召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百七十三話~side ルネッサ~

優秀な補佐官とは

 

個人的な意見ではありますが、補佐対象の状態を深く知っておく事が重要だと私は思っています

 

 

「ルネッサ・マグナス。ただいま戻りました」

 

「・・・。」

 

 

デスクに突っ伏して寝ている

 

ルシエ執務官はテスタロッサ執務官の様になる為と、無理をし過ぎる傾向があるので要注意です

 

 

「あれほど仮眠室を使ってくださいと言いましたのに」

 

 

ぷにぷに

 

やはり良い。可愛いモノにしか体現出来ない質感

 

これを今まで独占していた雨水一士には黒い感情を抱いても全く悪くないですね

 

 

「・・・ふぁ」

 

「仕方有りません。ルシエ執務官、お休みになられるのでしたら仮眠室に行きましょう」

 

「キャロで、良いって、もぉ」

 

「立場的にそれは出来ません」

 

 

ジト目で見られたい

 

本音八割

 

 

「ルネのいじっぱり・・・ふぅ、着替え取ってきてくれたんだね。ありがと」

 

「いいえ、補佐として当然です。それに抜かりなく勝負下着は候補から外しました」

 

 

あ、これは言わなくても良い台詞でした

 

 

「ルネ? なんで、ルネがわたしの勝負下着の置き場所とか知ってるのかなぁ?」

 

「補佐ですので」

 

「関係ないよ!」

 

「私としては、ルシエ執務官にはくまパンが似合うと思います」

 

 

ルシエ執務官にあの類の下着は早いと私は思っています

 

世の男性だってきっとそうです

 

想像もさせる気は微塵も有りませんが

 

 

「そこまで子供じゃない!」

 

「ですね、雨水一士好みの大人の女性に近づいていると思います」

 

「・・・はぅ」

 

 

かわいい!

 

叫びたい気持ちになる

 

 

「も、もぉ。ちょっとシャワー浴びてくるから、そこの整理お願い!」

 

「はい」

 

 

殺人こそ無いが、案件はどれも凶悪犯罪の関連が大半を占めている

 

やはりテスタロッサ執務官の影響でしょうか

 

 

「さて、これ以上はルシエ執務官に無理はさせられません」

 

 

補佐官に認められている範囲のモノは全て終わらせる

 

少しでも負担を減らさないといけない

 

 

「逃走経路の封鎖許可。魔法使用、飛行、召喚許可。一応結界の申請書も、報告書はこんな所ですか」

 

 

作業を進めていると誰かが尋ねてきた

 

確認してドアロックを解除する

 

 

「お疲れ様です」

 

「うん、お疲れ。ルネッサ執務官補・・・ええと、キャロは?」

 

 

テスタロッサ執務官。ルシエ執務官の憧れであり、母親兼お姉さんだそうです

 

 

「シャワー室です」

 

「ん~キャロの執務官室って色々揃ってる・・・あ、此処だね」

 

「はい。諸事情により、一般的な執務官室よりランクを高めて有りますので」

 

 

テスタロッサ執務官ほどでは有りませんが

 

申請自体は、ルシエ執務官の実力が認められる所もあって割りと簡単でした

 

 

「そうなんだ。いま、入っても大丈夫かな?」

 

 

シャワー室を指差すテスタロッサ執務官

 

 

「テスタロッサ執務官ならば大丈夫だと思われます」

 

「ん、そうかな? あ、座って? 仕事邪魔しちゃったね」

 

 

シャワー室からルシエ執務官の驚いた声が聞こえてきた

 

元々会う予定があった訳では無い様ですね

 

 

「ル、ルネ」

 

「はい」

 

 

シャワーからあがってきたルシエ執務官は申し訳無さそうに私に話しかける

 

如何したのでしょうか

 

 

「・・・フェイトさんと食事・・・行きたいなって」

 

「分かりました」

 

「え?! でも、まだ仕事残ってるよ?!」

 

「大丈夫です。逃走中の犯罪者を逮捕する為の申請が通るのは明日ですから、今日は申請や報告書程度です。それだけなら私一人で何とかなります」

 

 

補佐ですから

 

 

「でも、ルネに悪いよ」

 

「では、先日管理外で手に入れたこのTシャツを・・・」

 

「行ってくるね」

 

 

無視されました

 

ちょっと大人に近づいているルシエ執務官が子供らしいキャラTシャツを着ている

 

と言うギャップを見たかったんです

 

 

「・・・キャロ、借りてくね」

 

「はい。親子水入らず、少しだけでも休んで下さい」

 

 

お二人を見送る

 

 

「さて」

 

 

明日の犯人逮捕の準備をしましょう




補佐として完璧を尽くすルネッサです

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