召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百二十話~side イクス~

家族旅行二日目

 

ルシエさんの部屋

 

夕食の後。お父様と別れた私は、ルシエさんにあるお願いをする為に来ていました

 

 

「はぁ、それで、秋春は朝は部屋で食べると」

 

「はい。なので、朝食は私が作って持って行こうかと思いまして」

 

 

探る様な視線を感じる

 

それもそうでしょうね。いつものお父様なら、私を通さず直接言うでしょう

 

 

「うん、分かった。朝食を持ってけば良いんだね」

 

「え? あ、いえ。ルシエさんに迷惑をかけるのは悪いと言っていましたし、私が作ります」

 

「ありがと。でも、秋春とは昔から一緒だし、慣れてるよ」

 

 

ね? と強く諭される

 

これは・・・私の嘘が分かっているのかも知れません

 

 

「すみません」

 

「ん?」

 

「お父様が言ったと言うのは嘘なんです。本当は、お父様に喜んでもらいたくて・・・」

 

 

暫らく黙り、ルシエさんはベットの上をぽんぽんと二回叩いた

 

 

「お話しようか」

 

「はい」

 

 

お父様とヴィヴィオ以外は興味の無い私ですが、ルシエさんだけは気にせずにはいられません

 

最も親しく距離の近い人

 

ルシエさんの隣に座り、体に触れられるのを許す。ヴィヴィオが見たら何と言うでしょうね

 

 

「イクスはお父さん想いだね」

 

「いえ、娘として当たり前の感情です」

 

「キャロ? シャワー入る?」

 

 

ルーテシア・アルピーノ

 

確かルシエさんの親しい友達でしたね

 

急に現れたので、とても驚きました・・・思わずベットから飛び降りていました

 

 

「あれっ、イクスちゃん。どうしたの?」

 

「・・・。」

 

「ちょっと、相談事かな」

 

「へぇなんだかキャロとイクスちゃんが並んでる所って絵になるよね」

 

 

親子のよう

 

何と無くそんな事を言われている気がする

 

 

「気に食わない」

 

「え?」

 

「何でも無いです」

 

 

怒っても仕方がありません

 

いまはお父様に喜んでもらう事を考える時。そんな時に怒りを沸き立たせるなんて、駄目な子です

 

 

「それより、お願いできますか?」

 

「分かった、良いよ。秋春には、私から朝食は別々になったって連絡しておくから」

 

「有難う御座います」

 

 

明日はお父様より早く起きなければいけませんね

 

朝は余り強くありませんから、起こす様にヴィヴィオにでも頼みましょう

 

 

「手伝いとか必要?」

 

「いえ、それについては大丈夫です」

 

「そっか。なら、後でルールーに調理場の位地情報をもらっておいてね」

 

「はい」

 

 

朝食は一日の活力を蓄える場と言いますから

 

やはり。栄養があり、体力の付く食べ物が良い・・・えと、お肉ですよね




肉を選んでいる時点でチョイスが少しズレているイクスです

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