召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百二十四話~雨水~

前回のあらすじ

 

高町一尉達を尾行→実は気付かれていたらしい→ともあれ訓練室で戦う二人を発見→モニター室で観戦する事になった→まぁ殆ど終わってたけどね

 

あの日から数日

 

本当のところを言えば。この数日間、ウルが何か行動を起こすのでは無いかと警戒をしていたのだが、警戒を他所に特に関連性のありそうな事は一切起こらなかった

 

 

「ん? やぁご主人様。おはようだね」

 

 

そんな事を考えていると、数日間一度も見なかったウルに出会った

 

 

「お前、今の今まで何してたんだ?」

 

「何って、この惑星は未開地が多いからね。ボクなりに色々調べていたのさ・・・っておや? 何をそんなに警戒しているんだい?」

 

 

思い違いかも知れないが前みたいに時間遡行に対する欲求は無さそう見える

 

二人っきりと言う今の状況は何かを仕掛けれる絶好チャンスだからな

 

 

「いや、こんな飲み物を仕掛けられたら警戒するだろ」

 

 

ストレージデバイスに格納してあった、ロストロギアもどきを取り出すとウルはポンと両手を打って頷く

 

 

「ああ、そう言えばそんな物も仕掛けたね。ハッハッハ、それはほんのお遊びだよ、効果時間も一週間そこらだし、まぁご主人様を実験台に使おうとしたのは素直に謝ろうかな」

 

「ん? 他の目的があったんじゃなかったのか?」

 

「他? それは単なる製作途中のサンプルに過ぎないよ。それにお遊び以上の期待はボクはしていない」

 

 

・・・ん? あれ?

 

俺の記憶では、これは俺の中のロストロギアを取り出す為に準備したモノだったはず

 

自分の知ってる過去と違う。シュテルちゃん達は、こんな違和感を俺に抱きながら接してくれていたのか

 

 

「今日は不思議な事ばかりを言うね。まるで、過去ボクがそれを使って何かしたみたいじゃないか」

 

「ははっ、そんな訳ないだろ」

 

「おや? 冗談のつもりだったんだが・・・たまにはこうしてご主人様と話すのも言い事だね。じゃ面白い収穫があったので、ボクは研究所に戻るよ」

 

 

スキップでもしそうな勢いで戻ろうとするウルの腕を掴んで引き止める

 

いま行かせると面倒な事になりそうな気がするんだよな

 

 

「なんだい?」

 

「いま何を考えてるか教えてくれる?」

 

「別の過去も存在すると定義して、ご主人様のデータをもう一度洗ってみようかと思っていたところだよ」

 

「・・・意外と正直だな」

 

「メイドだからね」

 

 

訳の分からない理由だが、予想通り面倒な事を考えていたみたいだ

 

どうやら全く気付かなかったが、俺の知ってる世界とは微妙なズレが存在していたらしい

 

しかし時間遡行も分からない事だらけだな

 

 

「よし、命令。それについては調べるな」

 

 

分からない事だらけだが、少なくともウルには調べさせない方が良いだろう。まだヴィヴィオに任せた方が安全に思える

 

 

「おやおや、ボクから研究を取り合えるとは鬼畜なご主人様だねぇ・・・代わりに何か用意してくれるのかい?」

 

 

・・・これは相応の代わりが無いと引く気は無さそう

 

ウルが興味を持ちそうな事か

 

あれだな

 

 

「スカリエッティから貰ったベルカ文献を見せてやる」

 

 

古代ベルカ研究はウルの本職みたいなモノ

 

やっぱり釣るならそこからか

 

 

「もちろんボクは最初からご主人様になんか興味は無かったさ」

 

 

即断即決。自分の父親が調べていたモノって言う所にも興味を引かれたんだろう

 

まぁともあれ、これで当面の危険は無くなった訳か・・・俺も本格的に自分の力について考えないといけないのかも知れないな




亀更新。なんだか週一くらいのペースになりそうです

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