召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百二十七話~side 雨水~

前回のあらすじ

 

ウルと遭遇→ロストロギアもどきを追求→悪戯程度のモノらしい→俺の知る過去との間に僅かにズレが発生している事が判明→その後、ルーテシアちゃんの収集している資料で少し調べてみた→成果は得られず→旅行終了

 

旅行から帰ってきて数日後

 

いつもの日常に戻りながらも、ヴィヴィオ達のDSAA公式戦へ向けての調整を手伝っていた

 

 

「で? なんで俺は呼ばれたんですか?」

 

「なんでなのか分かりませんか?」

 

 

・・・さっぱりなんだが

 

取りあえず整理してみるか。朝から学院に来て見ると、眠そうなシャンテちゃんが待っていて、その場で捕まって教会に連れてこられ騎士カリムの所に案内された

 

ここ数日はヴィヴィオ達の練習を見てたくらいだから、特に呼ばれる理由は無いな

 

 

「そうですかぁ。私は、雨水さんが旅行の話を聞かせてくれるものと思ってワクワクして待ってましたのに・・・シクシク」

 

 

わ、ワザとらしい。大体シクシクとか口で言っている時点で隠す気がない

 

 

「それについては・・・そうですね。報告を怠った事に関しては本当に申し訳ありません。定期的な報告はシスターシャッハにお渡ししていると思うのですが」

 

「もぉー! これは個人としてです! 仕事禁止! 社交辞令的なのは無し!」

 

 

シスターシャッハじゃなくて、シャンテちゃんが護衛って事は本気で個人的に呼び出されたんだろうな

 

 

「で? 一応聞きますけど、シスターシャッハは何処ですか?」

 

「シャッハは・・・そう! 用事! 大事な用事があって出られないの!」

 

 

そう! って思いっきり言われましても、普通に怪しいんですが

 

 

「怒られても知りませんからね」

 

「大丈夫よ。雨水さんとの談話ですもの。それに、ヴィヴィオちゃんやイクスちゃんも話には出てくるでしょう? だったら、これは教会としてのちゃんとしたお仕事です」

 

 

まるで自分に言い聞かせるような言い訳を完成させた騎士カリムは、期待した目で俺を見ている

 

そんな聞かせて面白い話は無いんですか

 

 

「はぁ・・・だいたいは例年通りでしたよ。ただ、今回は少しだけメンバーが増えましたから。それ関係の話だったらありますが」

 

「そう言う話で良いんです! いえ、むしろそう言う話が聞きたいんです! ん~でも、やっぱり私も行きたかったぁ~」

 

「一日や二日なら話は別ですが、長期となると立場的にまずいですからね」

 

「そうよねぇ。前にはやての故郷、あ、雨水さんの故郷でもあるんでしたよね? 海鳴市に行こうとチャレンジはしたんだけど、ゲートの所でシャッハに捕まっちゃうし」

 

 

ゲートまでは辿り付いたんですか

 

 

「流石にマスコミにバレそうになって、あわや惨事だったんですけどね」

 

「普通に正攻法では行けないんですか?」

 

「あー・・・それだと、やっぱりマスコミに注目されるの。情報って何処から漏れるのかしらね?」

 

 

昔にヒューズに聞いた話では、情報源はそこらに溢れている。とか言ってたっけ

 

 

「難しい問題ですね」

 

「だから、こうして雨水さんの話が楽しみで仕方ないんです!」

 

「・・・帰れそうに無いですね」

 

「当然です!」

 

 

なんだか乗せられた気分だ

 

しかし、それでも期待の眼差しを向ける騎士カリムから逃れる事は出来ずに、昼半ばまで旅行での出来事を話した


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