召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百四十四話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

帰宅→娘二人がブロック→再びウルちゃんと再会→合法で出てきたウーノからスカリエッティの伝言→いまいち内容が掴めない→メイド姿のウルちゃん→似合わない

 

娘二人の纏う雰囲気が最悪なのだけど・・・最悪というか刺々しい

 

どうやって仲良くさせようか考えておかないとな

 

 

「これはウルちゃんのデータか」

 

 

スカリエッティの渡した面白いモノとは数々の実験データだった

 

これは興味深い

 

無限書庫にも無い知識だ

 

 

「これで失敗ねぇ。流石と言うべきか成功作のラインが高いなぁ、完璧主義者か?」

 

 

あ、ヴィヴィオのデータ発見

 

 

「へぇ俺の知らない事も結構あるな」

 

 

やっぱり聖王の鎧の消費魔力量は大きいな

 

ジュエルシードは並みの魔力保存量では無いけど、レリックに比べると・・・少ない

 

考えていると扉が鳴る

 

 

「どうぞ」

 

「いま、良いですか? お父様」

 

「良いよ」

 

 

色んなデータを表示していたモニターを消してイクスと対面する

 

思い詰めている。のかな

 

 

「お父様」

 

「なに?」

 

「考え、直しては・・・くれませんか?」

 

 

考え直す? ・・・まぁ大方ウルちゃんの事だよな

 

タイミング的に考えてそれくらいしか思い当たるふしはない

 

 

「ウルちゃんの事?」

 

「はい。やはり違法ベルカの時の事を考えると、アレを置いておくのは危険です」

 

「ふぅん、珍しく反対意見だ」

 

 

イクスはビクリッと俯いて肩を震わせる

 

いや、俺としてはそれはそれで嬉しいんだけどね? イクスは余り俺には自分の意見と通さないから

 

 

「お父様の判断に意見は有りません。その行いは正しいと思いますし、世間から見ても善行だと断言します・・・ですが・・・」

 

「親に認められたい。これってどう思う?」

 

「え? あ、あの、お父様?」

 

 

突然の質問に困惑したが、顔を上げて俺の真剣な表情を見て直ぐに答えを導き出す

 

 

「悪い事ではないです。私もお父様に娘と認められた時は嬉しかったですし、ヴィヴィオも同じだったと思います」

 

 

ふんわりとした笑顔でイクスは答える

 

 

「だよね。だったらウルちゃんは意外と良い子だと思わない?」

 

「え?」

 

「ウルちゃんの現時点の目標は父親であるスカリエッティに自分を認めさせる事なんだよ・・・俺はその手助け」

 

 

イクスの表情が変わる

 

・・・驚きと言うよりは悲しみ

 

 

「それは・・・ヴィヴィオと話してきます」

 

「うん、よろしく」

 

 

俺から説明するよりはそれが良いのかな

 

出て行こうとしたイクスは、ふと足を止める

 

 

「お父様」

 

「ん?」

 

「私はお父様の娘ですよね?」

 

「いきなり何を・・・」

 

 

ああ、さっきの悲しそうな顔はウルちゃんを自分に重ねたのかな

 

もしもウルちゃんと同じように自分が娘と認められてなかったら・・・そんな可能性

 

 

「ああ、当然。イクスは俺の自慢の娘だよ。ヴィヴィオもだけどね」

 

「・・・はい。私も秋春様は私の自慢のお父様と思っています」

 

 

出て行った

 

ヴィヴィオも分かってくれると良いんだがな

 

 

「ヴィヴィオはイクス以上に黒い時があるからなぁー」

 

 

イクスは表情に出易い子だから一発で分かるが、ヴィヴィオは笑顔で大概は隠せるから分かり難い

 

言ってしまえば王様と読みあいをしようって言うのが無謀なんだけどね




ウルが受け入れられる日は案外早いかもです

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