召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

263 / 414
二百六十二話~side キャロ~

「うわぁ」

 

「酷いですね」

 

「言わないでルネ、悲しくなる」

 

 

この親馬鹿三人の飲んだくれ

 

今日は帰るなり、局に呼び戻されて帰りが遅くなってしまったのですが、いざ着いてみると親三名がリビングでだらしなく寝てしまっていた

 

 

「もぉ三人ともお酒が入ると暴走し易いのに」

 

「片付け手伝います」

 

「ごめんね、本当はゆっくりしてってもらおうって思ったのに」

 

「いえ、これも補佐の仕事ですから」

 

 

これは補佐の仕事には入ってないと思うなぁ

 

 

「取り合えず薄着のフェイトさんからだよね」

 

 

相変わらずの癖でフェイトさんは寝る時は無意識に薄着になってしまっている

 

風邪引くからって言ってるのに

 

 

「フェイトさん、フェイトさーん」

 

「あぅぅなのは?」

 

「違います。今日は泊まって良いですからベットで寝ましょう」

 

 

フェイトさんは眠そうに頷くとリビングから出て行った

 

半分寝ていたみたいだけど、きちんとわたしの部屋に辿りつけるかな?

 

ルネは黙々と散らかっている二人の周囲を片付けている

 

 

「次は、なのはさん」

 

 

心地良さそうに寝ていた

 

 

「なのはさん」

 

「ん? あぁーキャロ、おかえりぃ~」

 

 

意外と数回肩を揺すっただけで起きた

 

 

「寝るならベットです」

 

「あ、うん。ごめんね、ふぁ~おやすみ」

 

 

欠伸をしながら眠そうに背を伸ばしていた

 

あれなら平気かな

 

 

「おやすみです」

 

 

残るは一人

 

秋春だけ・・・秋春は秋春で熟睡している様に見える

 

でも、二人とは違いタオルケットの様な物が掛けてある

 

 

「これは」

 

 

確かイクスの部屋のです

 

恐らく何かの用事で降りてきたイクスが気付いて掛けて置いたんでしょうね

 

 

「秋春、あーきぃーはぁーるぅー」

 

「うわっ。っとと、ああ、キャロね。おかえり」

 

 

揺さぶると飛び起きた秋春だったけど、わたしの顔を見て背凭れに背中を預けた

 

 

「ん? ルネッサちゃんも一緒か」

 

「お久しぶりです」

 

 

立ち上がった秋春は直ぐに自分に掛けてあったタオルケットの存在に気付く

 

 

「キャロが?」

 

「いいえ」

 

「えっと、これはイクスか」

 

「ふふっ愛されてますね」

 

「まぁイクスの場合は、父親と母親。二人分だからね」

 

 

噂をすれば影。と言いますか、リビングの扉がガチャリと鳴って眠そうなイクスがやってきた

 

 

「あ、イクス。これ、ありがとな」

 

「いいえ、当然の事ですから。当然なんです」

 

 

ふらふらとしながら秋春の下まで辿りつくと腰辺りに抱きついて目を閉じた

 

 

「もしかして寝ちゃったんですか?」

 

「恐らくな。まぁ抱えて部屋に戻るから」

 

 

普段余り甘えた姿を見せない分、眠気が有るときは本当に駄々甘なんだよね

 

 

「大丈夫ですか? 何なら手伝いますが」

 

「大丈夫。酷い時はヴィヴィオも加わる時もあるから、これくらいね」

 

「え? ヴィヴィオも? そんな時は如何するんですか」

 

「二人を振り落とす」

 

 

甘えてきた子を振り落とすなんて鬼ですか

 

らしいですけど

 

 

「じゃ、お休み」

 

「そうだ、秋春」

 

「ん?」

 

 

秋春はフェイトさん達とは違って全然平気そうだから忘れない内に言っておいた方が良いよね

 

 

「最近ザンクトヒルデ学院の近辺に、喧嘩屋が出没してますので注意して下さいね」

 

 

ターゲットになってるのは名のあるストライクアーツ選手などだけど、危険が全く無い訳では無い

 

 

「面倒な事になった」

 

 

あれ? 変だな

 

いつもなら、頑張れキャロ! とか他人事で済ませるはずなのに

 

 

「ルネッサちゃん。キャロの事をよろしくね」

 

「はい、公務から私生活。全てに置いて、確りキッチリ補佐します。それが私の仕事ですから」

 

 

ルネ

 

私生活は貴方の仕事に入ってないからね?

 

 

「みゅぅ・・・ぬくぬくでふわふわです」

 

「あ、悪い、早くベットに行こうな」

 

 

聞きたい事がまだあったんですが、まぁ明日でも構いませんか

 

 

「雨水一士は可愛らしい娘さんをお持ちですね」

 

「あれ? 会うの初めてだっけ?」

 

 

ルネは本当に可愛いモノが大好きだよね

 

 

「初めてでは有りませんが・・・緩んだ表情を見たのは初めてです」

 

「そっか」

 

「はい」

 

 

気のせいかも知れないけれどルネが凄く嬉しそうに見えた




飲み癖

フェイトさん=脱いで寝る

なのはさん=泣いたり絡んだり

雨水=冗談等でからかう

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。