前回のあらすじ
プール終了→仕事の有るキャロを送る→時間が有ったのでキャロには寝ていてもらう→着いたので降りてキャロの様子を見てみると涎を垂らして寝ていた→恥ずかしい様子
涎を垂らす程に疲れるくらいだからな、帰ったらすぐにゆっくり出来るようにしておくか
「ん? なにやってんだ?」
家の前で数名の影が言い合いをしているように見える
近づいてみると、イクスとヴィヴィオが、玄関の前で両手を広げて客を進入させないようにしていた
まぁあの人達を客にして良いのか謎だが
「お客さん?」
「あきパパおかえり~!」
「お父様、お帰りなさい」
お客さんの方は苦笑をしながら娘達二名を如何にかして欲しそうにしていた
「陛下。ですから、先程も申しましたように」
「しらないしらない! いくらあきパパに会えたのが貴方たちのおかげでも、その子はだめなの!」
ヴィヴィオはナンバーズらしき人物の背中を押して帰そうとしている
・・・って言うか、あのナンバーズがなんで此処に居る
「ウーノ女史。脱獄ですか?」
「あら? 失礼ですね。これでも珍しく法に則って来ているわ」
そうだな
お前らが法を気にするなんて珍しいよ
「ウルちゃんも久しぶり」
「やぁ雨水君」
玄関先を守っていた二人が俺の目の前に来て同じ様に両手を広げた
守っているつもりなのな
「裁判は?」
「終わったよ。ボクが、自身が罪を認めているおかげか結果が早くてね」
「で? ウーノ女史が一緒な理由も教えてくれるんだろうな?」
「もちろん」
未成年犯罪者に一般家庭での家族の触れ合いを通して更生を促す
そう言った仕組みがミッドには存在する
フェイトさんが短い期間でよく預かったりしているので、知り過ぎているくらい知っている
「と、言う訳でボクは家族ごっこをしないといけないらしい」
「なるほどねぇー。確かにその結果は納得出来るんだが・・・結局ウーノ女史が居る理由が分かんねぇよ」
「合法的に出てきてますから安心してください。管理局は甘いですから、産みの親と言えばあっさりでした。理由ですが・・・まぁドクターからのメッセージを伝えるためです」
「スカリエッティから?」
ウーノ女史は端末を取り出して映像を再生し始めた
映し出されたのは予想はしていたけどスカリエッティ
「やぁ! 雨水君! まずは、こんな形での会話になってしまってすまないと謝ろう!」
「・・・謝る気ないだろ」
しかもなんでハイテンションなんだよ
「キミは私の下を訪れた時にUrdの遺産に見込みが有るみたいな事を言っていたね! そうだね、今までのキミの築き上げた成果を見るとワクワクするよ!」
「ウーノ女史。コイツは何を言ってるんだ?」
「貴方にウルを預けると楽しそうだから預けると言っているみたいですよ」
「もう私はそれに興味は無いからね、改良でも改悪でもキミの好きな様に調教するといい! ただ偶には報告をくれると嬉しいかな。キミがその失敗作を成功作に変えられると言うなら、それは私の理論が間違っている事に他ならないからね!」
視線をウルちゃんに向けるとウーノ女史と何かしている
・・・ウーノ女史はお遣いって訳か
「しかしこんな裏技みたいな方法で俺の所に持ってくるとは」
「ああ、それなら心配いらないよ!」
「うわぁ返事返した」
記録映像だよな?
「ウルは失敗作でも世間では通用するレベルだからね。入局を条件に有る程度の自由が利いたよ」
「局は基本的に人材不足だもんな」
「あ、餞別と言ってはなんだが、ウーノに面白いモノを持たせてみたよ。それじゃあ、チンクや他の子達に宜しく伝えてもらおうかな・・・では、またいずれ会う機会に」
映像再生が終わりモニターが暗くなった
「さて、此方も準備が終わりました」
「ん? そういやさっきから・・・」
メイド姿のウルちゃん
「似合わねぇ」
「そろそろ時間かしらね。はい、これドクターから」
ウーノ女史は事務的にテキパキと渡す物を渡して置いていく者は置いていった
「あきパパ」
「お父様」
話の流れに置いてけぼりにされていたイクスとヴィヴィオがウルちゃんを見ながら俺の両袖を引っ張る
決めないといけない訳か
「仕方ない。教え導くのがいまの本職だしな」
「雨水君・・・じゃなかった。ボクの立場からだとこれは少し駄目だね、言い換えよう。これからお願いします、ご主人様」
似合わない
と、思いながらウルちゃんを家族に向かい入れる事にした
雨水家メイドに就任