召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百二十二話~side イクス~

家族旅行二日目

 

翌日の朝食の為にルシエさんの下へお願いに向かい、喜ばしい事に上手く事が進んだのですが・・・

 

 

「あれ?」

 

 

部屋に戻るとお父様の姿が無かった

 

確かに私が先に帰ったのですが、それでも・・・もう部屋に居てもおかしくない時間です

 

 

「散歩にでもいかれたのでしょうか」

 

 

就寝時間には少し早いですからね

 

それから、私も外に出ようかと悩んでいるとノック音が聞こえた

 

 

「はい、どうぞ」

 

「失礼しま~す」

 

「失礼します」

 

 

ヴィヴィオの同級生二名

 

 

「ヴィヴィオなら居ませんよ」

 

「違います違います。今日はイクス先輩に話があってですねっ!」

 

「ちょっとだけ良いですか?」

 

 

なんでしょうか

 

関わりを持った覚えは無いのですが、ヴィヴィオの事で何かあったとかですかね

 

 

「長くないのであれば構いませんよ」

 

 

私が外に出て、お父様と入れ違いになるよりはマシでしょうから

 

 

「有難う御座います!」

 

 

二人揃ってうるさいです

 

 

「で? 何の用ですか?」

 

「結構前からイクス先輩には注目してたんですけど、何でそこまで強いんですか? カリーノ先生とも互角じゃないですか」

 

「・・・えと、リオ・ウェズリーでしたか?」

 

「あ、はい。リオって呼び捨てで大丈夫です」

 

「そうですか。リオ・ウェズリー、貴方の質問には正直答え辛い所が多いです」

 

 

正直答えるのも面倒ですし

 

 

「答えれる範囲だけでも! あたしも、イクス先輩みたいに格好良くなりたいんです!」

 

「はぁ・・・ガッカリすると思いますが、才能。としか答えられませんよ」

 

「ほ、ほかには」

 

 

眠いです

 

お父様が帰ってくるまで一眠りする事にしますか

 

ヴィヴィオの友人なので相手にしていましたが、本当に面倒になってきました

 

 

「他と言われましても」

 

「うぅ~ヴィヴィオも凄く強いって訳じゃないけど、四人の中では一番だと思うしぃ」

 

「四人?」

 

「あ、私とヴィヴィオとリオとアインハルトさんです」

 

「なるほど。ところで貴方も私に何か話しが?」

 

「ふぇ? あ、まぁです」

 

 

コロナ・ティミルはとても言い難そうにもじもじとしている

 

鬱陶しい

 

 

「鬱陶しいので早くお願いします」

 

「はうっ」

 

「帰ってもらって良いですか?」

 

「あの! 雨水先生って怒るんですか?!」

 

「は? はぁ、まぁ怒りますが・・・怒りますよ?」

 

 

私は悪い子ですから

 

怒られてばかりです。ヴィヴィオのように褒められる子になれればお父様の心配も減らせるのですけどね

 

 

「しかし、それが聞きたい事ですか? 不思議な方ですね」

 

 

テンパっているように見えます

 

 

「いや、あの・・・雨水先生の本当に怒っている所って見たことないなぁーって思いまして」

 

「まぁお父様は温厚ですからね。よほどの事が無ければ優しいですよ」

 

 

ん? いま気付きましたが二人の視線が不自然に私に集まっている気がしますね

 

 

「どうしました? 私の顔に何か?」

 

「い、いえ!」

 

「・・・イクス先輩って雨水先生やヴィヴィオの事を話す時は穏やかな表情ですよね」

 

 

・・・。

 

なんだか不思議な気分です

 

まぁ嫌な顔して家族の事を話す訳にはいきませんから、それが当たり前なのでは無いのでしょうか

 

 

「どうでも良い事ですよ」

 

 

この後も二人は不思議な質問ばかりを言ってきて、本当に何をしに来たのでしょうかね




イクスには珍しく他人とよく話しています

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