前回のあらすじ
旅行先のアルピーノ家に電話→元気溌剌ルーテシアちゃん→いつも通り大歓迎らしい→取り合えず旅行先は決定で
母親のメガーヌさんも元気そうで親子楽しそうに暮らしているみたいだった
旅行日当日
今回は人数も多かった為、次元転送では無く次元船で向かっていた
「皆さん、ぐっすりですね」
「まぁ体力温存なんだろうよ」
アルピーノ家到着まで数時間の船旅なので、向こうに行って遊ぶ為に殆どは寝て過ごしている
エリオは女性陣のいるところ、一人心苦しそうに起きていたので話し相手に離れた席まで連れてきた
「この船は凄いな。手配したのエリシアだろ? さっき見てきたがVIPルームは高級ホテル並みだったぞ」
「職務上色んな筋に伝手が利きますから」
「これもその一つって訳か」
「はい」
これだけの物が準備できるって事は査察長官の仕事は順調と考えて良いか
ヒューズの後を継ぐのが簡単じゃない。それは、容易に想像できていたからな
「・・・感慨深いな。エリオもエリシアも小さい頃から知ってるが、お前ら立派になり過ぎだろ」
「年寄りみたいですよ、秋兄さん」
「うるさいわ」
頭をぐりぐりと大袈裟に撫でると妙に嬉しそうに笑っている
暫らく髪が乱れていくのを観察していると、ヴィヴィオの近くで寝ていたはずのイクスがふらふらと近づいてきた
「如何した? イクス」
「お父様は、寝ないのですか?」
「エリオと少し話してからにするよ」
「そう、ですか」
それを聞きに来たのか?
納得した様子のイクスはそのままふらりと俺の方に倒れ込んだ
「寝てる」
「寝てますね」
仕方が無いので持ち上げて膝の上に乗せた
「秋兄さんって結構力ありますよね」
「急になんだ」
「いや、だって、脱力した状態は子供でも重く感じるらしいですし」
「そうだな。確かに起きているよりは重く感じるが・・・まぁ慣れだ」
イクスが落ちないように脇の下から腕を通す
・・・ふむ、ヴィヴィオが聞いたら拗ねると思うが、やはり抱き心地で言えばイクスの方が好みだな
「慣れですか」
「ああ。エリオも将来は俺と同じ目に遭うんだからな?」
エリシアとのいちゃラブっぷりを見ていると、いつ子供が出来てもおかしくないと思わされる
「同じ目?」
「お前とエリシアの子供の子守。まさかエリシア一人に子育てを任せる訳じゃないだろ?」
「子供?! ま、まだ早いですって!」
「こらこら、他は寝てるんだぞ?」
幸い誰も起きなかった
それでもエリオは居心地の悪そうな顔をして、話を無理やり変えた
「え~っと、秋兄さんはそろそろ結婚とか考えないんですか?」
「相手がいるならな」
「いっぱいいると僕は思うんですけど・・・」
「ほぉ? 例えば?」
ぜひ聞かせて欲しい
少なくともエリオが知っていて俺が知っている人物と限定されているだろうが・・・
「なのはさんとか?」
「怖いな」
「はやてさんとか」
「余り関わりないぞ?」
「フェイトさんとか」
「あの人、なんか可愛いよね」
「その言葉は僕はちょっと複雑なんですけど」
お前が名前を挙げたんだろうが・・・ついでに、なんで隊長陣の名前ばかりなんだ
「・・・キャロ?」
「無いな」
「秋兄さんも満更じゃないですよね?」
エリオは性格的には冗談は得意では無い
って事は周りからそう見えているって事になるのか?
「魅力的なのは否定しないけどな」
「えと、つまり?」
「ん? つまり? 言葉通りだよ。ねぇ、イクス?」
目を瞑っているイクスの頬を優しく抓る
「・・・いふぁいです」
「やっぱり起きてやがった」
途中から寝たふりをしているのに気が付いた
まったく、いつからだ? 起きているなら元の席に戻れよな
「さすがおとうひゃ、いひゃひです。おとぉしゃま」
ぐに~っと左右に頬が広がる
癖になる肌触りです
「何が流石だ。何処から聞いてたのかな?」
一端放す
「お父様の結婚相手」
「おしおき決定」
「だ、大好きです!」
え? おしおきが? いや、まぁ気合入れの言葉のつもりなんだろうけどね
「・・・僕の話。逸らされたのかな?」
到着までの間。俺は満足のいくまでイクスで遊び続けた
次回からは原作での異世界旅行の話になってくると思います