召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百七十二話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

コロナちゃん、リオちゃんが、アインハルトちゃんを拾う→疲労で目を覚まさないので寝かせる→起床→いきなり臨戦態勢→聖王の事は諦めてないらしい→少し成長の一端を見せる→それを評して最後のチャンスをあげた→ヴィヴィオには果たし状で知らせておく

 

あ、イクスのパジャマ貸りたままだった

 

流石に星空を見てる時間でも無いし、部屋に居るかな

 

 

「イクス~、遅くに悪いが・・・」

 

 

返事を待たずに開けると、部屋は既に真っ暗で布団が盛り上がっていた

 

寝てるのか?

 

 

「いつもならドラマでも見てる時間なんだがな」

 

 

整頓されていると言うよりは、単に物が少ないだけの質素な部屋

 

最低限。もしくは贈り物以外、イクスが自ら我が侭を言って買ったテレビだけ

 

 

「結構DVDも増えてきたな」

 

 

ジャンルは問わない

 

ん? それにしてもイクス一人にしては膨らみが大きいな

 

近づいてみると、ヴィヴィオが隣で寝ている

 

・・・自分の部屋で寝なさい

 

 

「張りや艶はヴィヴィオだけど、押し心地が良いのはやっぱりイクスだね」

 

 

ぷにぷにの頬

 

ま、ヴィヴィオがこうやって人のベットに潜り込むのは、日常的行為だから今更驚きもしないが

 

朝に起こす時に探すのが大変なんだよな

 

 

「相性の問題かねぇ」

 

「雨水一士」

 

「ッ! まったく、ルネッサちゃん」

 

 

唐突に何の前触れも無くルネッサちゃんが扉に立っていた

 

 

「えーっと、キャロと一緒に?」

 

「いいえ」

 

 

ゆっくり首を横に振って近づいてきた

 

何をするのかと見守っていると、ベットのすぐ横に屈んで小さく口角を上げた

 

 

「おい」

 

「ルシエ執務官の着替えを取りに伺いました」

 

「で? それでなんで、お前は俺の娘を見て悦に入ってるんだ?」

 

「可愛いからです」

 

 

アインハルトちゃん程には、無表情を維持する気は無いらしい

 

付き合いの短い俺でも嬉しそうなのは分かる

 

 

「着替えか、って事は今日は泊まりなのな。さっさと持っていってやれよ」

 

「あ、あの、雨水一士がしていた様にプニプニしても良いですか?」

 

 

キャロ。お前は補佐にするべき人間を間違えたんじゃないか?

 

補助の能力は認めるけど可愛い好きが残念だぞ

 

 

「キャロの衣類は如何した」

 

「ルシエ執務官の可愛い下着を取捨選択するのはプニプニの後でも」

 

「仕事だろ」

 

「これも補佐としての仕事です」

 

 

関係ねぇよ

 

まったく関係ない上に粘る気かテメェー

 

 

「誰が娘を邪な心で触れようとする輩に触らせるかよ」

 

「確かにこれほど可愛いと邪な心を抱かないのが、むしろ失礼と言いますね。ですが、私は純粋にプニプニしたいだけです」

 

「イクスかヴィヴィオ。どっちが良い?」

 

 

作戦変更

 

さて、コイツに選べるか

 

 

「ど、ちらも」

 

「二兎追うものは一兎をも得ず」

 

「言葉の並びで大よそ意味は検討つきますが・・・わ、わ、わわたし、は、ルシエ執務官一筋ですから」

 

 

あ、そうくるか

 

 

「そうかい。それじゃあ、二人を起こしたら悪いし、キャロの部屋まで案内するよ」

 

「ルシエ執務官の部屋なら既に把握しています。もちろん、何があって、何が隠されているかも把握済みです」

 

「・・・プライバシー」

 

「執務官の全てを把握しておくのが補佐の仕事ですから」

 

 

・・・良かったな

 

その大義名分が無かったらストーカーを遥かに超える玄人だぞ




ルネッサは原作に比べて内面が完全に変化していると思われます

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