召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百三十六話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

そろそろ退院できるらしい→エリオとエリシアが見舞いにきた→いちゃいちゃいちゃいちゃ→外の待ち人へ→相変わらず余裕たっぷりウルちゃん→クローンでなくオリジナルらしい→スカリエッティに直接話しを聞く為に拘置所へ

 

第九無人世界のグリューエン軌道拘置所第1監房

 

スカリエッティは面会の場に楽しそうにしそうに笑いながら現れた

 

 

「ククッ、この組み合わせは予想していなかった訳じゃないが・・・実に興味深い」

 

「父上」

 

 

ウルちゃんは、此処に来るまでに見せていた余裕たっぷりな表情を消していた

 

念願の父親に会えて余裕も持てないか

 

 

「雨水君」

 

「ん? なんだ?」

 

 

せっかくの親子の再会に水を差すまいと黙っていた俺の気遣いを察して欲しい

 

 

「キミの目から見てUrdの遺産はどうだい?」

 

「可愛い少女」

 

「・・・さて、質問を変えよう。ロストロギアの鑑定を可能としたキミの目から見てどう思う?」

 

「そうだな。ハッキリ言って、ジェイル・スカリエッティの作品としては価値が低いな」

 

 

スカリエッティは納得したように頷いて、ウルちゃんは瞳を揺らす

 

失敗作

 

ウルちゃんは実験上で好成績を残せず切り捨てられたことも分かっているのか

 

この様子だとウルちゃんは相当色々調べたみたいだな

 

 

「やはり遺伝の割合が低いと? 調整段階では、内部臓器まで弄くってみたのだが・・・」

 

「違うな」

 

「ん? 違う? 興味深いね、続けてくれて構わないよ」

 

「お前の因子が強すぎる。子は子であって親と同一存在では無い・・・そもそもなんで、あの段階で成長を止めたのか謎なんだけど?」

 

「ふむ、アレは段階的に最盛期なのだよ」

 

 

そして一度顎に手を当て考えたスカリエッティは答えを出したのか縦に頷いた

 

 

「だが・・・そうだね。どちらにしても失敗、私は自身のクローンを作ると言う別案に切り替えた」

 

「・・・ウルちゃんはそこで失敗作の烙印を押された訳か」

 

「まぁね。元々遊び半分であったせいもあって、最後の方には興味も殆ど無かったからね」

 

 

本人の目の前で平然と言ってのける辺りが色々凄いよな

 

 

「・・・一つ気になるんだが?」

 

「幾らでも聞いてくれて構わないよ」

 

「ウーノはどう言う反応だったんだ? 聞いた話ではウーノは母体、ようは母親となるんだろ?」

 

「おや? その情報は・・・ああ、あのデータも消えてなかったかい。管理局の情報管理は杜撰だね」

 

 

犯罪者に嫌な指摘をされた

 

 

「ふむ、確かにウーノにはUrdの実験の際に、母体となってもらったが・・・だからと言ってウーノがUrdの遺産に特別な感情を抱いたりはしないよ」

 

「根拠は?」

 

「それが彼女だからと言って分かってもらえるかい?」

 

 

分かるか分からないかで聞かれると分からない

 

が、少なくともスカリエッティに異を唱えなかったは事実か

 

 

「あ、あの」

 

「ところで雨水君。チンクは元気かい?」

 

 

見事なまでにウルちゃんは無視された

 

 

「ああ、妹達と割と楽しく生活してるよ」

 

「あの、父上」

 

「おや? チンクはキミのところで生活していると聞いたが」

 

「聞いた? チンクにか?」

 

「そうだが? 以前、違法ベルカについて聞かれた時にね」

 

「へぇー」

 

 

隣でぷるぷると震えていたウルちゃんがとうとう立ち上がって目の前の板を叩いた

 

 

「父上!」

 

「キミの言いたい事は検討が付くから興味が無いのだがね」

 

「父上! ・・・その、ボクは、父上の残した研究を成功させましたよ?! 移植ベルカ! 凄いですよね?!」

 

 

あ、違法ベルカって本当は移植ベルカって言うのか

 

叫ぶウルちゃんは痛々しいと思った

 

失敗作の烙印はそれだけ重いって事なんだろうね

 

 

「成功? あれが? やはりキミは如何し様も無い。Urdの遺産、キミはアレを作る際に、拒絶反応を気にして、騎士級にも満たないモノの才能を移植したね? 一流の科学者なら、材料、つまりは素体にも気を使うべきと思うよ。ま、予想ではあるが、騎士級の才能に耐えれた人間は一人か二人じゃないのかい?」

 

「・・・。」

 

 

ああ、ベルカの割りに妙に弱いと思ったらそれが原因か

 

そして最後の俺を襲った男が騎士級って訳だな

 

 

「とは、言え。確かに私の想定内では良い結果だ。失敗作の割りには頑張ったものだね」

 

 

照れ隠しでも嫌味でも無い

 

スカリエッティは本気でそう思っているだけらしい

 

 

「・・・父上・・・ボクは・・・ボクが父上の認める娘になるには如何すれば良いの?」

 

「私に聞かれても困るのだが・・・まぁ策なんて無いだろうね。キミの存在が既に失敗な訳だから」

 

「・・・。」

 

 

我慢できなくなったのか泣いて外に出て行ってしまった

 

 

「ウルちゃんは一応裁判中の身なんだけどなぁ」

 

 

監視役の俺から逃走して良いのかな?

 

 

「ククッ、気にするのはそこかい? それに終始私を攻める気配は無かったね。Fの遺産なら怒り狂う言葉にも関わらずだ」

 

「お前の言葉には別に悪意がある訳じゃないからな・・・それならウルちゃんにも救いがある」

 

「ん? ・・・ああ、そうか。キミは教育者だったね・・・ククッ、楽しみだ」

 

 

失敗作と親に言われて落ち込んでいる子が居るなら、俺が教えて親を見返してやれば良いだけの話

 

・・・それは俺の専門分野だ




文句を言うつもりが終始スカさんのペース
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