召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百四十六話~side イクス~

ウルちゃんは意外と良い子

 

それがお父様がアレに下した判断でした

 

もちろん。尊敬し、敬愛し、愛する、お父様の言う事に疑いは掛けません

 

きっと良い子なのでしょう

 

 

「ヴィヴィオ、入りますよ」

 

 

ヴィヴィオは返事をしたのかも知れない

 

してないのかも知れない

 

取り合えず私はノックをして直ぐに部屋の扉を開けた

 

 

「ノックのいみが無いよぉー」

 

「知りません」

 

「もぉー・・・なに?」

 

 

いつもの笑顔。に、見えるけれどこれは作りですね

 

 

「ウルについて、お父様と話してきました」

 

「あまり聞きたくないなぁ」

 

「聞け」

 

 

お父様の話です

 

貴方に聞かないなんて選択肢は最初から存在しません

 

 

「お父様はウルを良い子と判断したました」

 

「・・・にゃはは、優しいな」

 

「そうですね。しかし、私にも思うところはあります。が、ウルの現在目標は父親に認められる事だそうです」

 

「・・・。」

 

 

やはりヴィヴィオも昔の事を思い出しているようですね

 

父親の事を出されると私もヴィヴィオも弱い所があるのは確かです

 

 

「仲良く。と言うのは流石に無理かと思いますが・・・」

 

 

シロやルシエさんは案外簡単に受け入れてしまうような気もしますね

 

 

「そうだね。うん、いきなりはヴィヴィオもむりだと思う」

 

「徐々に。ですね」

 

「そうだねぇ~」

 

 

完全に納得している様子では有りませんが徐々に慣れていくしかないですよね

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

夕食は手伝い程度らしいですがウルが作った物が出てきた

 

料理に関しては私があれこれ言える事では無いので普通に美味しい物だったと評価します

 

 

「お父様!」

 

「わ~い! あきパパとのおふろひさしぶりっ!」

 

 

お父様が長らく病院生活だったので、お風呂に一緒に入る機会を持てませんでしたがようやくです

 

脱衣所に入ると上半身だけ脱いだ状態で驚いているお父様と、丁度下着に手を掛けているウルが居た

 

 

「な、なな・・・ウルはタオルをまくの!」

 

「何故だい?」

 

「女の子でしょ!」

 

 

それは貴方が言える言葉では有りません

 

しかし、良い指摘では有りますね

 

私も同意です

 

 

「女の子だとタオルの巻くのかい?」

 

「はじらい!」

 

「・・・ボクは自分の体を恥だと思ったことは無いよ。父上が作ってくれた大切な体なのでね」

 

「そう言うもんだいじゃなぁーい!」

 

 

既に下着も脱ぎ終わったウルは腰に手を当てて堂々と立っている

 

・・・変わり者。と私が言っても良いのでしょうか?

 

 

「ふむ、これはボクが間違っているのだろうか? ご主人様」

 

「そうだな、世間に出るなら、少しは恥じらいを持つべきだ。恥ではなく、恥じらいな。男に見られて少しは恥ずかしいと思え」

 

「ふぅん、いまは分からないが素直に聞いておくよ」

 

 

お父様の言葉を素直に受け入れてタオルを巻く

 

・・・学ぶ為に来ていると言うのは本当みたいですね

 

 

「もぉーヴィヴィオも入るからねっ!」

 

 

それが目的ですかヴィヴィオ

 

 

「あの、私も一緒に入っても良いですか?」

 

 

流石に狭くなってしまうので断られるかもしれない

 

それは嫌だ

 

 

「・・・そっか。それも良いか」

 

「「ん?」」

 

「仲良くなる為に、イクスとヴィヴィオにはウルちゃんにお風呂の事を教えてもらおうか」

 

 

ヴィヴィオが苦い顔をしている

 

・・・私もきっと良い顔はしていないでしょう

 

 

「ボクは教えてさえ貰えれば誰でも良いから。ご主人様が忙しいならキミ達にお願いしようかな」

 

「にゃー」

 

「お、お父様が・・・お父様が言うのなら・・・」

 

 

お父様は私達を見て頷くと上着を着直して出て行ってしまった

 

 

「くしゅん・・・そろそろ入っても良いかね?」

 

 

・・・風邪引け




料理に関してはイクスはノータッチです

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