召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百五十二話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

昼飯はそうめん→キャロ特製のつゆで・・・→俺とウルちゃんだけイクス製→普通に不味い→感想をイクスに伝える→落ち込む→しかもキャロに泣きつく→意外な行動だけど精神ダメージがデカイ→結局残せない雰囲気になってしまった

 

 

「はぁ・・・イクスには困った」

 

「よく頑張りましたね、お父さん」

 

「一緒の台所に立ってたならアドバイスくらいしてあげても」

 

 

キャロはくすくすと笑い夕食を作っている

 

俺はと言うと、イクスがもしかしたら夕食まで手を出さないか心配で見に来ていたのだ

 

 

「折角頑張ってるのに長々と間違いを指摘するのは邪推ですよ」

 

「アドバイス」

 

「失敗は成功の母です」

 

 

あと何度失敗を繰り返せば成功が生まれるんだよ

 

 

「しかし何でイクスだけあんなに料理が下手なのか」

 

「考え方の問題じゃないですか?」

 

「考え方?」

 

 

ただ突っ立っているだけでは邪魔になるので俺も一応手伝っています

 

 

「ほら、イクスの生きてた古代ベルカ時代って戦乱時じゃないですか」

 

「まぁそうだね」

 

「それって食べる物を満足に選べる時代だったんでしょうか?」

 

 

・・・言われてみれば

 

しかしイクスは王様だったんだし、一般庶民よりは良い物を口にしていたと思う

 

 

「・・・。」

 

「ま、あくまでわたしの想像の域を出ないモノばかりですけどねぇ~。あ、そこのお肉を入れたいので取ってください」

 

「ほい」

 

「ん・・・ところで秋春はカレーの甘口は平気ですか?」

 

 

甘口? ああ、ヴィヴィオ達に合わせるって話な

 

 

「全然平気」

 

「そうですか、なら楽しみにしていて下さいね」

 

 

もうイクスも来ないし特に役に立つ事も無いので、と言う事で台所から放り出された

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

料理の監視と手伝いもする必要が無くなったのでイクスに会う為に星見をするベランダに向かった

 

しかしそこに居たのはイクスではなくフェイトさんだった

 

 

「あれ? フェイトさん?」

 

「ん? あ、遅くまでお邪魔してごめんね」

 

「いえ、それは良いんですけど」

 

「イクスちゃんとヴィヴィオなら、なのはとお風呂だよ」

 

 

俺がいつもイクスの座るの場所を見ていたのを察してか二人の場所を教えてくれる

 

ヴィヴィオに高町一尉と一緒ね

 

 

「フェイトさんは一緒に入らないんですか?」

 

「私? ・・・今日はキャロと入りたいから我慢かな」

 

 

キャロは皆が風呂からあがった頃に夕食が出来上がるように作ってると思うんだがな

 

 

「キャロとなら俺の後になりますけど・・・」

 

「ん? 別に・・・ッ?!」

 

 

気軽に答えたはずのフェイトさんは俺の方を向いて言葉に詰まった

 

 

「如何しました?」

 

「い、い、いえ! 気にしません! 気にしてませんよ!」

 

 

そして真っ赤になって手を顔の前でバタバタ振って、何かを否定しているフェイトさん

 

確実に、何かを気にしているようにしか見えない

 

 

「冗談ですよ、俺は皆が入った後にシャワーを浴びます。皆さん女性ですからね、気になって当然です」

 

「ごめんなさい、雨水さんの家なのに」

 

「お客さん優先ですよ」

 

「・・・なんだか悪いな・・・でも、ありがとう」

 

 

そこまで浴槽に浸かりたい訳でも無い。いや、フェイトさんの後の浴室ってだけで・・・

 

考えるのは止めよう

 

 

「フェイトちゃ~ん! キャロがご飯出来たってぇー。あとそっちに雨水さん居るぅ~?」

 

「出来たみたい」

 

「ですね」

 

「分かった~! 雨水さんも居るから、いま行くね!」

 

 

今日の昼食がアレだったので夕食は確かに幸せな感じで食べれた気がした




台所はキャロ一人で十分回ります

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