召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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二百九十七話~side ヴィヴィオ~

家族旅行二日目

 

練習会の後、あきパパと一緒のお風呂に入った私は、一つのお願いをした

 

アインハルトさんへのプレゼント

 

意外にもあっさりとOKをもらえたので、なんだか拍子抜けです

 

せっかく色んなお願いの仕方を考えたのに

 

 

「で? 申し開きはありますか?」

 

「にゃはは~えへへー」

 

 

怒りMAXお姉ちゃん

 

もちろんあきパパと二人っきりになる為に騙したヴィヴィオが悪いんだけど・・・どうしよう?

 

 

「なぜ、お父様の居る場所を偽ったのですか?」

 

「えぇーっと・・・怒らない?」

 

「内容次第です」

 

「だよねぇ」

 

 

どうだろう。ヴィヴィオの理由で納得してくれるかなぁ?

 

あきパパがそうしたとかだったら簡単だけど、バレたら今より酷くなるよね

 

 

「喋らないのであれば問答無用で攻撃しますが」

 

 

ゆっくりとイクスお姉ちゃんが雰囲気を変える

 

うわっ相当キテる

 

 

「い、イクスお姉ちゃん!」

 

「なんですか」

 

「いま、あきパパお風呂に居るんだよ? ヴィヴィオが先に上がるって言ったら、もう少しゆっくりするって言ってたし、もしかしなくても騒いだら怒られない?」

 

「・・・。」

 

 

二、三回開け閉めして口をキュッと結ぶ

 

我が姉ながら素直で可愛いなぁ

 

 

「じゃあ、リオ達と約束してるから」

 

 

逃げようとしたけど、ガシッと手を捕まれて止められた

 

 

「・・・。」

 

 

逃げたら背後から刺す

 

ゆっくりと口はそう動いた

 

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

 

睨めっこみたいな状況が続く

 

そしてそれは五分くらいで解かれた

 

 

「睨めっこか? なぜ二人ともしかめっ面・・・ゲーム内容間違ってるぞ」

 

「あきパパ助けて!」

 

「お父様、お風呂上りに飲み物でも」

 

 

位置的にはわたしが近かったのに、イクスお姉ちゃんの方が早かった

 

って言うか、イクスお姉ちゃんの持ってるのなんだろう?

 

見た事のない。まるで、試作品みたいなラベルが張ってある

 

 

「変な味だな。まぁ冷えてるから問題ないか」

 

 

ん・・・ルールーの手作りとか? でも、それにしては安っぽい

 

感性が感じられない

 

 

「ん、ん?」

 

「どうしました?」

 

「んーいや、なんでもない。ちょっと横になるから、夕食になったら呼んで」

 

 

妙に焦ったあきパパにわたしとイクスお姉ちゃんは部屋から追い出された

 

あ、せめてさっきの飲み物だけでも回収しておけばよかった

 

なんか気になる

 

 

「・・・仕方ありません。お疲れなのでしょう、ヴィヴィオ。放っておきますよ」

 

「え? でも、ちょっと」

 

「いいから。お父様の休憩を邪魔しない」

 

 

後から思うんだけど、やっぱりここで飲み物を回収してルールーに聞けば良かった

 

そうしたら少なくともマシな状況になっていたのに




一応うやむやにする事には成功したヴィヴィオ
次回はちょっとベタなネタでマッドな子が裏で動きます

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