召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

31 / 414
三十話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

最初から作り物と分かっているお化け屋敷と違ってリアルは恐い→何故かこう言うのは平気なキャロを連れて夜間警備→キャロが何か発見したモノの俺が逃走→魔法がある世界なのだから幽霊がいても可笑しくない→自然保護の全員にサボりがバレる→約一ヶ月のタダ働き決定

 

 

「デートですね!」

 

「なにが、ですね、だ。俺の両手を見て言え」

 

 

あるのは大量の甘味系

 

前回の罰の女性陣へのプレゼントをミッドに買出しに来ている

 

 

「荷物は男が持つそうですよ?」

 

「男女平等の世界だ」

 

「あ、そこのお店に行きましょ!」

 

「聞けよ」

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「ふぅ~ようやくゆっくり出来るー」

 

「ふふ~ん、わたしのおかげですよ」

 

 

・・・そうだな

 

二割くらいはお前のせいでこの状況だな

 

 

「そう言えばこの間、聞いた些細な話なんだがエリオの方が年上なんだってな」

 

「え? ほんとですか?」

 

「うん」

 

「ど、どしよ! 年上の人に君とか言っちゃった」

 

「まぁ上って言っても二ヶ月程度だけな」

 

 

だから年齢的には同じ九歳

 

九歳か、やっぱり周りからは俺とキャロは年の少し離れた兄妹くらいに見えるんだろうな

 

うんうん

 

 

「雨水さん」

 

「んあ?」

 

「食べさせてくれるって話じゃなかったですか?」

 

「さっきした」

 

 

恥ずかしかった

 

本当は周りはそんなに気にしていないのだろうけど精神的にくるモノがあった

 

 

「減る物じゃないですし」

 

「減る。俺の心って言うか精神って言うか・・・その辺が減る」

 

「ならいいですね」

 

 

言い切った!?

 

カチャリと音を立てて俺の目の前に置かれるケーキ

 

 

「なぁ」

 

「なんですか?」

 

「さっきも食べたよな」

 

「はい」

 

「ふとッ」

 

 

市街での魔法攻撃はミッドの法で厳格に規制されてます

 

 

「シューター?! おまっ、申請無しに。バレたら」

 

「大丈夫です、管理局のひとも女の敵へのこうげきと言えば許してくれます」

 

 

そんな緩い組織になった覚えは・・・んーこの辺りを仕切ってるのは確かあそこの部署だったな

 

面識もあるし、もしかしたらその理由で通っちゃうかも

 

厳重注意は免れないけどね

 

 

「はぁー」

 

「溜息を吐きたいのはこっちです、まったく雨水さんは」

 

「はい、キャロ。アーンして」

 

「まだとちゅ・・・あむ、ふぁったくうひゅいはんわ」

 

 

ん、正面から見るとクリームを口に付けて美味しそうにケーキを食べる美少女

 

俺は結構役得なんじゃないか?

 

うん、そう思うと出費も安いと思えるな

 

 

「ひいてます?」

 

「全く全然これっぽっちも聞いてない」

 

 

待機スフィア十六

 

 

「わーデバイス無しで詠唱無し更にほぼ無動作でこれなんて成長したねー」

 

「んぐ、はむ、誤魔化されませんよ」

 

「なら、はいアーン」

 

「あーん」

 

「美味しい?」

 

「ケーキに罪はないです」

 

 

美味いらしい

 

俺だけかも知れないがケーキの細かい味に興味が無い

 

なので、だいたいの目安で、甘い、美味い、美味しいと思うのでキャロの意見は結構参考になる

 

 

「結局なんの話だった」

 

「さあ?」

 

「ま、いっか。少し食べるペース上げろよ。お土産が駄目になっちまう」

 

 

甘い物は別腹と言うけどもこれはもうご飯がサブで甘い物がメインって感じの勢いだよな

 

他の女性局員も少食の割に甘味系は確り食べるし、ってかむしろ飯を残してデザートのみ食べるなんて人も居たような・・・ま、別に学者じゃないし深く考えてもしょうがないけどさ

 

 

「わかりました」

 

 

はぁーこの大荷物をまた運ぶのか、キャロは・・・手伝って、くれないよね




感想待ってま~す

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。