召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百五十七話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

諸事情によりイクスと就寝→起床と同時に端末に電子メールを発見→騎士カリムから→さっそく聖王教会へ急ぐ事ににした

 

家のベルカ組なら懐かしいと思う風景も、俺からしたらミッドより自然が多い程度しか感じない

 

それはともかく

 

 

「ごめんね? 本当はお昼から、ゆっくりが良かったんだけど・・・あ、シャッハ、お菓子~」

 

「有りません!」

 

 

庭園に着いて二人っきりにする為に離れようとしたシスターシャッハにマイペースな騎士カリム

 

変わらないなぁ

 

 

「もぉ朝から雨水先生が何にも食べてないかなぁーって思ったのにぃ」

 

 

騎士カリムの言葉はシスターシャッハを止めるのには十分だったらしい

 

 

「・・・本当ですか?」

 

「まぁ急ぎましたので」

 

「暫らくお待ち下さい! 朝食をお持ちしますので!」

 

 

走って出て行くシスターシャッハを手を振って見送っていた

 

そして急に真面目な表情になる

 

 

「さて、本題に入りましょ」

 

「人払いがお上手ですね」

 

「あら、朝食の件は本当でしょ? 早くに呼び出して、私も悪かったなぁって思ってるんですから」

 

 

空中に現れたモニターには幾つかの詩文

 

・・・これが噂の預言者の著書

 

騎士カリムのレアスキルで他に類を見ない希少能力

 

ま、あくまで未来予知で無く未来予想と聞いたけどね

 

 

「で? これが如何したんですか?」

 

「実は最近出た詩が妙に気になってしまって・・・解読を頼めないかしら?」

 

 

気になった詩を表示してもらうと確かに気になったのも納得出来た

 

 

「詳しくは分かりませんけど。この部分、聖王と冥王ですね・・・あと、もう一人王の名前が・・・」

 

 

古代ベルカ語ならイクス達が読めるから、家に帰れば解読は簡単なんだけどね

 

 

「分かりました。コピーをもらって良いですか?」

 

「どうぞ。あと、もう少しだけ、この予言は伏せた方がいいわよね?」

 

「そうですね」

 

「持ってきましたよ! 簡単な物しか作れませんので、お口に合えば良いのですが」

 

「あらあら、お手製? シャッハったら積極的ね」

 

 

トーストにミルクと付け合せ

 

シンプルな朝食だったけれど、家とは一味違った美味しさだった

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

さっそく自宅に帰って解読

 

と。いきたい所だけど、仕事が有るのでザンクトヒルデ学院に向かった

 

 

「やっぱり、この部分の訳は聖王と冥王だよな」

 

 

最後の王は・・・覇王

 

 

「覇王ね。ん? 覇王と言えばシュトゥラのクラウス・G・S・イングヴァルトが居たか」

 

 

じゃあ此処は覇王で合ってるのか

 

しかし覇王は聖王と縁が合っても、冥王とは縁が有るなんて聞いた事ない

 

・・・名前だけ解読出来ても内容はサッパリ分からないな

 

 

「だからってヴィヴィオやイクスと違ってクラウスは故人。まさかヴィヴィオみたいにクローンが居る訳じゃ有るまいし」

 

 

可能性としては子孫って線も有るが・・・幾らなんでも代を重ねすぎて殆ど名残も薄いはず

 

覇王と名乗れる力量が有るとは到底思えない

 

 

「・・・分からん」

 

 

何度他の諸説と照らし合わせても分からないので結局家に居るイクス達に聞く事にした

 

 

「さっそく実行」

 

 

五分と待たない内にヴィヴィオから電子メールが送られてきた

 

 

「はやッ! ヴィヴィオ早い!」

 

 

現代っ子パネェ

 

 

「えっへん! にゃはは、困ったときのヴィヴィオさんなのです! あのねぇ、これは、幼き覇王の才が芽吹く時、新たな戦乱の時が訪れ、聖王は拳を握り、冥王は兵隊と共に剣を取る。だよ! 何かおはなし? 帰ったらおしえてねっ!」

 

「・・・。」

 

 

衝撃的な内容に固まっていると、続けて細部は違うが内容としては同じ文章の電子メールがイクスとアギトから届いた

 

 

「これは聖王教会と会談の場を設けないといけなくなったな」

 

 

一応、騎士カリムの予言は予測に過ぎないのだから、当たらないって可能性もあるんだけど・・・

 

でも何故か事件に関しては的中率高いらしいんだよね




ようやく鮮烈な物語の予感です

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