召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百十三話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

レヴィちゃんの誘いで遺跡探検→いきなりボス戦→サポートに回るが苦戦→防戦一方の危機→ディアーチェとユーリちゃんの登場→あっけなく九頭竜が倒された

 

その後は、ディアーチェとユーリちゃんが持ってきてくれた弁当で昼食を済ませ、地下五階ほど進んだ所で、夕食の支度の為に帰る事にした

 

大型のモンスターを倒した時点で収穫なので、今日の成果としては十分らしい

 

戻ってからは、皆が準備や手伝いなどの、それぞれの仕事をし始めてしまったので、ずっと研究してくれているアミタちゃんとキリエちゃんの所に行く事にした

 

 

「あはは、ふふっ」

 

 

ついてみると返事も無く、中にはいるようなので入ってみると、キリエちゃんが椅子に座って乾いた笑い声を上げていた

 

 

「えと、大丈夫?」

 

「うふっ、まぁまぁです」

 

 

この妙なテンションは恐らく元気と言う訳では無く、きっと疲れのせいだろうな

 

 

「ところでアミタちゃんは?」

 

「アミタ? ああ、あの馬鹿姉ね。そっちの奥でぐぅすか寝てやがりますわよぉー」

 

 

言葉の端々に棘を感じる

 

 

「・・・ところで、前にアミタちゃんに言ったんだけど、戻る時間ズラせそう?」

 

 

睨まれた

 

うん、まぁ大変な事は分かりました

 

 

「ふふふっ、その要望のせいで一で十分な作業が十にも二十にもなりましたねぇ」

 

「ごめん」

 

「まぁ。シュミレーションの限りではぁ、それほど難しい話じゃないって出てるけどぉ。最大で五日間、それ以上は少し危ないけど。どう?」

 

 

五日間か

 

それなら多少の無理を通せば大人状態の時に戻れる。かも知れない

 

 

「うん。たぶん大丈夫、ありがと」

 

「そう。だったら今夜ね」

 

「・・・は? え、今夜? 早いね」

 

「あ? 眠いの。私とぉっても眠くて、とてもじゃないけど直ぐにしないと三日三晩寝れる自信がある。それでもいいのかしらぁ? ・・・待ってる人が、居るんでしょ」

 

 

いや、別に良いけど。なんて言ったら多方面から怒られるだろうな

 

 

「はぁ、ディアーチェも突然でビックリすると思うんだが」

 

「それなら大丈夫。王様はそのくらい覚悟してる。って言うか眠い」

 

 

どうもこの様子だと、キリエちゃんはアミタちゃんとは違って一睡もしていないようだ

 

第一印象は軽い感じの子かと思ったけど、根は真面目らしい

 

 

「分かった。夕食の時に言うよ」

 

「それまで・・・拷問だわぁ」

 

「終わったら、ふかふかのベットが待ってるな」

 

「ぅぅ、想像したら泣くかも」

 

 

泣く?!

 

しかも本当に涙目になってるし・・・まぁ一緒に行動しているアミタちゃんが寝てるのを知ってながら、寝ずに作業は辛いよな

 

 

「悪い。言わない事にするよ」

 

「そうして・・・じゃっ、てきとぉーに踏ん張ってるからまたねぇ」

 

「ああ、頑張って」

 

 

モニターに向かい直して作業を再開したキリエちゃんに心の中でお礼を言いながら夕食の席へ向かった




キリエのキャラが掴み辛いです

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