召喚少女のリリカルな毎日   作:建宮

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三百三十二話~side ウル~

覇王イングヴァルドのデバイスの作製

 

その話がボクの所に来た時は正直驚いたよ

 

まさか教会がボクみたいな狂った科学者に、大事な保護対象のパートナーになるモノを任せるなんて夢にも思ってなかったからね

 

 

「ま、だからと言って遠慮はしないけどね! このボクが作るんだ。これ以上に無いくらい最高に仕上げてみせようじゃないか! フゥーハハハ!」

 

 

気分良く機材を眺めていると、急に白衣を後ろに引っ張られ、抵抗空しく体が後ろに倒れていく

 

そして、引っ張った張本人の体で受け止められた

 

 

「外まで聞こえてるぞ」

 

「ふむ、来てたなら、もっと普通に声を掛けて欲しいものだね」

 

「部屋の外からも中からも声は掛けたよ」

 

「そうなのかい?」

 

 

腕を組んで考えてみる

 

しかし、思考はすぐに切り替わり、ご主人様の隣の少女へと移る

 

ああ、彼女がアインハルト君か。前に会ったの時は変身魔法を使っていたからね、そちらの方が印象に残って何だか新鮮だよ

 

・・・疲労が少し見える。万全の状態の方が今からする実験は好ましいんだけど

 

 

「好い加減、自分で立たないか?」

 

「ん? キミが倒したんだろう? それに、男性の胸に抱かれると言うのは、存外心地良いものだね。フフフ、良いネタになるよ」

 

 

さて、確かにそろそろ色んな所から恨みを買いそうなので止めておこうか

 

 

「あの、それで私は何故連れて来られたのでしょうか」

 

「おや? ご主人様から説明は受けていないのかい?」

 

「はい、ヴィヴィオさんと分かれて直ぐに連れてこられましたので」

 

 

それでも道中は時間があっただろうに

 

ま、良いか

 

ボクには関係ない

 

 

「それでは、ボクから説明させてもらおう。現在ボクはキミのデバイス作製に携わっているのだが、その最終調整の段階で、いま現在持つボクのデータでは少し不安要素が残る所があってね。それで、データ収集の為に、こうして呼ばしてもらったのだよ」

 

「は、はぁ」

 

「ま、簡単な確認みたいなモノだからね。ちょっと機械の前で動いてもらったり、魔法を使ってもらう程度の事だよ」

 

「分かりました・・・それより、私のデバイスと言うのが初耳なんですが」

 

 

初耳?

 

それは知らなかったと言う事だろうか

 

 

「ご主人様?」

 

 

ボクがご主人様の方を見ると、ご主人様は頭を抱えていた

 

忘れていたんだね

 

 

「・・・・うん。だからさ、アインハルトちゃんもヴィヴィオから貰った時には知らなかった風に装ってくれると嬉しいな」

 

「・・・。」

 

 

やれやれ、そうと言ってくれれば秘密裏にデータを取る事も出来たのに、知ってしまった以上は難しい注文だろうね

 

 

「ご主人様の失態ならヴィヴィオ君も酷くは気にしないだろうさ。それよりもアインハルト君、実験を始めようか」

 

「はい」

 

 

計測室に入ってもらって必要なデータに沿って指示を出す

 

 

「ああ、そうだ。ご主人様」

 

「なんだ」

 

「これが終わってアインハルト君を送ったら、今度はヴィヴィオ君を連れてきてくれないかい?」

 

「ヴィヴィオを?」

 

「そうだよ。一部情報の提供者はヴィヴィオ君だからね、ボクには連絡する義務がある・・・らしいよ」

 

 

彼女は怒らせると怖いからね

 

末恐ろしい事に彼女は何でも出来る。何でも出来るから、何をされるか検討も付かない

 

 

「検討も付かない、分からない。それは、とても面白そうだね」

 

 

了解するご主人様を見ながら、小声で呟く

 

本当にご主人様の周りは、好奇心が沸くモノが尽きなくて助かるよ

 

そんな事を思いながらボクは口の端を吊り上げた

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