召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百五十話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

娘二名の通知表→成績に変動無し→キャロが進入→寝る前に少し話しを→と思ったらキャロが俺の部屋で寝てしまった→仕方なくイクスの部屋で寝る事になった

 

蒸し暑い休日の昼下がり外に出掛けるのも億劫になった俺らは家で楽しめる事をする事にした

 

庭に広げられたビニール製のプール

 

そこに程よく冷たい水が張られ、子供に大人が入り混じって遊んでいる

 

 

「暑い」

 

 

当然、俺は混じるのが面倒なのでベランダから眺めていた

 

手に持っている棒アイスが溶ける

 

 

「メイドの服のボクの方が数倍暑いと思うのだが?」

 

 

同じく混ざっていないウルちゃんが隣で何かを催促するみたいに呟く

 

・・・アイスが狙いか

 

冷凍庫まで行く手間も省きたいらしい

 

 

「なら素直に脱げよ。涼しいぞ」

 

「ふむ、それも有りだが生憎と下は薄いのが一枚でね。それは流石に羞恥心に欠ける行為だろう・・・と言うか、アイスを分けてくれないかい?」

 

「最初から言え」

 

 

食べ掛けだが冷凍庫にはまだ有るし俺が取りに行くか

 

ウルちゃんは差し出したアイスに直ぐには受け取らずに口を近づけ垂れた部分を舐めとりながら受け取る

 

似合ってはいないがメイド服を着た少女がこんな事をしていると誤解されそうな気がするなぁ

 

 

「こそばゆい」

 

「ククッしかし不思議だね、材料はたかが知れてるのに状況によって、こうも味覚や脳に作用する感度が違うモノだとは・・・」

 

 

なんだかんだ言ってウルちゃんは子供らしく美味しそうに食べている

 

俺はその間に冷凍庫からカップアイス

 

 

「これ、きっと近々腹壊すよな」

 

 

そう言えば昔ヴィータ三尉がアイスを食べて腹壊したとかリインフォースツヴァイ空曹長から聞いたっけ

 

 

「その時はご主人様に看病でもしてもらうよ」

 

「むしろメイドのお前が看病しろ」

 

 

しかし子供は元気だな

 

フェイトさんやなのはさんの水着姿とか・・・こうやって何も被害も被らない視点から見る分には眼福以外の何物でも無いんだけどねぇ

 

そんな事を考えているとヴィヴィオと目が合う

 

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

 

パチパチと見詰め合いながら瞬きをしているとヴィヴィオの視線が俺の手元で止まる

 

 

「あーっ! なにあきパパだけアイスたべてるの!」

 

「ん? ウルも食べてる」

 

 

欲しいなら冷凍庫から取ってこい

 

 

「ボクは完食済みだよ」

 

 

棒アイスの棒の部分を使ってピラミットを作っていた

 

・・・てっきり俺から奪ったのが最初の一つ目かと思いきや結構食べてるぞ

 

 

「ズルい! しかもそれヴィヴィオのイチゴ味!」

 

「あれ? ヴィヴィオはバニラだろ」

 

「バニラはなのはママ!」

 

「抹茶か」

 

「それはイクスお姉ちゃんの!」

 

 

そうなのか

 

まぁだからと言って食べている手を止める気など微塵も無い

 

 

「かえせぇ!」

 

「うわっ服が濡れるから引っ付くな!」

 

「かーえーしーてぇ~」

 

 

アイスを上にしてヴィヴィオの届かない位置で食べていると乗り上がって取りに来た

 

そのせいで服がびしょ濡れに

 

 

「高町一尉! フェイトさんと遊んでないでヴィヴィオを剥がすのを手伝って下さい!」

 

「ふぇ?」

 

「え?」

 

 

それにしても・・・なんでこの大人二名は子供達並みにハシャいでいるんだろうか

 

相も変わらず二人で桃色空間

 

 

「ヴィヴィオ」

 

「あ、イクスお姉ちゃん! てつだって」

 

「ふぅ、手伝ってでは有りません。急に冷たいアイスなんて食べたら、お腹を壊すに決まっているでしょうが・・・お父様の気遣いに気付きなさい」

 

「その理由だと食べなくてもいいと思う!」

 

 

イクスの手によってタオルで包まれたヴィヴィオは未だに暴れている

 

が、何故かその後にそうめんを持ってきたキャロに耳打ちされるとすんなり収まった




ウルのメイド服は標準装備です

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