召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百四十話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

泳ぎで勝負→親子対決→ヴィヴィオの決めたルールはゆったりした競技になり楽しく話す→ヴィヴィオと高町一尉組がリード→ちょっと騙す→見事ヴィヴィオ達は騙され混乱→俺とイクス組が勝利

 

一回勝負をして気が済んだのかイクスとヴィヴィオは普通に仲良く遊んでいた

 

ちなみに高町一尉もその輪に加わっている

 

 

「子供は元気だなー」

 

 

病院での生活が原因なのか体力が、かなり落ちている事を実感した

 

ボーっとしているとイクスが目の前に立っていた

 

 

「お父様」

 

「ん? あー気にしないで遊んでおいで」

 

「あ、はい。いえ、いまヴィヴィオは高町なのはと飲み物を買いに行っているので、休憩なんです」

 

「そっか、ならゆっくり休まないとな」

 

「はい」

 

 

椅子に寝転がっている俺の上にイクスが座る

 

せっかく乾いてきていたのにイクスが乗ったせいで濡れてしまった

 

 

「隣の席が空いているぞ」

 

「ですね」

 

 

移動は・・・しないよね

 

別に重さは気にならないけど濡れた髪が顔に当たる

 

 

「あー! イクスお姉ちゃん抜けがけズルい!」

 

「雨水さん、退院おめでとう」

 

 

高町一尉と飲み物を買いに行ったヴィヴィオがフェイトさんと帰ってきた

 

 

「あれ? 高町一尉は?」

 

「ん? なのはママなら、ちょぉぉーっと用事だよっ」

 

 

聞かない方が良い類らしいな

 

 

「雨水さん」

 

「ん? なんですか?」

 

「退院直後でプールって平気なんですか?」

 

 

・・・イクスとヴィヴィオの気配が変わった

 

フェイトさんも二人の雰囲気の変化に気付いたのかオロオロしている

 

 

「傷は塞がってるし問題無いですよ」

 

「お父様、本当に平気なのですね?」

 

「心配し過ぎ。それに本当に痛かったら家でごろごろしてるよ」

 

「じゃっ! たのしもぉー!」

 

 

暗い雰囲気をヴィヴィオの元気な声が吹き飛ばしてくれた

 

フェイトさんもそれに合わせて元気良く上に羽織っていたパーカーを脱いだ

 

 

「・・・。」

 

「あー! あきパパがフェイトさんの胸みてる!」

 

「えっ?! あ、その、う、雨水さん?」

 

 

顔を真っ赤にしてフェイトさんは恥ずかしそうにサッとパーカーを羽織り直した

 

仕方ないんです!

 

子育てとかしてますけど彼女も居ない男性なんです!

 

 

「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。お父様を誑かすのは止めて下さい」

 

「私が悪いの?!」

 

「確かに色んな意味でフェイトさんが・・・」

 

 

いっそイクスの勢いに乗って適当に言い逃れしようかと思っていたのだが、フェイトさんが端末を取り出した事で状況が一気に変わった

 

 

「あ、もしもし? キャロ? ちょっと話が・・・」

 

 

音声通信の相手はキャロ

 

 

「ごめんなさい!!」

 

「ミッドの屋内プールなんだけど」

 

「キャロ?! いますぐ帰るからお前が来た時には居ないからな!」

 

 

現在地を伝えるフェイトさんの行動には流石に焦る

 

三日は家に帰りたくない

 

いまの経緯を聞けば絶対キャロは怒る

 

 

「イクス! ヴィヴィオ! 帰るぞ!」

 

「すぐですか?」

 

「えぇーもっとあそぶぅ!」

 

 

まだまだ遊びたいらしい

 

こうなったら俺一人で帰ろう

 

 

「ちょっとトイレ行ってくる!」

 

 

椅子から立ち上がって出口に走ろうと思うと紫色の魔法陣が目の前に展開されていく

 

それが誰の魔法で、一体何の魔法か俺は観察眼無しに理解できた

 

なので即座に身の安全の為に、その場凌ぎと知ってなお、切り返してプールに飛び込んだ




雨水のことはキャロに一報

何と無く六課ではこんな構図が出来てそうです

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