召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百三十話~side イクス~

最近のドラマはとても良く出来ている

 

ヴィヴィオに言わせれば、この時間のドラマはラストが予想出来てつまんない。らしいですが、私が見る限りでは、予想を何度も裏切られ中々に見応えがあります

 

 

「私は妻が怪しいと思います」

 

「確かに、だいぶ挙動が病んでるな」

 

 

そうなんです。いくらドラマとは言え、あそこまで露骨だと何かあるに違い無いです

 

 

「そうかな? ヴィヴィオ的にはッむぐぐ!」

 

 

課題を終えたヴィヴィオが横から何か言おうとしてきたので、無理やり口を塞いで止める

 

貴方の予想はまず間違い無く外れる事が無いので、言うのは止めなさい

 

それは詰まらないですから

 

 

 

「ぷはっ! むぅ、あきパパ! 笑ってないで止めてよっ!」

 

「ハハッ、悪い悪い」

 

 

くしゃくしゃと髪を乱暴に撫でられている

 

乱暴と言っても、とても優しいものですが・・・羨ましいです

 

 

「にゃッ!」

 

「どうした?」

 

「お姉ちゃん踏んでる! 足、足!」

 

「え?」

 

「不思議そうな顔しない!」

 

 

あ、ホントですね

 

足が勝手に動いたので、まったく気が付きませんでした・・・嘘では無いです

 

 

「こんな時間に喧嘩するなよ」

 

「はい」

 

「はーい」

 

 

私とヴィヴィオの返事が重なる

 

 

「あ、ドラマと言えばね」

 

「ん? 面白い話か?」

 

「ふっふふーん。まぁまぁだよ」

 

「自身有り気にまぁまぁですか」

 

 

妹の癖に生意気な成長を遂げている胸を、これまた当て付けかのように張るヴィヴィオにお父様と私の視線が集まる

 

 

「あのね。なんと、わたしことヴィヴィオが、テレビ出演するのです!」

 

「・・・。」

 

 

唖然としているお父様

 

いきなりの告白にビックリしているようです

 

当然ですが、私も驚いています。そんな話は一切聞いていないですから

 

 

「どう? びっくりした?」

 

「びっくりしたって言うか。どこから来たんだ? その話。なぁイクス」

 

「とても、驚きました。・・・頑張って下さい。私もお父様も応援していますよ」

 

「え?」

 

「・・・なんですか、その驚いた顔は」

 

「いや、えと・・・イクスお姉ちゃんが、あきパパの話よりヴィヴィオの事を優先したから・・・嬉しいけど・・・その、ありがとうなの」

 

 

ただ応援しただけなのに、なぜかヴィヴィオは恥ずかしそうにモジモジとし始めてしまった

 

失礼ですね。私だって妹の応援くらいします

 

 

「で? その話は本当なのか?」

 

「うん。ユーノ司書長から、新しく出来る図書館の宣伝にって。いつもお世話になってるし、良いかなぁって思って」

 

「ああ、ユーノに。それなら安心だな」

 

 

ユーノ・スクライアですか

 

あの方には少しだけ私もお世話になりました

 

確かにお父様の言うとおり、何処の誰とも知らない人に大切な妹を任せる訳にはいきませんからね

 

 

「安心って、もー。あきパパもイクスお姉ちゃんも揃って心配性だよね。宣伝なんだし、長くても三十秒くらい。撮影時間も長くないだろうから大丈夫だよっ」

 

 

にゃはは。と恥ずかしさを誤魔化す為かヴィヴィオは軽く笑ってソファーを立った

 

 

「じゃっ! ヴィヴィオはもう寝るね!」

 

「早いね」

 

「うん、明日は皆と練習があるから」

 

「そっか。おやすみ」

 

「お姉ちゃんもおやすみ~」

 

 

おやすみなさい。そう私が言い返すをヴィヴィオは嬉しそうに笑って出て行った

 

・・・我が妹ながら、喜ぶところがよく分かりません


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