召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百三十二話~side キャロ~

違法ベルカによって重傷と判断された秋春

 

優秀な医務官はもちろん、ヴィヴィオやわたしの治癒魔法もあって大分回復したと思う

 

そんな秋春からヴィヴィオの様子を見ていて欲しいと連絡が入っていたので仕事を早く切り上げて家に帰った

 

 

「居ない、か・・・秋春の嫌な予感は当たったのかな」

 

 

帰ってみるとイクスちゃんとヴィヴィオがおらず、アギトに話を聞くとイクスちゃんが来客に対応しにいって急変して家を出た事は分かった

 

時間も既に夜更けだったのでフリードで空から探していると慌てて走る人影を発見する

 

 

「あれ? なのはさん?」

 

 

あ、来客ってなのはさんだったんだ

 

 

「あっヴィヴィオ、上だよ」

 

 

上を見上げる二人はとても驚いている

 

 

「キャロ・・・その子ってフリード?」

 

「はい? フリードですけど?」

 

 

なのはさんが口をパクパクさせて何か言いたそうにしていた

 

 

「フリード成長しすぎだよっ! ヴィヴィオが前にあった時はもっとちがった!」

 

「そうですか?」

 

 

確かに最近は成長期もあって、大きくなってる

 

でも驚く程に大きくなってるのかな?

 

いつも一緒だから分かんない

 

 

「まぁそれより。イクスちゃんは何処ですか?」

 

「あ、いま探してたんだけど、ノノだけしか居なくて」

 

 

なのはさんの指を辿った先の電柱にノノがとまっている

 

・・・同じ方向だけを見てる

 

 

「なのはさん。たぶんノノの向いている方向に居ると思いますよ」

 

「方向? ・・・あっ」

 

 

なのはさんも気づいたようで、目の色を変える

 

 

「キャロお姉ちゃん! ちょっと降りてきて~」

 

「ん? 良いよ」

 

「よいしょっ」

 

 

ヴィヴィオがフリードに乗って私の腰を掴む

 

・・・ん?

 

 

「さぁ! 行こっ!」

 

「え? ヴィヴィオも行くの? 危ないよ?」

 

「大丈夫! 聖王の鎧はあんな似非ベルカに負けたりなんかしないよっ」

 

 

その鎧もいまはリミッターのせいで使えないんじゃ・・・

 

連れて行った方が良いのか考えているとなのはさんもフリードに乗った

 

 

「キャロ、ヴィヴィオは私が守るから大丈夫」

 

 

・・・もうっ如何なっても知りませんからね

 

正直二人を連れて行っても、被害の拡大にしかならないような気もしたけど、二人の真っ直ぐな瞳に駄目なんて言えなかった

 

一応フェイトさんに連絡しましたけどね

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

辿った先の森には明らかに何かの研究所らしき建物があった

 

それにはもちろん驚いたのだけど、それよりもっと驚いたのは・・・

 

 

「「うっ」」

 

「・・・。」

 

 

独特の血の臭いが周囲を満たしていて、わたしとなのはさんは咽返る

 

フリードから降りて一番最初に歩き始めたのはヴィヴィオ

 

 

「この先にイクスお姉ちゃんが・・・」

 

「フリード、ここで待ってフェイトさんと一緒に来てね」

 

 

怪我人一人見当たらないのに臭いだけ相変わらず充満する道を歩く

 

なのはさんは気分が悪そうな表情をしている

 

たぶんわたしもそうなんだろうな

 

 

「ふざけんな!」

 

 

突然聞こえてきた男の怒号にわたし達は急ぐ

 

そして大きな広間についた

 

 

「結局残ったのは貴方の二名ですが」

 

「テメェ、仲間を何処にやった」

 

「答える必要があるのですか? まぁ知りたいのなら・・・すぐにでも」

 

 

戦刀と西洋剣が火花を散らす

 

更には見たこともない魔法がイクスちゃんを襲うけれど全て薙ぎ払われていた

 

 

「イクスお姉ちゃん!」

 

「意外と速かったですね。ヴィヴィオ」

 

「・・・その人が?」

 

「ええ、そうです。コレがお父様を傷付けた男です。後ろに控えるのは、指示したモノらしいですが・・・」

 

 

男の人の後ろに赤くラインの入った手袋を嵌めた少女が男とは違って余裕の表情で立っていた

 

・・・あの子が秋春を

 

 

「ちょっと待て! そこの! 高町なのは一等空尉だよな?! 局員なら、俺らを捕まえてくれ! 抵抗はしない!」

 

「なのはママ」

 

「如何します? なのはさん」

 

「ふぇ?! む、無理無理! 私に選べない!」

 

 

犯罪者を捕らえる

 

それ自体は別に良いんだけど、その場合は怒っているイクスちゃんやヴィヴィオを止めないといけない

 

 

「仕方有りません。なのはさん、手伝って下さい」

 

「え? 如何するの? キャロ」

 

 

ヴィヴィオが秋春を襲うように指示した少女を睨んでいる内に作戦を伝える

 

 

「了解」

 

「じゃっいきますよ」

 

 

大切な家族を犯罪者になんかさせない




違法ベルカと実年齢幼女は生き残れるか

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