前回のあらすじ
倉庫区間にて決着→何か凄いバトル→蹴って殴って撃ち合って→雌雄を決した
あの後、俺は路地裏に倒れていたアインハルトちゃんを回収して自宅に帰った
どうやら戦いで既に限界だったのにも関わらず、アインハルトちゃんは皆の前で倒れるのを良しとしないみたいだった
いや、実際の理由は知らんが・・・当の本人は現在黙々と食べ物を口に運んでいる
「で、ルーテシアちゃんの所に行く日程はいつも通りで良いだろ?」
「はい。学院の長期休みに入りますし、お父様と行けるのであれば、それだけで幸せです」
毎年行う数日の旅行兼強化合宿。いつもルーテシアちゃんの家にお邪魔させてもらっている
「そっか。しかし、やっぱ今年も六課のメンバーが集まるよなぁー」
いや、まぁ嫌な訳では無いんだが、抵抗感がある
「都合上。と、いつもあの方達は言ってますね」
「前回は酷かった。ブレイカーがあちこちで・・・森林破壊もいいところだ」
「シュミレーターも故障させましたね」
「ああ、あったな。フリードが竜仲間を連れてきて大騒動した時もあった」
すぐにルーテシアちゃんの転送魔法でお帰り願った
「まぁそもそも」
「ん?」
首を傾げる一番の難題
「目下悩みの種はイクスの課題だよな」
「・・・。」
ザンクトヒルデ学院は継続的に点数の悪い子には改善を図る為の大量の課題が出る
「去年の量は凄かった」
「あれは大変でした」
「最早勉強って言うか作業になってたもんな」
最終的にはイクスが心を痛めながらヴィヴィオにお願いする形になり、ヴィヴィオは天才っぷりを遺憾なく発揮して、旅行初日を代償に終わらせた
「たっだいま~」
「おじゃましまーす」
てっきり高町一尉の家に行くと思っていた二人が帰って来た
「って、な、にゃんでアインハルトさんが?!」
「はい、アインハルトです」
扉を開けて直ぐに驚くヴィヴィオと意味の分からない返事を返すアインハルトちゃん
「まぁまぁ、訳は話すから、ご飯は?」
「食べる」
「・・・貴方とこうして食卓を囲むとは・・・決して嫌じゃない不思議な気分です」
「え? あ、うん。ヴィヴィオも、嬉しい、かも」
ん? ちょっとしおらしい?
「・・・雨水さん、雨水さん」
離れた位置から小さな声で呼ぶ高町一尉
「はぁなんですか?」
「少し真剣な話があるので、いいですか?」
「別に構いませんが」
リビングは、真剣に課題について悩むイクスと、不思議な雰囲気でご飯を食べるアインハルトちゃんとヴィヴィオ
・・・まぁ大丈夫か
「ちょっと高町一尉と大事な話をしてくるね」
「はい、お父様」
真剣な話と言う事なので、仕事部屋で聞く事にした
一通り車内で交わされた会話を聞かされる
「へぇ・・・やっぱりフェイトさんとそう言う関係だったんですか」
「違います!!」
「いやいや、高町一尉の家での暮らしを見てるヴィヴィオが判断したんですから、それなりに信憑性はあると思いますよ」
それじゃなくても傍から見たら恋人みたいな行動をとっているんですから
「そ、そんなにフェイトちゃんと付き合ってるように見えてたのかな」
逆になんで否定を
管理世界の中には同性婚を認めている場所も複数確認されていたし、実際そこで結婚した事例も知っている
「別に恥ずかしい事じゃないですよ? 絵になりますし」
「ふざけないください」
「んー俺から見ても、貴方達の関係は友情とは違うと断言できるんですが」
長い付き合いで境界線が曖昧になってるのか
「・・・もぉ、私とフェイトちゃんの事はいいの」
「そうですね。ですが、俺から言いたく無いので、体温計を使ってみてくださいと言っておきます」
「ふぇ?」
ヴィヴィオが笑顔を保てなくなった場合、本当に真剣か体調が悪いと考えるべき
今回は余り高町一尉に落ち度を感じないので後者だろう
大方決闘の際に発動させたロストロギアの魔力にあてられたか
「気付いて欲しかったんでしょうね」
母親の貴方に、と言ったら、流石に落ち込む可能性があるので止めておきます
「え? え?」
しかし相談内容は本当の事だろうから俺も考えておかないとな
ナチュラルに食事中のアインハルトちゃんです