召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百話~side ヴィヴィオ~

家族旅行二日目

 

あきパパがちっちゃくなっちゃった

 

怪しい

 

物凄く怪しい。小さくなった事までは良いとして、ウルが見付からないのはおかしい

 

 

「あきパパを小さくする利点かぁ」

 

 

わたしはアインハルトさん達と居る所を急遽抜け出して、ルールーの研究施設に来ていた

 

・・・なんでも揃ってるよね

 

 

「身体年齢を下げるロストロギアは、いままで複数見付かった記録はあるけど・・・」

 

 

液状タイプは無い

 

やっぱりアレはロストロギアを基にしたオリジナルの可能性が高いの

 

 

「まぁウルだし、ロストロギア級の発明を秘密にしてても不思議じゃないよね」

 

 

かと言って、貴重な物のはず・・・複数はきっと存在しない

 

そう言えば、ウルは一時期あきパパの生体情報を欲しがっていた事があった

 

イクスお姉ちゃんが居たから、入手不可能だと思ったけど、たぶん出し抜いたんだよね

 

 

「そこに何かあるのかな? っと、これがノノが計測した魔力素かな」

 

 

子供になる前と後の魔力素を比べた

 

んーイクスお姉ちゃんのリンカーコアの状態と似ている?

 

いつものあきパパ。つまりは子供になる前のあきパパの魔力だけど、茜色の魔力と白の魔力がリンカーコアの深い所で入り混じっている

 

 

「って事は・・・あきパパのレアスキルは何らかのロストロギアの影響? ん、でも、それなら管理局の精密検査で分かる事なのになぁ」

 

 

あまりに深い所の結合だったから? それとも、あきパパが計測時になんらかの偽装工作を行っていた?

 

どちらにしても、ウルなら一目で分かる事だよね

 

 

「にゃはは、ウルの狙いはロストロギアかな」

 

 

カツンと無人のはずの研究施設に音が響いた

 

 

「ッ! クリス! セットアップ!」

 

 

音は段々と近づいてくる

 

・・・複数かな? ルールー達だったら良いんだけど、穏やかな雰囲気じゃないなぁ

 

 

「古代ベルカ式」

 

「身体強化」

 

「敵性反応」

 

 

にゃ! マリアージュ?! なんでなんで!

 

 

「ちょ! ヴィヴィオだよ! ヴィ・ヴィ・オ!」

 

「武装」

 

「隊列」

 

「包囲」

 

 

にゃ~~! 自動操作だッ!

 

すぐにイクスお姉ちゃんと連絡を取ろうとしたけど、飛んできた戦刀が通信手段を断った

 

 

「ぅぅ~。数を稼ぐためレベルの低いマリアージュみたいだし!」

 

 

言語を発せれるだけの虫知能が仇になって敵味方の分別がついてない

 

 

「主の妹! 見分けつこうよ! そのくらい!」

 

「ウルを知りませんか」

 

 

質問と同時に斬りかかってきた

 

 

「我慢のがの字も知らないの~ッ!」

 

 

手甲で受け流して空いた腹に拳を撃ち込む

 

 

「こんな事ならイクスお姉ちゃんに言ってから出てくるんだったよぉ」

 

 

転移魔法陣を展開

 

データは急で移せなかったけど、大体は覚えてるから別に惜しくない

 

 

「ふぅ、まったくもぉー・・・人に質問する時は答えを待った方が良いよ」

 

 

言っても無駄かも知れないけど・・・

 

とにかくわたしは、バリアを必死に壊そうとするマリアージュに手を振ってその場を離脱した




見敵必殺を基本とするマリアージュに探し者は向いてない

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