召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百三十三話~side キャロ~

違法と王族と未知と召喚と魔導

 

いまこの場にいる最強クラスを言葉で言い表すとそんな感じだと思う

 

 

「アルケミックチェーン!」

 

「レストリクトロック!」

 

 

イクスちゃんとヴィヴィオを止める作戦その一

 

取り合えず全力で拘束

 

違法ベルカに敵意が無いのは、少し前の発言で分かっている

 

なので、二人を拘束して動けなくしたところで、違法ベルカと決着を付ける

 

 

「上手くいくかな?」

 

「いかなかったら秋春に連絡します」

 

 

イクスちゃんは鎖もバインドも単に面倒が増えただけの様子で戦刀を振り回している

 

対してヴィヴィオは驚いた隙に拘束された

 

 

「まずはヴィヴィオ」

 

「にゃっ?! なになに! 相手まちがえてるよぉ!」

 

「それにしてもイクスちゃんはどんな妨害があっても違法ベルカ一直線だね」

 

「・・・イクスちゃんを鍛えているのって雨水さんだったよね? なにしてるのかな?」

 

 

言われてみれば家でイクスちゃんが何か魔法の練習とかをしている姿は余り見ない

 

天性のモノなのかも知れないけど、ルーちゃんの話では冥王そのものは、何の戦闘力も持たない少女だって話だったよね?

 

 

「ヴィヴィオ、イクスちゃんを止める方法って知ってる?」

 

「ぶぅー・・・知らない」

 

「秋春にだいたいヴィヴィオのせいって言っちゃうね」

 

「キャロお姉ちゃん、ごめんなさい! ・・・たぶんイクスお姉ちゃんはあきパパの話しか聞かないよ?」

 

 

やっぱりヴィヴィオもイクスちゃんも秋春か

 

この時間は秋春寝てないよね?

 

前に夜遅くのいつもなら起きている時間に、病院に行ったけど秋春ぐっすりだったもん

 

あんな事しても起きなかったし・・・起きてたら困るけど

 

 

「よし」

 

 

大型モニターの展開は少し時間が掛かるけど、あの違法ベルカなら時間稼ぎになる

 

まぁ殺られたら、その時だから別に良いけどね

 

 

「はぁーふぁ~・・・もしもし?」

 

 

音声通信と勘違いしているのか凄く眠そうな秋春が覗き込んでいる

 

 

「隙ができた! なのはさん! 違法ベルカをお願いします!」

 

「うん! レストリクトロック!」

 

「アルケミックチェーン!」

 

 

違法ベルカとその親玉は桜色のバインドに拘束される

 

そしてイクスちゃんには念を入れて何十にも重ねて鎖を巻いておく

 

 

「ん? これ、映像通信か・・・イクス、なんだその格好」

 

「お、お父様・・・これは・・・」

 

「あのな? その子供ボディで鎖を巻かれても・・・数年早い」

 

「はい? どう言う意味で・・・」

 

 

ブチッとモニターが消える

 

当然自然と消えた訳では無い

 

私が消した

 

 

「秋春ぅぅ」

 

 

あの人は子供になんて事を言うんでしょうか、説教です

 

秋春への説教を考えていると今度は秋春から掛かってきた

 

 

「おーよく見たら勢揃い」

 

「やぁ雨水君。見事雨水勢力に捕まったみたいだよ」

 

「俺はそんな妙な勢力を立ち上げた覚えは無いぞ」

 

 

あれ? 秋春が妙に親しげ・・・

 

 

「秋春」

 

「ん? なに? キャロ」

 

「なんで秋春は犯罪者さんと親しげなのかな? もしかして局員のわたしに喧嘩売ってる?」

 

「キャロ? なんか怖いよ?」

 

 

気分悪いです

 

なんで女の子となると、みんなが秋春と知り合いなのかな?

 

 

「ククッまたお客さんみたいだ」

 

 

違法ベルカの親玉がそう言うと雷が降ってきて研究所に開いた穴からフリードが降りてきた

 

雷のせいでモニターが壊れました

 

 

「時空管理局執務官フェイト・テスタロッサ・ハラオウン! 貴方を違法ベルカ事件、首謀者として逮捕したいと思います! 違法研究者ウル!」

 

 

フェイトさんが事務的に自己を紹介し相手の名を呼ぶ

 

・・・しかし誰一人反応しない

 

 

「・・・あくまで抵抗するか」

 

「ねぇフェイトちゃん」

 

「なのは?! あ、そっか。ヴィヴィオも居るから居て当然だよね」

 

「う、うん。ねぇウルって、誰?」

 

「ククッボクも気になるね。Fの遺産。キミは一体この場の誰を呼んだんだい?」

 

 

フェイトさんは鋭く違法ベルカの親玉を睨む

 

 

「え? ・・・ボクの名前かい? ボクに名前があったのかい?」

 

「知らばっくれるな! お前の生みの親。ジェイル・スカリエッティが証言した!」

 

 

ジェイル・スカリエッティ

 

機動六課時代の最も大きな事件の首謀者

 

 

「・・・そっか・・・ボクにも・・・父上がボクに・・・」

 

 

違法ベルカの親玉ことウルは何か悟ったように目を閉じて小さく笑う

 

 

「諦めた。キミ達の勝ちだ。外でコソコソしている子達も目を瞑ろう、違法ベルカもこれ以上は生み出さない」

 

 

外?

 

誰だろう? フェイトさんが呼んだ協力者かな?

 

 

「さぁボサッとしている暇は無いよ」

 

「・・・。」

 

 

おかしい

 

同じく捕まっている違法ベルカの男はかなり嫌そうな表情なのに、首謀者ウルの方はここまで追い詰められて余裕の笑み

 

 

「警戒しなくても不思議な事をする訳じゃない。ただ、違法ベルカを生み出さないと決めたので、この施設を放棄しただけだよ」

 

 

その言葉の直後に警報のような音が鳴り響く

 

そして・・・施設を爆破するので速やかにお逃げ下さいと言った内容の放送が流れた




みんな纏めて無理心中

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