

 

 

「・・・あの、なにか俺に用事でも?」

 

「フェイトちゃんがね」

 

「フェイトさんが如何かしました?」

 

「フェイトちゃんが・・・自分がもっと確りしていたら、雨水さんが襲われたり。怪我したり、しなかったんじゃって。ね?」

 

 

・・・あー優し過ぎる性格のあの人らしい

 

確かにフェイトさんと話した直ぐではあったし、現場も近かったけど、あれだけ高度な結界などを考えると仕方ないと思う

 

 

「気にしないで下さいって伝えておいて下さい」

 

「・・・。」

 

「ん? 表情が優れませんよ?」

 

 

フェイトさんのこと以外にも何か話しがあるのかな

 

真剣な話をするには少し眠気があって雰囲気壊しそうで怖いんだが・・・

 

 

「・・・雨水さん・・・その、雨水さんが知っていて私が知らないヴィヴィオの秘密ってあります?」

 

「は?」

 

 

ヴィヴィオの秘密?

 

ヴィヴィオとなにかあったのか・・・それともイクスになにか言われたのか・・・

 

 

「まぁありますよ? 逆に高町一尉が知っていて、俺が知らないヴィヴィオの秘密もあるでしょうから」

 

「そうじゃなくて・・・イクスちゃんや雨水さんが知ってて・・・ヴィヴィオが絶対知られたくないような」

 

 

ヴィヴィオが絶対知られたくない記憶ねぇ

 

大方戦乱期の記憶だろうな

 

別にヴィヴィオ本人の記憶では無いが、オリヴィエの記憶は、ヴィヴィオにとってヴィヴィオを作った大切な記憶

 

・・・しかしその中には小さな子が背負うには余りに過酷な内容も有る

 

 

「そうですね・・・知っての通りヴィヴィオは聖王のクローンです」

 

「う、うん」

 

「もちろん、ヴィヴィオは聖王の記憶を丸々欠ける事なく受け継いでいます」

 

「・・・。」

 

「ヴィヴィオって人格がなければ正にオリヴィエの生まれ変わりとなったくらいにですね」

 

 

ホント、最初の頃にある程度、封印されていたおかげで、先にヴィヴィオと言う人格が形成され、ヴィヴィオとオリヴィエの記憶が別のモノだって本人も意識できたのだろう

 

 

「それで・・・なんで、それは言えない記憶なんですか?」

 

「んー本人が知られたくないのなら詳しくは言えませんが、オリヴィエは戦乱の時の王様だったって事くらいですか・・・イクスにも同じ事が言えるんですけどね」

 

「・・・。」

 

 

そしてオリヴィエは戦場で武技最強と言われた程の王

 

ってか大体ゆりかごで築いた死体も数え切れない数だろう

 

・・・ヴィヴィオもそんな血みどろを高町一尉に言える訳ないよな




ヴィヴィオらしい一面をなのはさん
オリヴィエらしい一面を雨水

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